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» 2015年06月24日 14時58分 公開

アニメ見られてゲームもできちゃう展覧会「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」展開幕 計130作品……なにこの俺たちのためのパラダイス

「太鼓の達人」のアーケード版で遊べたり「アイカツ!」のカードダス機で普通にカード買えたり「板野サーカス」体感できたり、なんかもう年パス的なの欲しい。

[黒木 貴啓ねとらぼ]
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 入場すると、うずまきナルト、スーパーマリオ、月野うさぎ、江戸川コナン、鹿目まどか、天上ウテナ……この四半世紀で登場したヒーローやヒロインたちとご対面。手塚治虫が亡くなった1989年以降の日本のマンガ、アニメ、ゲームを総合的に展望していく展覧会「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」展が、6月24日から国立新美術館(東京都港区)で始まった。

画像 会場外にある「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」展の看板

 同展ではジャンルの垣根を越えた130作品を8つの章で構成。「未来の科学技術を描いた作品(第2章)」「日本の現実社会を映しだした作品(第7章)」など8つの切り口を通して過去25年間の作品に触れることで、マンガ、アニメ、ゲームがいかに日本の社会と結びつき、刺激をもたらしてくれるメディアなのかさまざまな発見を与えてくれる展覧会となっている。

画像画像 第7章「現実とのリンク」でマンガの原画が並ぶ様子(左)、第4章「出会う、集まる―『場』としてのゲーム」で遊べるゲーム機たち(右)

 「太鼓の達人」のアーケードゲーム版が遊べたり、「アイカツ!」のデータカードダスでカードを購入できたりと、その場で体験できる展示が多いのも見所の1つ。会場の様子を章ごとに紹介していこう。

画像 展覧会入り口

第1章 現代のヒーロー&ヒロイン

 アニメ「NARUTO‐ナルト‐」のうずまきナルト、マンガ「名探偵コナン」の江戸川コナン、アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」の鹿目まどかなど、1989年以降に誕生したヒーロー、ヒロインを16タイトルから紹介。マンガ・アニメ・ゲームが持ち続けてきた「王道」たる熱気あふれる作品を伝える。

画像 フロアには16本の三角柱が林立。1本ごとに1作品の概要やどんなヒーロー&ヒロインが登場するかが解説されている

画像 三角柱の片面には、その作品の主人公の巨大イラストが。立ち位置によっていろんなヒーローやヒロインが視界に入ってくるのは興奮もの

画像画像 「少女革命ウテナ」のようにアニメ版とマンガ版をそれぞれ柱1本ずつで紹介しているものも。解説を読み比べると、同じ主人公でも演出の違いによってマンガとアニメそれぞれの雰囲気が楽しめることに気づく

第2章 テクノロジーが描く「リアリティー」―作品世界と視覚表現

 アニメ「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」や「サマーウォーズ」など科学技術の進歩した未来を描いた作品や、ゲーム「ファイナルファンタジーVII」やアニメ「青の6号」などデジタル映像技術を駆使した作品が並ぶ。描かれた予言的な未来はどんどん現実のものとなり、こうして発達した技術を使ってまた新たな作品が生みだされていくという、マンガ、アニメ、ゲームが未来の想像力をリードし続ける姿を紹介する。

画像 グラフィックを3D化したことでゲーム業界に大きな影響を与えた「ファイナルファンタジーVII」など。コントローラーを握って操作もできる

画像 2007年のアニメにしてAR技術のようなツール「電脳メガネ」が登場した「電脳コイル」やマンガ「BLAME!」が並ぶ

画像 「サマーウォーズ」などあらゆるSFアニメが、映像、美術ボードや絵コンテなどとともに展示

第3章 ネット社会が生み出したもの

 アニメ「ほしのこえ」やカゲロウプロジェクトによる「メカクシティアクターズ」など、個人/同人制作や二次創作を中心に、ネット社会を背景に生まれた作品を紹介。設置されたパソコンで「東方紅魔郷〜the Enbodiment of Scarlet Devil.」「ひぐらしのなく頃に」など、ネットでブームを巻き起こした同人ゲームもプレイできる。

画像 「Fate/stay night」など

画像画像 「ひぐらしのなく頃に」と「メカクシティアクターズ」が並んだ一角

画像 「東方紅魔郷〜the Enbodiment of Scarlet Devil.」と「ぐんまのやぼう」

第4章 出会う、集まる―「場」としてのゲーム

 ひとり部屋にこもって遊ぶものではなく、他者と交流する「コミュニケーションの場」へと進化したゲームを展示している。対戦ゲーム「ストリートファイター」シリーズはキャラクターの身体を借りてほかのプレイヤーと拳で語らうツールとして紹介。「beatmania」「DanceDanceRevolution」といった音楽ゲームは優れたプレイで観客を魅了できるツールとして紹介しており、「太鼓の達人」は実際にアーケード版を設置して場内でプレイすることが可能だ。

画像 友達と対戦できる「ぷよぷよ」や、ゲーム内のペットと会話できる「シーマン」、パフォーマーになることもできる「太鼓の達人」など

画像 歴代「ポケットモンスター」のソフトが、ゲームボーイからニンテンドー3DSまでプレイ機器とともに並ぶ様子も。ポケモンとの交流や通信対戦の形式も、時代とともに進化してきた

第5章 キャラクターが生きる=「世界」

 「アイカツ!」ではアイドルの卵、「パワフルプロ野球」ではプロ野球選手、「戦国BASARA」では歴史上の人物といったように、さまざまな「キャラクター」たちが生きる「世界」を表現した作品を紹介。「けいおん!」のメンバーと記念撮影できるコーナーがあったり、「Free!」で水着姿の主人公らが肩を組み合うシーンのラフ絵があったりと、キャラが堪能できる展示が魅力的だ。

画像 「初音ミク」など。「アイカツ!」コーナーではデータカードダスでカードが購入できるほか、キャラの衣装を展示したり、歴代カードをポスターで掲示したりと、かなり濃い空間が生まれていた

画像 実在のスポーツ選手をキャラ化して操作できるゲームたち

画像 「けいおん!」の撮影パネルや「戦国BASARA」のプレイコーナー

画像 「Free!」のラフ絵など

画像 「THE IDOLM@STER」や「戦国BASARA」、「うたの☆プリンスさまっ♪」など、キャラクターが愛される著名な作品が並ぶ

第6章 交差する「日常」と「非日常」

 アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」や「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」など、「日常」と「非日常」が交差する作品を紹介。作中のキャラたちが「シリアスな問題がすぐそばにあるのに平凡な日常を過ごしてしまうのは、かえって現実世界の私たちの姿に近しく見えないでしょうか」という解説にうなずいてしまう。「新世紀エヴァンゲリオン」では、TVアニメ全26話の映像が26台の画面で一挙垂れ流しにするという、目を引く展示がなされていた。

画像画像 「新世紀エヴァンゲリオン」のTVアニメシリーズを全話同時に26個の画面で流す展示など

画像 アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」(左)や「らき☆すた」(右)

第7章 現実とのリンク

 現実とリンクしているというマンガを42作品、原画や複製原画を回廊に並べて一挙展示。震災がテーマの「いちえふ」のように現実の流れをいち早く昇華した作品や、将棋マンガ「3月のライオン」などマイナーな職業・趣味を描いた作品、「君に届け」「アオハライド」など学校や恋愛を題材にした作品……マンガは実社会と接点を持った作品が多く生まれるメディアであることを紹介する。

画像 東日本大震災をテーマにした「あの日からのマンガ」など、マンガの原画や複製原画がずらり

画像画像 富山県八尾町の伝統舞踊「おわら」を題材にした「月影ベイベ」や、マンガ編集者の世界を描いた「編集王」など、さまざまな文化・趣味・仕事をテーマにしたマンガが並ぶ

画像 「イタズラなKiss」「NANA」「潔く柔く」「アオハライド」などなど、恋愛マンガも数多く展示

第8章 作り手の「手業」

 作品に対し作り手がどれだけの苦労を重ねているのか制作過程を紹介していく章。アニメーターの板野一郎がわずか5秒間のカットに119コマを費やし壮絶なミサイル発射シーンを表現した通称「板野サーカス」や、マンガ「GANTZ」における3DCG制作など、あらゆる作り手の「手業」が展示されている。

画像 マンガ「GANTZ」で、キャラや武器、背景などが3DCGから制作されていく過程を映像で公開。電子パッドで、「Xガン」「Yガン」など武器の3DCGをくまなく観察することもできた

画像 板野一郎が「マクロスプラス」で描いた5秒間のカットを、119コマ分のパネルで歩きながら追っていけるという展示も

画像 手塚治虫「メトロポリス」を最後の作品に、「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」展は幕を閉じる

 「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」展、国立新美術館での会期は6月24日〜8月31日。開館時間は午前10時から午後6時まで、金曜日は午後8時まで(入場は閉館30分前まで)。入館料は当日券が一般1000円、前売券が一般800円。9月19日から11月23日までは兵庫県立美術館(兵庫県神戸市)でも開かれる予定だ。

「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」展 130作品

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黒木貴啓


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