チュニジア、エジプト、リビアの政治移行にシリアスゲーム活用の試み日々是遊戯

昨年末から今年にかけ、大規模な革命が起こり話題となったアラブ地域。その政治移行を補助するために、シリアスゲームが活用されつつあるそうです。

» 2011年12月01日 21時39分 公開
[池谷勇人,ITmedia]

シリアスゲームの活用例

 オーストラリアのニュースサイト「skynews.com.au」で、興味深い記事を見つけたので紹介します。昨年末から今年にかけ、チュニジア、エジプト、リビアで大規模な民主化革命が起こり話題になりましたが、その後この3国の政治移行を補助するために、コンピューターゲームによるシミュレーションが活用されつつあるとのこと。

 ゲームの正式名称は「Strategic Economic Needs and Security Exercise」。頭文字を取って「SENSE」と呼ばれるこのプログラムは、1990年代にアメリカの国防分析研究所主導で開発されたもの。元々はボスニア・ヘルツェゴビナの独立と復興を助ける目的で開発され、仮想空間上に際限された架空の国家を舞台に、革命から政治移行、復興までの流れをゲーム形式でトレーニングできるのが特徴です。ゲームとは言え、政治・経済や紛争といった問題も組み込まれており、ごく簡単に言うなら「シムシティ」のリアル版と言ったところでしょうか。

 記事によると、今回の「トレーニング」はポーランドが主導で行っており、11月中旬にチュニジアの政府役人47人を対象に実施。トレーニングは5日間にわたり、最初の2日間は紛争管理と交渉トレーニング、残りの3日間でSENSEプログラムを使った復興シミュレーションが行われたそうです。なおチュニジアに続いて、今後はエジプトでも同様のプログラムを実施する予定とのこと。

 ちなみになぜポーランドが主導なのかというと、ポーランドも90年代に共産主義から民主主義への移行を経験しており、自国の経験を今後に活かすため、SENSEの開発に積極的に協力。現在はヨーロッパにおけるSENSEの公認オペレーター/インストラクターという立場にあるのだそうです。

 アメリカでシリアスゲームという言葉が使われはじめたのは2002年頃からとされていますが、記事を見る限りSENSEはそれよりもかなり早くから開発され、実際に活用されていたということになります。シリアスゲームの活用例の1つとして、興味深い話題と言えるのではないでしょうか。

画像画像画像 合衆国平和研究所(USIP)のサイトより、SENSEを実際に使っている様子

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」