フリマアプリ「メルカリ」突然の規約変更で非難 ゲームのアカウント売買をひっそり解禁

今年の7月に突然解禁したことから「ポケモンGO需要を見込んだのでは」といった指摘も。

» 2016年11月01日 11時00分 公開
[ねとらぼ]

 フリマアプリ「メルカリ」が今年(2016年)の7月、ひっそりとゲームアカウントの売買を解禁していたことが物議を醸しています。利用者からは「ゲーム作ってる権利者側がアカウントの売買を禁止してるのに、メルカリ側が規制緩和してどうすんの???」といった批判も。


メルカリRMT容認メルカリRMT容認 メルカリ内で販売されているゲームのアカウントデータ。左は「パズル&ドラゴンズ」、右は「Pokemon GO(ポケモンGO)」

 きっかけになったのは、Twitterユーザーの“あぽろ”(@jojobump55)さんによる投稿。メルカリ上でゲームのアカウントが多数売買されているのを発見し、運営にそのことを報告すると、事務局から「以前より多くの要望があり、電子データ類の出品を可能にしました」という内容の回答があったそうです。あぽろさんのツイートは9000回以上リツイートされ、ネット上では「これは酷い」「何考えてるんだメルカリ……」とあきれる声もみられました。



メルカリRMT容認メルカリRMT容認 メルカリ事務局からのメール内容(画像提供:あぽろさん)

 ゲームデータの現金売買は「RMT(リアルマネートレード)」と呼ばれ、ゲームバランスの崩壊やユーザー間のトラブルの温床になりやすいことから、多くのゲームが利用規約で禁止しています。メルカリも以前はゲームデータの出品を禁止していたのですが、なぜか今年7月になって突然、予告なくこれを解禁。利用者からは他にも「規約では今も『物品でないもの』の出品を禁止しているのに(※)矛盾しているのでは」「ポケモンGO需要を狙ったのでは」といった指摘や疑問が寄せられていました。


メルカリRMT容認 第9条の2「出品禁止商品」に、「(15)物品ではないもの(情報、サービスの提供、会員権などの権利を含むがこれに限られないものとします)」とある


変更理由は「お客様から多数の要望があった」

 なぜ突然このような変更を行ったのか、メルカリのサポートに問い合わせたところ、次のような回答でした。

―― 電子データ類の出品を可能としたのはいつからでしょうか。

 かねてより、お客様から多数の要望の声をいただいておりましたことや、他のCtoCサービス各社での販売動向なども勘案し、カスタマーサポートの体制などの準備をへた上で今年の7月26日から可能となりました。

―― 以前は出品自体ができなかったという認識で合っていますか。

 利用規約の一部であるガイド内で禁止商材としていました。

―― 変更にあたり、ユーザーにはどのような告知を行いましたか。

 利用規約の一部であるガイドの変更を行い、また、通報フォームから「ゲームアカウント」を削除いたしました。同時に、お問い合わせを頂いた際には都度ご説明差し上げております。

―― 利用規約では引き続き電子データ類の出品を禁止しており、利用規約との矛盾について指摘する声もあります。

 利用規約の一部であるガイド内で、「・実体のない商品(サービスや無形商品、ゲームのアイテム・アカウントなど)」から「・物品ではないもの(情報、サービスの提供等)」との変更を行っており、電子データ類の出品については原則可能としております。

―― @mercari_jpのツイートを見ると、「権利者が禁じているもの、個人情報の記載されたもの等については引き続き出品を禁止いたしております」とありました。しかし現状「パズドラ」「モンスト」「ポケモンGO」など、明らかにゲーム側でアカウント売買を禁止しているものが今も出品されているのはなぜでしょうか。

 メルカリでは、お客様からの要望等を考慮し利用環境を整備していく過程で、随時当該規定を見直しております。お客様からの通報や、権利者の方よりご連絡をいただいた際には、内容を確認のうえ、法令違反があれば削除など然るべき対応を行っております。

―― 通常、メルカリではどのような仕組みで違反出品物を検知されているのでしょうか。

 通報やシステムによる検知、カスタマーサポートによるパトロールにより検知しています。

―― 利用者から違反報告があった場合、どのように対処していますか。

 商品や取引内容を確認のうえ、利用規約に違反する取引は削除など然るべき対応を行っております。



「法令違反あれば然るべき対応」としつつも、依然多数のアカウント出品

 メルカリによれば、解禁に踏み切ったのは「お客様から要望が多かった」「他社の販売動向なども勘案した結果」というのが主な理由とのこと。解禁にあたり利用規約の変更は行っていませんが、アプリから参照できる「ガイド」内の文言を書き換えているほか(ガイドも利用規約の一部とのこと)、通報フォームからも「ゲームアカウント」を削除しており、現在は実質、公式にデータ類の売買を認めた形となっています。


メルカリRMT容認 変更後の通報フォーム。「ゲームアカウント」という項目がなくなり、ゲームアカウントが出品されている、というだけの理由では通報不可能に

メルカリRMT容認メルカリRMT容認 ガイド内「ルールとマナー/禁止されている出品物」より。以前は「実体のない商品(サービスや無形商品、ゲームのアイテム・アカウントなど)」と表記されていましたが、現在は「物品ではないもの(情報、サービスの提供等)」に

 また、ゲーム側が禁止している行為を容認するのはどうか、という批判については「法令違反があれば削除など然るべき対応を行っております」としつつも、具体的な事例については回答を避けた形に。メルカリ上では現在も「パズドラ」や「モンスト」「ポケモンGO」など多くのゲームアカウントが取引されていますが、メルカリ側がどのような解釈でこれらを容認しているのかは不明です。



 もちろん、こうしたゲームアカウントの売買はメルカリに限らず多くのフリマ・オークションサイトが容認(黙認)しており、むしろメルカリがこれまで厳しすぎたという見方もあります。しかし現状、RMTは多くのゲームが規約で禁止しており、上記「パズドラ」「モンスト」「ポケモンGO」なども例外ではありません。過去には「RMT問題を解決できなかった」という理由でYahoo!ゲーム版「ドラゴンクエストX」がサービス終了を発表したこともあり(関連記事)、最悪ゲーム運営そのものの破綻につながるケースも。突然の解禁を受け、利用者の間で混乱が広がっているのも事実のようです。

 なお、一部でささやかれていた「『ポケモンGO』需要を見込んだのでは」という指摘については、「ゲームアカウント解禁は、上記のような背景によるものであり、『ポケモンGO』とは無関係です」とのことでした。


メルカリRMT容認 実際に落札されていた「ポケモンGO」アカウント。トレーナーレベル30、高CPカイリューなどを所持しており、販売価格は3500円でした

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」