ニュース
» 2011年03月23日 23時35分 公開

あらゆる音をサイン波に溶かし、傷ついた心をおだやかに癒してくれるゲーム「なぎ -nagi-」日々是遊戯

ゲームサウンドクリエイターの中村隆之氏、「ディシプリン*帝国の誕生」の飯田和敏氏、eスポーツプロデューサーの犬飼博士氏が、災害復興を祈願したゲームソフトを無料で公開しています。

[池谷勇人,ITmedia]

ゲームクリエイターが復興のためにできること

左上にあるマイクボタンを押すと、鳴らした音をファイルに出力することも可能。「できればいろんな音を食わせて、YouTubeなどにアップしてほしいです。それで、音源をアップしたらハッシュタグ『#nagi』でつぶやいてほしい。がんばるために、みんなで波を共有したい」と飯田氏

 「ルミネス」シリーズなどの音楽で知られる、ゲームサウンドクリエイターの中村隆之氏(@nakataka)が「少しでも多くの人に穏やかになってほしい」という願いを込めて、災害復興を祈願したゲームソフトを作成・公開しています。

なぎ -nagi」と名付けられたこのゲームは、パソコンのマイクから取り込んだ音の波を飲み込んで反復し、やがてゆったりとしたおだやかな波(なぎ)に変えていくというもの。人の声、キーボードを叩く音、テレビの音声――。身の回りに存在するあらゆる雑音が、このソフトを通すことで心地よいサイン波へと変換されていきます。

 ソフトは現在、中村隆之氏、飯田和敏氏、犬飼博士氏の3人のゲームクリエイターによるユニット「同化P」のサイトにてダウンロード可能。中村氏によれば、もともとは同じ「同化P」メンバーの犬飼氏のために作ったソフトなのだそうです。

「地震の後、犬飼さんが泣いていたんです。震災直後はすごく強気だったのに、時間が経つにつれてどんどん弱気になっていった。それで犬飼さんみたいな人に、少しでも落ち着きを取り戻してもらえたらと思ったのが開発のきっかけです」(中村氏)

震災当時、お台場にいたという犬飼氏が撮った写真。今回の地震は日本中に大きな衝撃を与えましたが、少しでも早く、みなさんの心が癒されることを祈ります

 その後飯田氏、犬飼氏の後押しもあって、中村氏は「同化P」のサイトでソフトを無料配布することを決定。ちなみに「なぎ -nagi-」というタイトルは飯田氏の命名、また犬飼氏もデバッグや改良、サイト制作といった形で手伝っているそうです。

 中村氏いわく、サイン波というのはあらゆる音のなかでも「もっとも美しい波形」を持つのだそう。確かにサイン波独特のおだやかな音色を聞いていると、それまでギスギスしていた心が少しずつ安らいでいくような気がします。「どんな複雑な波形も、最終的にはサイン波に帰結してしまう。そんなソフトを作りたいと思った。理論的な裏付けはありませんが、心を安らげる効果はあると思います」と中村氏。

 未曾有の震災に瀕した今、ゲーム業界が被災者のためにできることは決して多くありません。しかしゲームには本来、身近な人や、社会を幸せにする力がある。今はこのソフトが少しでも多くの人の心を癒してくれることを祈りたいと思います。

 最後に、ソフト公開にかかわった「同化P」の犬飼氏、飯田氏からもメッセージをいただきましたので、併せて掲載させていただきます。

「いとうせいこう原作の『ノーライフキング』って映画があって、そのポスターにファミコンのカセットが写ってる。そこに小学生がマジックでメッセージを書いてるんです。『がんばれ!』って。自分と仲間たちにむけた最強のメッセージ。企業は義援金を供出することで社会との関わりを明示できるけど、ぼくらはクリエイターだからゲームを作ることでしか社会と関われない。『なぎ -nagi- 』どうやって敵を倒すか攻略法を探すゲーム。社会につながったゲームなんです。みんなほんとはとっくに本気出してるんだけど、アピール下手だから、ゲーム=おもちゃでいいです――ってなっちゃってる。でも僕らもいい歳なんだから、そろそろいろんなもの背負ってもいい。そういうことを冗談ではなく本気で言う時機だと思います」(飯田氏)

「ゲームは社会と結びつかなくていいはずがない、結びついているはずなんです。ゲームを仮に、何かの問題に対して勝ち負けを定義して取り組むための手段とするなら、倒すべき敵は涙です。ゲームは世界を変えますよ。でも今はまだみんな疲れてる。まずはACのCMを食わせるとかしてゆったりしてください」(犬飼氏)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2311/06/news020.jpg 柴犬「友達〜!!!」 お母さんの寝坊で散歩が遅れた柴犬、ワン友に会えず……→怒りMAXの拒否柴発動に母「スマン……」
  2. /nl/articles/2311/06/news041.jpg 素潜りでイソマグロを突いたら海に引きずり込まれ…… 水深25メートルの激闘が100万再生「怖い」「磯のダンプカー」
  3. /nl/articles/2311/05/news045.jpg カナダ留学中の光浦靖子、得意の手芸でまたしても力作を生み出す 「クオリティ高すぎ」「もープロですね」
  4. /nl/articles/2308/06/news018.jpg 柴犬がプールからあがろうとした瞬間……! 「何回見ても爆笑」「好きすぎる」コントのようなずっこけハプニングが発生
  5. /nl/articles/2311/06/news047.jpg 隣家にいった飼い主、ふと視線を感じると柴犬たちが……? じーっと監視するワンコきょうだいの圧に爆笑
  6. /nl/articles/2311/06/news117.jpg 「スト6」フランス大会決勝、モニターにペンキで中断 環境団体乱入で
  7. /nl/articles/2311/06/news068.jpg 村重杏奈の“最強遺伝子”な弟、7歳バースデーお祝いに黄色い声 姉とうり二つな姿に「幼さが抜けて更にイケメン」「可愛いしカッコイイ」
  8. /nl/articles/2311/04/news008.jpg 「やばい電車で見てしまった」「おなか痛い、爆笑です」 カメがまさかの乗り物で猫を追いかける姿が予想外の面白さ
  9. /nl/articles/2311/04/news016.jpg 突然現れた痩せて汚れた野良猫、「ごはんくだちゃい」と訴えてきて…… 距離が縮まっていく姿に「涙が出ます」と100万再生
  10. /nl/articles/2311/05/news052.jpg 「ここはあんたが座る席じゃないよ」 末期すい臓がんの叶井俊太郎、優先席に座るも高齢者から非難 妻・倉田真由美が明かす
先週の総合アクセスTOP10
  1. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  2. 尻尾がちぎれた小さな子猫をサーキット場で保護→1年後“ムキムキ最強生物”に 驚異の成長ビフォーアフターに注目集まる
  3. 「犬ぐらい大きくなれよ」と願い育てた保護子猫が「まさか本当に犬ぐらいになるとは」 驚異の成長ビフォーアフターが192万表示!
  4. 「BreakingDown」出場の元プロボクサー、5人から一方的に暴行される 顔面数針縫うも「私は1発も攻撃してません」
  5. 「頭が大きい」「普通ではない」 パリス・ヒルトン、9カ月長男の受診勧めるコメントにぴしゃり「世の中には病んでる人がいるみたい」
  6. 「最期の最期まで闘って」 元「妄想キャリブレーション」水城夢子さん、27歳で病死 2年前には“しばらく療養が必要な病状”で休止
  7. 3児の母・杏、異次元スタイルのパンツスーツ姿が衝撃的 目を疑う脚の長さに「身長の半分股下」「えっ! 本当!? っと思っちゃうくらい」
  8. 志穂美悦子、68歳バースデーに鍛えられた筋肉バキバキの肉体美披露 「いろいろやりたいことがある」「まだ見ぬ自分へ」
  9. 柴犬と父のやりとりに「20分これ見て爆笑してます」「気持ちよすぎるいい返事」 お笑いコンビを超える関係性が100万再生
  10. 「スカートはないわ」「常識無視の番組でびっくり」 山下リオ、登山中の服装批判巡って反論「私が叩かれているようですが」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 病名不明で入院の渡邊渚、3カ月ぶりSNS更新で「表情に違和感」「そこまで酷い状況とは」 ベッド上で「人生をやり直すこともできません」
  2. 動かないイモムシを助けて1年後のある日、窓の外がありえない光景に 感動サプライズが「アゲハ蝶の恩返し」と話題
  3. 「スカートはないわ」「常識無視の番組でびっくり」 山下リオ、登山中の服装批判巡って反論「私が叩かれているようですが」
  4. 「千鳥」大悟、大物美人俳優にバッグハグされた表情に注目集まる 「マジ照れのお顔ですね」「でれでれやん」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 神田愛花アナ、拡散された女子中学生時代ショットにスタジオ騒然「ヤバい」→“アネゴ感”でSNSもざわつく
  7. 「生きててよかった」 熊谷真実、美麗な初“袋とじ”グラビアで63歳の色気全開 真っ赤なドレス着こなす姿に「すごいプロポーション」
  8. 尻尾がちぎれた小さな子猫をサーキット場で保護→1年後“ムキムキ最強生物”に 驚異の成長ビフォーアフターに注目集まる
  9. 双子モデル・吉川ちえ、美容整形後のひたいが“コブダイ”状態へ 多額の費用要した修正手術で後悔も「傷がこんなに残りました…」
  10. 「犬ぐらい大きくなれよ」と願い育てた保護子猫が「まさか本当に犬ぐらいになるとは」 驚異の成長ビフォーアフターが192万表示!