「Google Glass」が失敗した理由と「Snapchat」が次に目指す場所(1/2 ページ)

» 2016年10月16日 06時00分 公開
[松村太郎ITmedia]

 Snapchatは、9月24日に社名をSnap Inc.へと変更し、「Spectacles」(スペクタクルズ)というカメラ付きサングラスを発表した。サングラスの右端にカメラが内蔵されており、左端のボタンをタップすることで10秒の動画を撮影できる。

動画が取得できませんでした
Introducing Spectacles

 撮影された動画は、ワイヤレスでSnapchatアプリの「メモリ」に送信される。Snapchatのメモリは、Snapchatの特徴だった「自動的に消える写真やビデオ」を覆す、保存できるタイムラインのような存在だ。

 Snap Inc.は「カメラ会社」だというステイトメントを出し、企業の方向性のシフトチェンジを象徴するウェアラブルカメラという位置付けになる。

ストックからフローの時代へ

 筆者は1999年からの4年間、大学生として過ごした。モバイルマルチメディアをテーマとしたゼミ生の間で注目されていたキーワードに「ライフログ」があった。直訳すれば生活の記録。

 ちょうどカメラ付きケータイが登場し、写真を撮ることが非常に手軽になったこと、そしてWeb日記を経て、言葉としてWebログ(ブログ)が登場し、文字を記録する場としてのインターネットも認知が進んだ。

 こうした情報を蓄積して行くタイプのサービスの最たる存在がFacebookだ。人間関係、写真、共有する情報など、全てが蓄積されていった。それにしては検索性の低さに非常に不満を覚えているが。

 一方、今回のテーマであるSnapchatは、米国だけでなく日本でも、若者世代を魅了するサービスだ。Facebookを避けてSnapchatを楽しむミレニアム世代の言い分は、「親がいないこと」。

 ただ筆者は、情報の扱い方にも大きな違いを見いだしている。

 それはすなわち、ストック型のFacebookに対する、フロー型のSnapchat、という対比だ。フロー型のサービスでうまくいっているのはSnapchatくらいだろう。Twitterもフローが得意なサービスであるが、おそらく登場が早すぎた。

 人々がストックのサービスに興味を持っていた時代が、今ようやく終わろうとしているからだ。ジャック・ドーシーがリーダーシップをとって、「ニュースネットワーク」との方針を打ち出しており、輝くようになるのではないだろうか。

ライフログからフローへ

 こうしたメディアのモードの違いを指摘した上で、Spectaclesをあらためて見直してみよう。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」