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» 2014年04月07日 12時10分 公開

日本酒117種類、ワンコインで“利き酒” 新潟にある「日本酒ゲーセン」が想像以上のワンダーランドだった

日本酒の利き酒がゲームセンター感覚で楽しめる? ネットで話題になっていた、「日本酒ゲーセン」こと「ていすてぃんぐGALLERY 越の室」へ行ってきた。

[黒木 貴啓,ねとらぼ]

 おちょこをセットし、メダルを入れてボタンを押すと日本酒がジャー。自動日本酒マシーン117基をワンコインで楽しむ“日本酒ゲーセン”がおもしろそうだとネットで話題になっていた(NAVERまとめ)。

 日本酒の飲み比べをゲーセン感覚で楽しめるなんて……。実際に体験しようと、新潟県の湯沢町にある「ていすてぃんぐGALLERY 越の室」へ行ってきた。


画像 日本酒を、ゲームセンター感覚でたしなむ

 「ていすてぃんぐGALLERY 越の室」は、JR越後湯沢駅の駅ビル・COCOLO湯沢にある利き酒施設。1995年にJR東日本によって作られ、現在はお酒とお米のミュージアム「ぽんしゅ館」の1コーナーとして営業している。

 お店では新潟県の117種類の日本酒を、おちょこ5杯分500円というリーズナブルな価格で楽しむことができる。日本酒のラインアップは、お店の日本酒ソムリエさんが県下すべての酒蔵95蔵から厳選したもの。代表銘柄が95種類、四季に応じたおすすめ銘柄が22種類、全体的に中越地方のものが中心だ。


画像 「ていすてぃんぐGALLERY 越の室」の入り口。越後湯沢駅の改札から屋外に出ることなく来れる。ん? 入り口脇に何か……

画像 スーツの男性の人形が2体、すでに酔いつぶれていた

画像 中に入ると壁一面に銀色の機械が。これがうわさの日本酒ゲーセンか!

 店内には壁一面に銀色の機械が埋め込まれている。施設が“日本酒ゲーセン”と呼ばれる由来の「利き酒マシン」だ。銘柄のラベルとメダルの投入口、日本酒の注ぎ口の1セットが117基、3列横隊で下駄箱のようにずらり。飲みたい銘柄に専用メダルを投入すればお酒が出てくる仕組みだ。


画像 店内の全体の様子。1〜3月の土日祝日はスキー客が多く立ち寄り、店内を通るのがやっとになるくらい人でにぎわうことがあるそう

画像画像 利き酒マシンに使う専用メダルとおちょこ。「ポ」のロゴがかわいい

 受付カウンターで専用メダル5枚とおちょこ1つを500円で引き換えてもらい、利き酒に挑戦してみる。117種類……どれにするか、片手でコインを鳴らしながら機械の前を右往左往。うわー、どのメダルゲームで遊ぶのか選んでいる時と似た状況だこれ。スロットにするかメダル落としにするかが、辛口か甘口かになっちゃってる。


画像 銘柄がずらり。これだけいっぱいだとさすがに悩む

画像 お店の独自集計による人気ランキングも参考になる

 銘柄には一つ一つ、酸度、日本酒度(0を基準にプラスになるほど辛く、マイナスになるほど甘い)、お店の利き酒師さんによるリポートなどあらゆるデータが掲げてあって参考になる。「先月の人気ベスト10」なるものがあったので、ベスト1位の純米酒「越後鶴亀」の注ぎ口におちょこをスタンバイ。


画像 ドキドキ……

 メダルを入れてボタンを押すと、電気ポットのお湯のようにお酒が出てきて、1、2秒で満杯に。とっくりも一升瓶も登場しないジャンク感もなんかゲームセンターっぽい! 飲んでみたところ、口当たりがすっきりしていて飲みやすく、後から舌にややヒリヒリくる酸味が好きでした。よし、次は何にしよう!


画像画像 メダル→ボタン

画像画像 日本酒注入→いただきます! アミューズメント感覚で飲む日本酒は新鮮


 日本酒と合わせる「お塩」も95種類と豊富だ。マスでお酒を飲むときに、フチに塩を付けて口にする文化にならったコーナー。気になる塩をさじですくって舌の中央に乗せ、お酒を口に含む。もともと日本酒には辛味、酸味などがある中で塩味という表現がなく、合わせることでまた違った味わい方ができるそうだ。塩は「伯方の塩」といったメジャーどころから「ウコンの塩」など何やら珍しいものまでさまざま……これまで味くらべすると切りがなさそう。


画像 塩も95種類と“利き塩”したくなるほど豊富

画像 給水コーナーもあるのでお酒を休み休みで楽しめる。「達人の呑み方 酒 時々 水」

 飲み比べをより楽しみたいなら「利き酒テスト」(500円)がおすすめ。何の銘柄か伏せた状態で日本酒を1杯ずつ飲んでいき、5杯目に飲んだのは1〜4杯目のどれと同じ種類だったか当てるテストだ。毎月200人ほどが挑戦し、合格率は30〜40%くらい。


画像 利き酒テストは銘柄を伏せたマシンで挑戦

 3杯目を飲むと1杯目の味を思い出すのがなかなか難しく、筆者も必死にメモをとっておきながら不正解という結果に。ただ、何のデータにも左右されず己の舌のみでお酒を味わうので、個人的にこっちの方が「利き酒」をたしなんだという気がする。正解すると「ぽんしゅ館利き酒師認定証」がもらえるよ!

 お店の利き酒師・山田邦彦さんによると、おすすめの利き酒は銘柄やデータを気にせず当たって砕けろ精神で試していくことだそうだ。日本酒度や酸度はあくまで数字であって、舌に合うかどうかは別の話。舌との相性は自分で口にしてみるまで分からないので、「吟醸」「大吟醸」といった特定名称酒のカテゴリにもこだわらず、飲んだことのない銘柄にチャレンジして欲しいとのこと。同じ銘柄ですら毎年味は変わるらしい……うーん、日本酒は奥が深い。

 利き酒マシンのお手軽感やゲーセンのようなエンターテインメント性は、このように日本酒をたしなむ入り口としてうってつけだろう。「ぽんしゅ館」は湯沢だけでなく、2013年4月からJR新潟駅(新潟市)にもオープン。向こうの利き酒コーナーでは下越地方の銘柄が充実しているそうだ(システムや銘柄の数はまったく一緒)。


画像 「ぽんしゅ館」は利き酒以外にも、日本酒販売、お酒を使った食料販売、飲食店などいろんな日本酒コーナーでいっぱい

画像 硫黄温泉に日本酒を入れた酒風呂も!(湯沢本店限定、中学生以上800円、バスタオルなどのアメニティ付き) 合わせて日本酒づくしと行きたい

 気持ちよく呑みたかったので、筆者がこの日利き酒した杯数は10杯。事あるごとに通って117種類をコンプリートしてみたいところだ。ちなみに1日の最高記録は山形県出身の方の43杯! みなさん、それぞれのペースで、よい利き酒を。


画像 呑み過ぎて入り口の人形みたいにならないように!

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