ニュース
» 2012年03月15日 19時42分 公開

夢の「無意識ダイエット」実現へ!? 拡張現実で「拡張満腹感」は得られるかインタラクション2012

拡張現実を使って食品を大きく見せると、人間はそれだけで「満腹になった」と錯覚してしまうらしい。は、はやく実用化してください!

[池谷勇人,ITmedia]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 満腹感は、「見た目の量」や「おいしそうに見えるかどうか」といった要素も重要だった。ならば拡張現実を使って満腹感は得られないものだろうか?

画像 「拡張満腹感」について発表を行った、東京大学の鳴海拓志さん

 ユーザーインタフェース、仮想現実、ユビキタスコンピューティングなど、インタラクションに関わる最新の技術・研究が一堂に会するシンポジウム「インタラクション2012」が、日本科学未来館にて開催中だ。期間は3月15日から17日までの3日間。

 初日に行われた一般講演では、東京大学の鳴海拓志さんらが「拡張満腹感:拡張現実感を利用した食品の見た目の操作による満腹感のコントロール」と題した研究の発表を行った。

画像画像 拡張現実(AR)技術を使って食品の見た目サイズを変えたら、得られる満腹感も変わる?

 人間は通常、膨満感や血糖値などで満腹になったかどうかを判断するが、鳴海さんによると、実はそれ以外にも「食事の見た目の量」や「おいしそうに見えるかどうか」など、環境的手がかりによるところも大きいという。それならば、拡張現実を使って食べ物の見た目のサイズを変えたら、それだけで満腹感が得られるのではないか――というのがこの研究の趣旨。

 実験ではHMDを使って、被験者が「満腹になった」と感じるまでオレオを食べ続けてもらった。映像は独自のアルゴリズムによってリアルタイム処理され、食品の部分だけを大きくしたり、小さくしたりできる。試してみたところ、普通サイズのオレオでは11枚で満腹になったが、拡張現実で小さく見せた場合(2/3サイズ)は13枚、逆に大きく見せた場合(1.5倍サイズ)は7枚で満腹になったという。

画像画像 実験中の様子と結果。見た目を大きくすると明らかに摂取量も少なくなっている

 鳴海さんによると、実験を重ねた結果「見た目のサイズを変えることで、(満腹になるまでの枚数を)プラスマイナス10パーセントくらい操作できる」という。しかもダイエット用の青色メガネなどと違って、満足度は変わらないため「食べる幸せ」も損なわれない。

 問題点としては、食事のたびにHMDを装着しなければならない点と、今のところ認識の仕組み上、「手で持てる食品しか判別できない」点などがあるという。また一度HMDで見てから食べるのが前提のため、例えばテレビを見ながらポテトチップスをつまむ場合など、手元を見ないで食べてしまうケースには対応できない。

 ライフログと連動して自動的に食事量をコントロールしたり、「サラダは多く、肉類は少なく」といった具合に、食品の種類を自動で判別したりといったことも将来的には不可能ではないという。もしもこの技術が完成すれば、努力どころか「意識」すらしなくてもダイエットが可能になる時代がやってくるかもしれない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2312/02/news048.jpg 「明らかに写真と違う」 東京クリスマスマーケットのフードメニューが物議…… 購入者は落胆「悲しかった」
  2. /nl/articles/2312/03/news054.jpg 藤本美貴、“全然かわいくない値段”のテスラにグレードアップ スマホ一つでの注文に「震えちゃ〜う!」
  3. /nl/articles/2312/02/news075.jpg 黒木啓司の妻・宮崎麗果、1年空けずにフェラーリを追加購入 愛車は高級外車ぞろい「何台目!?」「カッコいいの一言」
  4. /nl/articles/2312/07/news009.jpg 「入居者が全くいない」ボロボロの築古アパートをリノベしたら……? 驚愕の“激変ぶり”に「すてきです!」
  5. /nl/articles/2312/03/news018.jpg 黒猫に見えるニャンコ、“かわいすぎる秘密”をかくし持っていた……! まさかの事実に「じゃないんだ」「白い……!」
  6. /nl/articles/2312/03/news015.jpg ハムスターが「寒い寒い!」とスライディングお布団→「スヤァ」 人間味あふれる“ぬくぬく姿”が「可愛すぎ注意」と話題
  7. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. /nl/articles/2312/03/news012.jpg 猫たちがストーブの特等席を陣取るが、大事な事に気付き…… 「おかあさーん!!」とシンクロで訴える姿に冬の訪れを感じる
  9. /nl/articles/2312/02/news003.jpg ちいかわデザインのおくすり手帳を開いたら……? “まさかの中身”に衝撃走る「絶対に笑ってはいけない」
  10. /nl/articles/2311/30/news197.jpg 一世風靡の52歳元アイドル、がん受診の遅れ巡って後悔しきり 同じ病で亡くした母思い「怖さわかってるはずなのに」「自業自得なんです」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  2. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」
  3. 愛犬と外出中「飼いきれなくなったのがいて、それと同じ犬なんだ。タダで持ってきなよ」と言われ…… 飼育放棄された超大型犬の保護に「涙止まりません」
  4. ミキ亜生、駅で出会った“謎のおばさん”に恐怖「めっちゃ見てくる」 意外な正体にツッコミ殺到「おばさん呼びすんな」「マダム感ww」
  5. 永野芽郁、初マイバイクで憧れ続けたハーレーをゲット 「みんな見ろ私を!」とテンション全開で聖地ツーリング
  6. 道路脇のパイプ穴をのぞいたら大量の…… 思わず笑ってしまう驚きの出会いに「集合住宅ですね」の声
  7. 柴犬が先生に抱っこしてほしくて見せた“奥の手”に爆笑&もん絶! キュンキュンするアピールに「あざとすぎて笑っちゃった」
  8. 病名不明で入院の渡邊渚アナ、1カ月ぶりの“生存報告”で「私の26年はいくらになる?」 入院直後の直筆日記は荒い字で「手の力も入らない」
  9. 小泉純一郎元首相、進次郎&滝クリの第2子“孫抱っこ”でデレデレ笑顔 幸せじいじ姿に「顔が優しすぎ」「お孫さんにメロメロ」
  10. デヴィ夫人、16歳愛孫・キランさんが仏社交界デビュー 母抜かした凛々しい高身長姿に「大人っぽくなりました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「酷すぎる」「不快」 SMAPを連想させるジャンバリ.TVのCMに賛否両論
  2. 会話できる子猫に飼い主が「飲み会行っていい?」と聞くと…… まさかの返しに大反響「ぜったい人間語分かってる」
  3. 実は2台持ち! 伊藤かずえ、シーマじゃない“もう一台の愛車”に驚きの声「知りませんでした」 1年点検時に本人「全然違う光景」
  4. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 西城秀樹さんの20歳長男、「デビュー直前」ショットが注目の的 “めちゃくちゃカッコいい”声と姿が「お父さんの若い頃そっくり」「秀樹が喋ってるみたい」
  7. “危険なもの”が体に巻き付いた野良猫、保護を試みると……? 思わずため息が出る結末に「助けようとしてくれてありがとう」【米】
  8. 「やばい電車で見てしまった」「おなか痛い、爆笑です」 カメがまさかの乗り物で猫を追いかける姿が予想外の面白さ
  9. おつまみの貝ひもを食べてたら…… まさかのお宝発見に「良いことありそう」「すごーい!」の声
  10. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」