携帯やメールの普及で「漢字を正確に書く力が衰えた」が6割 文化庁の調査で
「手で字を書くことが面倒臭く感じるようになった」「口頭で言えば済むことでもメールを使うようになった」という人も増えてる模様。
文化庁はこのほど、今年度の「国語に関する世論調査」の結果を発表した。携帯電話や電子メールなどの普及で、情報交換手段が多様化したことにより、「漢字を正確に書く力が衰えた」と感じている人は66.5%に上っている。
調査は、日本人の国語に関する意識や理解の現状を把握するためのもので、1995年から毎年実施されている。今回は2〜3月に全国16歳以上の男女3474人に個別面接調査を実施し、2069人から有効回答を得た。
「日本人の日本語能力が低下している」という意見についてどう思うかを「読む力」「書く力」「話す力」「聞く力」のそれぞれについて尋ねたところ、「低下していると思う」は、「書く力」で87.0%、「読む力」で78.4%と特に高く、「話す力」「聞く力」でもそれぞれ6割以上に。2001年の調査結果と比較すると、「書く力」を除く全ての力で「低下していると思う」の割合が増加し、なかでも「読む力」は10ポイント増となった。
「携帯電話や電子メールなどの普及による情報交換手段の多様化が、日常生活にどのような影響を与えているか」という問いに対しては、「漢字を正確に書く力が衰えた」(66.5%)、「手紙やはがきは余り利用しないようになった」(57.2%)といった意見が多かった。続く「手で字を書くことが面倒臭く感じるようになった」は42.0%、「口頭で言えば済むことでもメールを使うようになった」は29.5%。
2001年の調査結果(平成13年度調査)と比較すると、多くの項目で選択する人の割合が増加しており、とくに「漢字を正確に書く力が衰えた」を選択した人は25ポイント、「手紙やはがきは余り利用しないようになった」を選択した人は16ポイント増。「電車の中など公共の場所でも、自分だけの世界を作れるようになった」を選択した人の割合は、約2.5倍に増えている。
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