月夜が明けると、幻の白い宮殿が現れる……霜柱はどこ?

霜柱ができる条件は、実はけっこう厳しいのです。

» 2015年02月12日 07時15分 公開
[日本気象協会 tenki.jp(http://www.tenki.jp/)]
Tenki.jp

 この冬は霜柱をご覧になりましたか? 「子供の頃、サコサコと音を響かせて踏んで歩くのが楽しみだった」そんな人の一方で、「昔も今も霜柱なんて見たことない」という人も意外と多いようです。足元なので気づかなかったのでしょうか?

霜と霜柱、凍るモノが違っていたとは!

 「霜」柱、というくらいですから当然霜の一種でしょ? と思っていたら、違うようです。霜は「空気中の水分」が凍って地面や植物・窓ガラスなどの表面に付着したもの。対して、霜柱は「地中の水分」が凍って重なったものでした。

 冬場には、しばしば天気予報で「放射冷却による低温にご注意ください」と耳にしますね。よく晴れた風の弱い夜に地表付近の熱がどんどん逃げて温度が低くなる状態で、農作物などに影響があるため注意報が発表されるのです。霜や霜柱はこんな夜明けにできやすく、実際に畑の作物を枯らしてしまうこともあるようです。

 ひと昔前の冷蔵庫は、ちょっと放っておくと霜がモリモリと増殖しました。けれども今は、冷却ファンで庫内に乾燥した空気を循環させて霜が蓄積しないようにしているそうです。「空気中の水分」を取り除いているわけですね。

 霜ができやすいとされる「気温3℃以下」のとき、地表面の温度はほとんど0℃以下。霜は「降りる」といいますが、地面に近いほど温度が低くなり凍りやすい、ということでしょうか。

霜柱の建設条件、じつは少々キビシめです

  • 0℃以下である
  • 土の中と地表面に温度差がある
  • 適度な粘り気のある柔らかく湿った土である

 ただ冷えているだけでは、霜柱は立たないのですね。

 暖かい地中から毛細管現象(隙間の細い空間を水分が上昇していく現象)によって冷えた地表面に到着した水分が、次々と凍っては伸びていく霜柱。日陰で溶けないまま何層にも重なると立派な「宮殿」に成長したりもします。

 土を持ち上げながら伸びるため、霜柱のてっぺんには土の粒や小石が乗っています。固い土では持ち上がらないので、耕された畑などの柔らかい土がお好みなのです。さらに、砂や砂利のように粒と粒の隙間が広すぎたり、逆に粘土のように隙間がなかったりすると、水分が上がりづらいので霜柱はできません。歩いていて靴の裏に付くような、ちょっと粘り気のある赤土や黒土がちょうどよく、関東ロームがたいへん理想的なのだとか……。

 舗装の進む道路や温暖化の影響もありましょうが、このように建設条件が少々厳しいことも「見たことない」人が多い原因かもしれません。近所では見つからないけれどどうしても見たい!という方には「しもばしら」という絵本(参考サイト参照)がお勧めです。そこにはなんと、ご家庭の冷凍庫で霜柱を作る方法が! 一年中できるので、今年の夏休みの自由研究にいかがでしょう。

氷の花が咲くシモバシラもあるんです

 「シモバシラ」という植物があるのをご存知ですか。

 関東以西〜九州に分布するシソ科の多年草で、夏の終わりに白い小さな花を咲かせます。冬になると枯れてしまうのですが、その茎からなんと氷の花が咲くのです!

 地上部分が枯れても根にある水分を、固い茎の道管が吸い上げていきます(これも毛細管現象ですね)。そして氷点下になると、枯れた茎から滲み出した水が外気に触れて凍るのです。氷の花は、雨や雪が降っていたり風の強い日は咲きません。朝に咲いても、日当りの良い場所では午前中に溶けてしまいます。

 季節が進むとだんだん茎がボロボロになって花は小型化していきますが、2月の都心でも高尾山や植物園などで見られるそうですよ。

 月夜が明けたら、早起きしてキラキラ輝く氷のアートを探してみませんか。冬が終わるのが名残惜しくなってしまうかもしれません。 土から昇ってきた細く白い氷の針は、軽い衝撃に音をたてて崩れ、土と混ざって黒く溶けていきます。人の記憶の深いところに残る「儚さ」です。

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