クリエイターの卵たちが作品を発表! 日本最大規模の専門学校が卒業展を開催[2/3]

日本工学院クリエイターズカレッジには日本のポップカルチャーにあこがれる海外からの留学生も多く在籍する。留学生の現状を聞いた。

» 2013年05月28日 08時58分 公開
[TokyoOtakuMode]
tokyoOtakuMode

 先日お伝えした「日本工学院卒業展2013」レポートに続き、今回は日本工学院クリエイターズカレッジ長である佐藤 充(SATO MITSURU)氏に、日本でポップカルチャーを学ぶ留学生の現状や、今後の展望についてお聞きした。

――展示作品を拝見したところ、海外からの留学生の作品が目に付きました。こういった学生は、どういった経緯で入学されたのでしょうか?

「日本のポップカルチャーに憧れを持つ方が、日本語検定試験を取り、実際に自分も作品作りに挑戦するために入学いただくケースが多いです。また、日本で生活をする中で、日本の文化に触れ、好きなアニメや漫画などを通して日本語を習得し、当校に入学される方もいます」

――現在の留学生の人数をお教えください。

「カレッジ全体で約280人、そのうちの半分が声優・アニメーションなどを扱う『クリエイターズカレッジ』に在籍中です。クリエイターズカレッジへの留学生は年々増加しており、今後もアジアの国々を中心にその傾向は続くと思います。校名の通り、もともとは工学系の学校として1947年に創立しましたが、現在は学生の3分の1がクリエイターズカレッジ生なのです(笑)」

――そうした人気学部で次の人材を育てる立場として、日本のアニメ、漫画などのポップカルチャーはどのように変わっていくと思いますか?

「まず日本のアニメ、漫画などのポップカルチャーは、国内でのビジネスとして限界に近づいてきていると思っています。商品も飽和状態で、制作技術の後継者も減少。さらに、海外のレベルも上がっている。特に韓国、台湾、中国はアメリカのCG技術を導入して目覚ましい進歩を遂げています。また、日本の文化を早くから取り上げていたタイ、インドネシア、ベトナムなどはイラストレーションのレベルがかなり高いですね。一枚絵の分野では、すでに日本と同等のレベルに達しているといってもいいかもしれません。ただ、ストーリーが軸となるマンガやアニメの分野では、まだ日本に優位性があることも事実です。だからこそ、先に挙げた国の人達は、自分たちに足りない話作りを学びたいという高い意識を持っています」

――そういった留学生は、どのような将来像を描いているのでしょうか?

「日本で働きたいという意識が非常に強いですね。その一方、日本の技術をアジアに浸透させるため、学生たちには日本で学んだスキルを母国に持ち帰っていただくことも大事だと考えています。そして、学生がいずれ母国で学校を開き、現地の方に学んでもらうサイクルを作ることが理想ではないでしょうか。安直に日本人が現地で指導するより、自国民が日本の文化を自分たちの文化と融合させて教えたほうが、遥かに優れた作品を作り出せます。そこで、現在は『技術を学ぶ』ことで終わらず、『学んだ技術を伝える技術』を考慮した指導者育成プロジェクトにも力を入れています。国際的な視点で見ても、優秀なクリエイターが世界中で技術を教える状況は、才能の分散という点で大きな意味があります。

例えば、留学生が日本で声優になるのは正直難しいですが、『声優のノウハウをつかんで母国で声優になる』、もしくは『声優を育てる』ことは可能性として大いにありうる。教育機関として、そういった部分にしっかりとアプローチをしていきたいです」

――日本で学んだ留学生が、世界のポップカルチャーの一翼を担う時代が近いかもしれませんね。→クリエイターの卵たちが作品を発表! 日本最大規模の専門学校が卒業展を開催[3/3]

英文:Japan's Most Prominent Technical School Holds Graduation Exhibition [2/3]

© Tokyo Otaku Mode Inc.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/25/news016.jpg 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  2. /nl/articles/2404/23/news090.jpg 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  3. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  4. /nl/articles/2404/25/news043.jpg 娘の給食の献立表を見たら…… 正体不明の“謎の料理名”が「これはわからんw」と話題に その意外な正体に納得!
  5. /nl/articles/2404/25/news129.jpg プロ野球チップスでまた“不良品”流出 伊藤大海「176m」表記に続き…… カルビー謝罪「深くお詫び」
  6. /nl/articles/2404/24/news018.jpg 1年半ケージに引きこもっていたシャーシャー猫が、ある夜布団に入ってきて…… 感涙の行動に「まるで別猫」「こんな日が来るなんて」
  7. /nl/articles/2404/24/news017.jpg メルカリで300円の紙モノセットを買ってみたら…… 出品者のあたたかな心遣いに「利益は考えていないんでしょうね」「見ててわくわくします」
  8. /nl/articles/2404/23/news185.jpg 子どもに高級キーボードのパーツを捨てられた → 公式の“先読みしすぎた対応”が話題「そういうこともあろうかと」
  9. /nl/articles/2401/18/news015.jpg 巨大深海魚のぶっとい毒針に刺され5時間後、体がとんでもないことに…… 衝撃の経過報告に「死なないで」
  10. /nl/articles/2404/22/news124.jpg ダイソー「マルチ万能ほうき」が家事ラクの救世主 名前負け知らずの便利さに「これやばっ!!」「220円に驚き」の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」