ドワンゴ川上会長と夏野取締役が語る「ニコニコ超会議」 10万人を「ごった煮」の渦へ(3/5 ページ)
見どころは「何が起こるか分からないところ」
ニコニコ動画の魅力は元来、普段接点のなさそうな人々が共に盛り上がれる点であり、川上会長はそれを「ごった煮」と表現する。だが最近はユーザーのクラスタ分けが以前より鮮明となり、それぞれに独特の文化が生まれ、交わりにくくなっている側面もあったという。それを“昔のごった煮”に戻そうというのがニコニコ超会議の狙い。プロ・アマ問わずニコニコ動画の人気者をそろえ「僕らが現段階でできる限りのごった煮」(川上会長)を実現する。会場は幕張メッセの広大な敷地を使っても足りないくらいで、スペースの調整に腐心している。見どころはずばり「何が起こるか分からないところ」(川上会長)。ユーザー同士の化学反応に期待している。
準備は昨年の10月ごろから本格的にスタートした。夏野取締役はニコニコ超会議のアイデアを初めて聞いたとき「無理だと思った」と言い、「(準備が)筆舌に尽くしがたく大変! どうなるかねぇ。前代未聞だよねぇ」と苦笑いする。川上会長も同じ気持ちのようで「やったことないからね。いきなりでしょ。大変ですよね。いやーほんとね、勢いで企画しちゃったのを若干後悔しています」と苦労をにじませつつ、「色んな意味で見たことの無いイベントになるのは間違いない」と断言する。
ニコニコ大会議は有料化の後、人気が上がるにつれ、黒字化できた回もあったが、今回のニコニコ超会議の収支は赤字になる見込みだ。川上会長は「収益のためにやってるわけじゃない。ユーザーが楽しめれば良い」と気にしてない様子を見せる。同社の“黒字維持担当”こと夏野取締役にとっては見過ごせないポイントかと思いきや、以前の発表会では「(ニコニコ超会議に関して)赤字を埋めるつもりはもともとない」とコメントしていた。「新しいことをやり続けるのがドワンゴの力なので取り組まなければ」――これが夏野取締役がニコニコ超会議にかける思いという。
ではビジネス以外の面で何を基準にニコニコ超会議が成功したと判断するのか――。川上会長は「(ニコニコ超会議の)記憶がどれだけ鮮明なものとしてユーザーの心に残るか。それが1番やる意味」だと語る。かつてニコニコ大会議を開催したとき、ニコニコ動画のアクセスは多い時で普段より10%ほど増えた。今回も「(ニコニコ超会議の)色々な人間模様がニコニコ動画を盛り上げるんじゃないかと思う」と、川上会長は期待を寄せている。
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