トランプ氏就任から聞くようになった「ポリコレ棒」ってどういう意味?:ねっと用語知ったかぶり
中立・公平を呼びかけるその人自身は、中立・公正なのか。
11月9日、ドナルド・トランプ氏が2016年米大統領選を制し、次期大統領に就任することが確実となりました。過激な発言が多い氏の勝利は、米国内のみにとどまらず世界中で大々的に報じられました。
それと時を同じくして、「ポリコレ棒」という言葉をよく聞くようになりました。これは一体、どういう意味なのでしょうか。
ポリティカル・コレクトネス
「ポリコレ棒」を理解するには、元になった言葉「ポリティカル・コレクトネス」を理解しなければなりません。これは直訳すると「政治的正しさ」 となり、“年齢や職業、性別、宗教、人種などで差別・偏見を受けることがないような表現”を意味します。
もともとは米国で始まった考え方であり、例えば女性だけが未婚を意味する「Miss」と既婚を意味する「Mrs」で表現が分けられることは女性差別であるとし「Ms.」で統一されたり、黒人を意味する「Black」が差別であるとして「African American」に置き換えられたりしました。
この考え方は世界的に広まっており、日本でも「看護婦」が「看護師」になったり、「スチュワーデス」が「客室乗務員」(米国では「フライトアテンダント」)と呼ばれるようになったりしました。このように、「ポリティカル・コレクトネス」は、世界的な流れになっています。
しかし、トランプ氏はこの「ポリティカル・コレクトネス」に真っ向から反論。「不法移民の流入を防ぐためメキシコとの国境に高い壁を築く」「イスラム教徒に対する米入国一時禁止」など、「ポリティカル・コレクトネス」からは懸け離れた公約を打ち出し、勝利しました。
このことから、今回の米大統領選は一部で「反ポリティカル・コレクトネスの勝利」とも呼ばれています。
「ポリティカル・コレクトネス」と「ポリコレ棒」
では、なぜ今回トランプ氏は勝利できたのでしょうか。その理由の1つとして指摘されているのが、近年「ポリティカル・コレクトネス」を過剰に振りかざす“自称正義の人”が多数現れたことによる「行き過ぎたポリティカル・コレクトネス疲れ」を多くの米国人が内心で感じていたのではないかというもの。
例えば、現在米国内ではクリスマスに「メリークリスマス」とあいさつをすることは、キリスト教徒以外の人に対する差別であるとされています。これでは逆にキリスト教徒に対する差別ともとれますが、反論すれば「ポリティカル・コレクトネスに反論するのか、この差別主義者め」と袋だたきにあってしまいます。
このように、「ポリティカル・コレクトネス」に少しでも反論するとすぐにたたかれることから、「まるでポリコレは人をたたくための棒だ」といわれるようになり、日本では「ポリコレ棒」と呼ばれるようになりました。差別をなくすために作られた「ポリティカル・コレクトネス」が、いつしか“強者”を過剰にたたくための武器として利用されるようになってしまったのが「ポリコレ棒」なのです。
とはいえ、「ポリティカル・コレクトネス」そのものは、人々を中立・公正な世界へ導く指揮棒となってくれる存在のはず。トランプ氏の勝利を期に、できるだけ多くの人が納得できる運用に変わっていくと良いですね。
【使い方例】
例1:またあの人ポリコレ棒でたたいてるよ
例2:そういうこというとネットでポリコレ棒持った人たちにたたかれるぞ
追記(11月17日17時)
内容を一部修正しました。
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