「恣意的」誤用扱いに国語辞典編さん者が反論 「俗説でことばが殺されないよう、どうか守って」

頭ごなしに間違いと決めつけるのはやめましょう。

» 2016年11月21日 18時30分 公開
[福田瑠千代ねとらぼ]

 国語辞典編纂(さん)者の飯間浩明さんが「恣意的」ということばについて見解をまとめたツイートを投稿し、1万4000リツイートを超える大きな注目を集めています。

“恣意的”の用法をめぐって国語辞典編さん者が呼びかけ 飯間さんによる解説

 「発言の一部を恣意的(≒意図的)に切り取る」というのはよく耳にする表現ですが、別段問題のないこうした表現を「誤用」だとする俗説が増加していると、飯間さんは警鐘を鳴らしています。

 飯間さんの解説によると、「恣意」とは「意(こころ)を恣(ほしいまま)にす」と訓読できることから分かるように、「勝手気ままな考え」というのが基本となる意味。このことから「恣意的」は「偶発的、ランダム」という意味(A)と、「意図的」に近い意味(B)の2通りの意味で使用できることが分かります。ところが最近、「意図的」に近い意味(B)が「誤用」だとする俗説が急速に増加。確かに検索してみると、Web上では意味(B)を「誤用」と紹介しているブログや雑学サイトがちらほらと見つかります。

 上記の説明は辞書を精読すれば理解できることですが、飯間さんは「編纂者の反省すべきことですが、辞書の説明は必ずしも誤解を防ぐ書き方になっていません。ネットで諸説飛び交う時代、辞書には、俗説を否定するという役割が加わっています」とツイート。辞書がもっとネットの時代に対応できるよう変化していくべきとの見解を示しています。確かに、一部の辞書では「恣意:その時どきの思いつき(新明解国語辞典第6版)」と、説明が簡潔過ぎるために誤解を誘発していそうです。

“恣意的”の用法をめぐって国語辞典編さん者が呼びかけ デジタル大辞泉では「気ままで自分勝手なさま。論理的な必然性がなく、思うままにふるまうさま」と細かめに説明されています

 飯間さんは以前にも「『了解いたしました』は失礼なことばではない」と解説文を投稿するなど(関連記事)、ことばを安易に「誤用認定」することに反対していました。これは「一度誤用という共通理解が生まれると、復活するのは大変」という考えに基づくもの。誤用は誰にでも起こり得るものですが、気になる言い回しを見かけたら頭ごなしに否定せず、いったん立ち止まって調べてみることが大切なのかもしれません。

画像提供:飯間浩明さん

関連キーワード

辞書 | 解説 | 書き方 | 雑学


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」