「座り時々立ち仕事」がベスト? スタンディングデスクの効果

座り仕事・立ち仕事が両方できる「スタンディングデスク」を導入し、健康増進する企業が出てきています。このスタンディングデスクの効果と活用法をご紹介します。

» 2017年03月10日 06時00分 公開
[石原亜香利ITmedia]

 長時間PCの前に座り、一日中同じ姿勢を続けていると、肩こりや猫背などの姿勢不良、腰痛、運動不足などの問題が起きてきます。また、海外の研究結果では「座りすぎ」は、糖尿病やがん、冠動脈疾患などのリスクがあることも分かっています。

 それらの体調不良や病気を予防する1つの対策として、「座り時々立ち仕事」をかなえる「スタンディングデスク」が注目されています。

 このスタンディングデスクの効果と活用法を、スタンディングデスクを手掛けるメーカー、岡村製作所(オカムラ)の担当者に伺いました。

(C)岡村製作所

座りすぎることのリスク

 座りすぎることは、あらゆる健康リスクがあることが、海外の研究で分かっています。

 座位研究の第一人者であるオーストラリアのネヴィル・オーウェン博士によると、座っている時間が一日4時間未満の人たちと比べて、11時間以上座り続けている人たちは、死亡リスクが40%も高まっていたのだといいます。

 また、脚の筋肉を動かさないことで血流が悪くなり、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、糖尿病などのリスクが高まることが分かっています。

「座り時々立ち仕事」を推奨

(C)岡村製作所

 そこで、健康・効率・交流という3つの側面から新しいオフィス環境を提案している岡村製作所の担当者に、座りっぱなしによる健康リスクへの対策を伺いました。

 「弊社が日本のオフィスワーカー1200人を対象に行った実態調査によれば、オフィスワーカーの7割は座りっぱなしであることが分かりました。よく『座りっぱなしはよくないから、歩くといい』などといわれますが、『歩く』は『座る』からすると遠い行動であるため、なかなか実行されないところがあります。

 そこで、まずは1日2時間『立つ』ことが推奨されています。座り仕事をしながら、時々立ち姿勢を取り入れるスタイルが、健康維持に役立つという考え方です」

 大原記念労働科学研究所と岡村製作所が行った実験では、座りっぱなしや立ちっぱなしと比べて、座り時々立ち仕事は、眠気やむくみ、疲労を抑制することが分かったのだといいます。

スタンディングデスクが実際に導入されたら…………

(C)岡村製作所

 では、オフィスに立ちながら仕事ができる「スタンディングデスク」が導入された場合、どのような使い方をすれば良いのでしょうか。その活用方法を教えてもらいました。

デスクの高さを変えて立ち仕事の時間を作る

 「上下に昇降するタイプのデスクであれば、時間をおいてデスクの高さを変え、立ち仕事と座り仕事の両方を行うといいでしょう。天板の高さは自由に設定できるので、資料を見る、PC作業、集中して考えるなど自分のお気に入りの高さが自由に選べるのが、このデスクのメリットです」

立ち会議と座り会議を使い分ける

 「例えば、アイデア出しや作業が伴う会議では『立ち会議』、じっくり議論するときは『座り会議』など、会議の目的や所要時間によって使い分けるのがおすすめです。

 立ち会議は脚が疲れやすいため、議題に集中し時間が短縮できる効果があります。さらに立ち姿勢だと表情が分かりやすくホンネが出やすいという傾向もみられます」

立ち仕事に関する素朴な疑問

 ところで、この立ち仕事、少し気になるところもあります。例えば、座り仕事から立ち仕事に切り替えるのはどんなタイミングが良いのでしょうか。

 「利用者の方からは、集中したいとき、食事後の眠気が出やすい時間帯、夕方仕事にマンネリを感じてリフレッシュしたいときなど、さまざまなタイミングで立ち仕事に切り替えているというお声をいただいています」

 また、オフィスでは、立っている人がいると、座っている人は落ち着かない気がします。何か良い対策はあるのでしょうか。

 「確かにそういった傾向はあります。例えば、デスクの3方向にパネルを取り付けることで緩和できます。また、立って仕事をするときは隣の方に声掛けをしてからデスクを上げると、スムーズに運用できると考えています。コミュニケーション活性化にもつながるでしょう」


 立ち仕事は、まだまだ日本のオフィス環境では慣れないところもあるでしょう。しかし、座りっぱなしの健康リスクを知ると、立つことには単なる眠気ざましだけではないメリットがあることに気付くはずです。

 スタンディングデスクが導入されていないオフィスでも、自ら「時々立つ」ことを意識するところから始めてみるのがよさそうです。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news042.jpg 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  4. /nl/articles/2411/14/news090.jpg ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  5. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. /nl/articles/2411/13/news162.jpg 「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
  9. /nl/articles/2411/14/news035.jpg 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
  10. /nl/articles/2411/12/news194.jpg 「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた