東京の日本酒蔵すべてが自販機感覚で利き酒できる 両国に現れた「自動利き酒マシン」で角打ちしてきた
11月25日オープンの「-両国- 江戸NOREN」にあるショップ「東京商店」。店内奥に、東京の日本酒を気軽に利き酒できるスポットが登場。
注ぎ口におちょこをセット、呑みたい銘柄のボタンを押すと日本酒がちょぼぼぼぼと出てくる。東京都内の日本酒蔵すべての銘柄が自販機感覚で楽しめる「利き酒マシン」が、11月25日から両国に登場。同日JR両国駅の隣にオープンする「-両国- 江戸NOREN」内の、ショップ「東京商店」の一角だ。
「利き酒マシン」では都内10蔵の銘柄を常に30種類用意しており、1杯300円、その場で立ち飲みできるようになっている。東京ってそんなに酒蔵あったの? しかもそれを一か所で気軽に飲み比べできるなんて……内覧会で一足お先に角打ちしてきた。
「-両国- 江戸NOREN」は、JR両国駅の旧駅舎をリニューアルした、江戸の食文化がテーマの複合飲食施設。利き酒マシンが置かれているのは「東京商店」だ。日本酒はもちろん、焼酎や地ビール、調味料や加工食品など東京で作られているさまざまな飲食品を取りそろえた販売店となっている。経営は、神楽坂を中心に飲食店を5店舗展開するウォーム。
店内奥には立ち飲みスペース、そしてお目当てのマシンが3台並んでいる。ちまたの自販機に一升瓶をディスプレイしたような見た目がユニーク。1台につき10銘柄ずつ収めていて、左はすべて純米酒、中央は吟醸、右は大吟醸となっている。右に行くほど高いお酒なので出る量も少なくなるが、代わりにどれも1杯300円均一で楽しめる仕組みだ。
さて、呑むぞ。銘柄ごとに原料米や精米歩合、日本酒度(甘さと辛さ)、酸度(味の濃淡)が表記されていて、どれにしようかとマシンの前をうろうろ。山廃(やまはい)や無ろか原酒など製造法の趣を変えた銘柄もあって選択肢は豊富だ。蔵元って北陸信越や東北のイメージが強かったけど、東京もこんなにいろんな日本酒があるとは知らなんだ。
専用おちょこをスタンバイしてボタンを押すと、ちょぼぼぼーと8秒ほど注いでできあがり。ディスプレイの一升瓶とはまったく別の口から、人の手もとっくりも登場せずにお酒が出てくるジャンク感が楽しい。
出る量は純米だと60〜70ccと、一般的なおちょこ(約30cc)の倍ほど。「いろんな種類を飲み比べもしてほしいが、一杯一杯をゆっくり立ち飲みしてほしい」という店側の意向だ。立ち飲み用のスタンディングテーブルも、支柱に酒樽をはめこんでいてオシャレ。熱燗器やチェイサー用の水も置いてあり、風変わりな角打ちをゆるりと楽しめる。
選んだのは小山酒造「丸眞正宗」の純米大吟醸。明治11年(1878年)から北区で作り続けているお酒で、都内でも23区内にある蔵元はここともう1つ、2011年港区に創業した東京港酒造だけだ。口当たりはすっきりとしているけど、後から来る燻製(くんせい)食品のような風味がこれまた癖になる。店員さんいわく若い女性にも人気とのこと。こんなおいしい日本酒が23区内で作られているなんて。
熱燗器もあるので、ついつい2杯目。小澤酒造「澤乃井」の「純米銀印」を温めて呑む。こちらは元禄15年(1702年)から青梅にある蔵元。香りがふわっと甘く、口に含むとピリッときたところから甘味や酸味などいろんな味がさーっと引いていく。熱くてもぐいぐいいけそうだ。
都内で製造されたおつまみもその場で食べられる。「八丈島のくさやチーズ」「奥多摩のわさび漬け」「みそ豆腐」など数種類から3点選んで、500円で販売。みそ豆腐をフォークの先にちまっとつけて口に入れると、濃厚なしょっぱさが広がる。味が残っているうちに日本酒を一口入れると、互いの味を補ってこれまたうまい。
「東京生まれ東京育ちなんですけど、酒蔵が東京にこれほど残っているなんて知らなかったんですよね」とウォーム代表取締役の梁川正治さん。10蔵のうち、江戸時代前から続いているのは6蔵と半分以上だ。灘(現在の兵庫県灘地方)の安くておいしい酒が江戸でも流行ったのを受け、徳川家が江戸周域でもいい酒を作るよう命じたことで、多くの酒蔵が生まれたのだそう。数はかなり減ったけれども、今もこうして長く愛されている蔵元もある。
「奥多摩や青梅などは水がきれいで、都外に負けない味を作ることは可能なんです。蔵元によってちゃんと味の違いもあります。海外や地方から来る人はもちろん、東京で暮らす人たちにも“東京の日本酒”の魅力を知ってほしいですね」(梁川さん)
近くには両国国技館や江戸東京博物館など文化施設も。両国に寄ったときは一、二杯ひっかけたい。
(黒木貴啓)
利き酒マシンで呑める蔵元(銘柄は季節に応じて変更予定)
- 石川酒造・多満自慢(1863年〜、福生市)
- 小澤酒造場・桑乃都(1926年、八王子市)
- 小澤酒造・澤乃井(1702年〜、青梅市)
- 小山酒造・丸眞正宗(1878年〜、北区)
- 田村酒造・嘉泉(1822年〜、福生市)
- 東京港酒造・江戸開城(2011年〜、港区)
- 豊島屋本店・金婚(1596年〜、東村山市)
- 中村酒造・千代鶴(1804年〜、あきる野市)
- 野口酒造・国府鶴(1860年〜、府中市)
- 野崎酒造・喜正(1884年〜、あきる野市)
「東京商店」
場所:東京都墨田区横網1-3-20「-両国- 江戸NOREN」1FJ(11月25日オープン)
定休日:1月1日、2日
営業時間:11時〜23時(ラストオーダー:22時40分)
サイト:http://shouten.tokyo/(11月25日にアップ予定)
関連記事
- 日本酒117種類、ワンコインで“利き酒” 新潟にある「日本酒ゲーセン」が想像以上のワンダーランドだった
日本酒の利き酒がゲームセンター感覚で楽しめる? ネットで話題になっていた、「日本酒ゲーセン」こと「ていすてぃんぐGALLERY 越の室」へ行ってきた。 - お酒好きの天国再び! 100種類以上の日本酒や果実酒などが好きなだけ味わえる渋谷の酒フェス、秋にも開催!
果実酒、焼酎、熱燗もあります。 - 授業中にまさかの「鬼ころし」 本当にあったロックな女子大生のエピソードが話題に
ストローで飲めます。 - 3240円で時間無制限飲み放題の神店が新宿に ビール、日本酒、果実酒、焼酎、カクテル作りたい放題 「梅干し」「ミニトマト」「ライム」などトッピングも全て無料
神店現る……! - 抱えて眠ると酔っぱらいにしか見えない「一升瓶抱きまくら」 ヴィレヴァンから登場
一升瓶をモチーフにした抱きまくら。枕にしても抱きしめても、完全に泥酔しているみたい。 - 渋谷に梅酒・果実酒専門店オープン 3000円で100種類以上のお酒が時間無制限で飲めるというパラダイスに行ってきた
ここはヤヴァイ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
ハードオフに1650円で売られていた“まさかの掘り出し物”→修理すると…… 見事な復活劇に「相場が上がってしまうw」
-
食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら……3年半後、目を疑う結果に大反響 2024年に読まれた植物、家庭菜園記事トップ5
-
幼稚園の「名札」を社会人が大量購入→その理由は……斜め上のキュートな活用術に大反響 2024年に読まれた面白記事トップ5
-
「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
-
【編み物】10年前祖母が教えてくれた編み物、まさかの作品を生み出して…… 二度見必至の完成品に「信じられない」
-
目からウロコな“ビニール袋のたたみ方”が100万再生 超便利な“裏技”に「こっちの方が絶対いい」
-
「昔はモテた」と話す母→全然信じていない息子だったが…… 当時の“異彩を放つ姿”に驚き「わぁ!」「とても魅力的」【海外】
-
男性に「きみの友だちを紹介してよ」と言われてきた女性、40キロの減量に成功し…… 人生激変した姿が120万再生「自信がついてさらに輝いている!」【独】
-
北海道の用水路で“巨大な外来魚”を捕獲→さばいてみると…… 中から出てきた“ヤバすぎる物体”に大興奮「ずっと釘付け」
-
【編み物】白と黒の毛糸をひたすら編んでいくと…… “あの人気キャラ”の完成に「あなたは魔法使いですか?」
- 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
- 大谷翔平、妻・真美子さん妊娠公表→エコー写真に“まさかの勘違い” 「デコピン妊娠?」「どう見てもデコピンで草」
- 「すごい漢字!」 YouTuberゆたぼん、運転免許証公開 「本名の漢字」に衝撃の声続々
- 「麻央さんにそっくり……」 市川團十郎の11歳息子・勸玄の成長ぶりに驚きの声 「大きくなってる!」「すでに貫禄がある」
- チェジュ航空社長、日本語で謝罪 犠牲者は170人以上との報道 公式サイトは通常のオレンジからブラックに
- 「スマホ入荷しました」 ハードオフ店舗がお知らせ→まさかの正体に大横転 「草しか生えない」
- 母「昔は数十人もの男性の誘いを断った」→娘は信じられなかったが…… 当時の“想像を超える姿”が2800万再生「これは驚いた」【海外】
- 毛糸で作ったお花を200個つなげると…… “圧巻の防寒アイテム”完成に「なにこれ作りたい……!!」「美しすぎる!」と100万再生【海外】
- 「思わず泣きそう」 シャトレーゼの“129円クリスマスケーキ”に衝撃 「すごすぎない!?」「このご時世に……」
- 「デコピンを抱き寄せたのはもしかして」 妻・真美子さん第1子妊娠発表で大谷翔平の発言と行動に再注目 「“もう帰る?”は気遣っていたのかも」
- ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
- パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
- 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
- ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
- 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
- フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」