6月30日に「水無月」を食べて、厄落としをしましょう

1年も半分。折り返しですね……。

» 2016年06月29日 16時54分 公開
[日本気象協会 tenki.jp(http://www.tenki.jp/)]
Tenki.jp

 湿気が多いとカラダがだるく感じたり、気分も曇りがちですよね。そんな時に食べるひんやりスイーツがあるのをご存じですか? 千年の都、京都に伝わる季節の和菓子「水無月」。日にち限定なので販売期間が短かかったり、予約が必要なお店も多いよう。ゲットしてみたい方はご注意くださいね。そんな「水無月」にまつわるご紹介です。

水無月 関東の人は知らない人が多い? これが「水無月」

厄落としの神事がキホンです

水無月 神社に設置された茅の輪くぐり

 1年のちょうど半分に当たる6月晦日、折り返しともいえる6月30日に「夏越の祓(なごしのはらえ)」という神事が日本全国各地の神社で行われます。半年の間に身に付いた罪や穢(けが)れを祓(はら)うもので、半年に一度の厄落としです。

 その方法は日本神話に基づく「芽の輪くぐり」。神社の境内に取り付けられたチガヤという草で編んだ大きな芽の輪を8の字を書くように3度くぐり抜けることで、病気や災いから免れることができるとされています。

 その他、人の形をした紙に氏名や年齢を書いて息を吹きかけ、川に流してお祓いをする「ひとがたながし」もあります。

 衛生状態がよくなかった時代、夏に入って湿度や気温が上がり、伝染病などが発生しやすい季節になることからもこのような厄除け・疫病除けを行い、来る半年の無病息災を祈ったようです。

 そして、この日に厄払いの願いをかけてお供えしたのが「水無月(みなづき)」という和菓子でした。

庶民の憧れがこの形に

 かつて、宮中では旧暦の6月1日に「氷の節句」というものが行われていました。冬の寒い時期にできた氷を山中につくった氷室(ひむろ)に保管しておき、その氷をわざわざ取り寄せて口にすることで暑い夏を乗り切ろうとしたのです。

 もちろん今と違い冷凍冷蔵庫などない時代。庶民にとって、夏の氷は縁のない高級品でした。そんな氷や宮中行事に憧れた庶民は、氷に見立てた外郎を三角形の生地にかたどり、その上に厄除けの小豆を散らしたお菓子「水無月」を考案したといわれています。

現代風にアレンジした水無月ケーキも登場!

水無月 モチモチのひんやりスイーツ「水無月」

 主に京都で愛され、今に伝わってきた「水無月」はひんやりモチモチの食感がおいしい! 材料の葛や小豆の品質にこだわるなど、和菓子職人のこまやかな配慮が伝わってきます。

 クラシックスタイルの「水無月」は、近年、京都以外のデパートや百貨店、老舗の和菓子店などでも販売されるようになってきました。ただ、いずれもこの時期の季節限定なので、販売日や予約可能日などにご注意くださいね。

 また、ご自分で手作りされる方も多いようで、ネットには「水無月」のレシピがたくさん載っています。そんなに難しくはなさそうですから、ぜひトライしてみてはいかがでしょう?

 そして、何でも創意工夫することが得意な日本人らしく、「水無月」を模した洋菓子も登場しています。レアチーズケーキの上にブルーベリーを乗せたものや、ムース生地にホワイトチョコレートを重ねて大納言小豆をちりばめたものなど、見た目は見事な「水無月」仕様に脱帽ですね。

 ──季節の移り変わりを大切にしてきた日本人。伝統を敬い継承しながら、時がたって地域の風習が広がっていくのも、日本人らしいといえるかもしれません。節分の「恵方巻き」しかり、「水無月」しかり。さあ、6月30日は、もはや全国区ともいえる「水無月」を食べて、暑気払い&厄落としをいたしましょう!

Copyright (C) 日本気象協会 All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/18/news202.jpg 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
  2. /nl/articles/2412/20/news023.jpg 60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
  3. /nl/articles/2403/21/news088.jpg 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
  4. /nl/articles/2412/21/news038.jpg 皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
  5. /nl/articles/2412/21/news056.jpg 真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
  6. /nl/articles/2412/21/news088.jpg 71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
  7. /nl/articles/2412/20/news096.jpg 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  8. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  9. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  10. /nl/articles/2412/17/news195.jpg 「ほぼ全員、父親が大物芸能人」 奇跡的な“若手俳優の集合写真”が「すごいメンツ」と再び話題 「今や全員主役級」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」