キミは幻の「船橋ソースラーメン」を知っているか?第4の調味料

船橋市に伝わる「幻のご当地ラーメン」があるらしい。ラーメンにソースって……本気ですか?

» 2012年04月25日 21時57分 公開
[池谷勇人,ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 船橋市のラーメン店を中心に「幻のご当地ラーメン」を復活させよう、という動きが起こっている。

 その名も「船橋ソースラーメンプロジェクト」。船橋市民でさえも知る人が少ないという「船橋ソースラーメン」を期間限定で提供し、地域独特のラーメン文化として盛り上げていこうという試みだ。

画像

 「船橋ソースラーメン」というのは、文字通り醤油や味噌の代わりに「ソース」を調味料に使ったラーメン。戦後、船橋駅近くに創業した「花蝶」(現在は閉店)という店が発祥で、現在も数件のラーメン店がこのメニューを受け継いで提供しているそうだ。

 今回のプロジェクトは、フードジャーナリストの山路力也さんの呼びかけではじまったもの。スタート段階では6店が企画に参加し、まずは4月20日から5月31日までの期間限定で、それぞれの持ち味を生かした「船橋ソースラーメン(つけ麺)」を提供する。ソース味のスープで、ラーメンもしくはつけ麺の形になっていればあとは自由。各店それぞれに工夫をこらした「船橋ソースラーメン」が楽しめる。

「ご当地グルメで町おこしにつなげようとか、そういう狙いはまったくないんです。そもそもそういう食べ物が“ある”っていうことがまず面白いし、それをもっと多くの人に知ってもらいたかった。ソースラーメンって言うといかにもキワモノっぽいですけど、お好み焼きやたこ焼きを見れば分かるように、小麦粉とソースって基本的に合うんですよ」(山路さん)

画像 今回のプロジェクトを企画した、フードジャーナリストの山路力也さん

 気になったので筆者も食べに行ってみた。訪れたのは、京成船橋駅の近くにある「三代目らーめん処まるは極」。

 ここの特徴は、スープにとろみがついていること。麺の上には炒めたもやしやキャベツがもりっと盛られていて、上には青のりがたっぷりと振りかけてある。

 おそるおそるスープを口へ運ぶ。とろみのあるスープはふんわりと甘く、ソースらしいツンとした酸味はほとんど感じられない。甘くて、しょっぱくて、ちょっとだけ酸っぱい。醤油でも、味噌でも、塩でもない、今までに味わったことのない「第4の調味料」の味だ。だけど、あれ なんだこれ……うまいぞ!?

画像

画像 湯気とともにほんのり甘酸っぱい香りがただよう。口に入れるまではドキドキだったが……

 麺はもちっとした中太麺で、とろみのあるスープがほどよく絡む。もっと焼きそばっぽい味を想像していたが、食べてみるとぜんぜん違う。じゃあどんな味かと聞かれると困ってしまうのだが、強いて言うならば「ソースラーメンの味」だ。醤油ラーメンの味を他の調味料にたとえられないように、ソースラーメンの味はソースラーメンとしか言いようがない。ただひとつ言えるのは、「これ、イケる」!

「みんなゲテモノだと思ってるから、最初のハードルが低いんですよ(笑)。みんな一口食べると『おいしい!』ってビックリしてくれます」(山路さん)

 ――なるほど、そんなものかもしれない。でも、想像していたような「変わり種」ではまったくなく、これは「定番」になり得る味だ。店主の橋本友則さんによると、お客さんの反応も上々で、2日連続で注文する人もいたという。

画像 「三代目らーめん処まるは極」の店主、橋本友則さん

 まずは期間を限定しての提供となるが、今後はプロジェクト参加店をさらに募り、各店でレギュラーメニューとして出せるようにしていきたいとのこと。参加店や詳細などについてはFacebookページの「船橋ソースラーメンプロジェクト」にて随時公開中。船橋を訪れた際には、ぜひ一度この味を体験してみてほしい。

 なお、せっかくなので「三代目らーめん処まるは極」の後、もう1店「麺屋あらき竈の番人」にも足を運んでみた。こちらは「まるは極」とはまた違った味で、これまたうまい……! ソースラーメン、ちょっとクセになりそうだ……。

三代目らーめん処まるは極

 「船橋ソースラーメン(800円)」を注文。本文でも触れたが、とろみのある甘口のスープが特徴。独自の白湯スープとソースのコクが合わさって、ほんのりポタージュスープのような後味。スタートは青のりと炒め野菜のおかげでちょっと焼きそば風。さらに小皿で出された魚粉とエビ粉を入れると急激にお好み焼きっぽくなる。「ソース味だけだと途中で飽きてしまうと思ったので。焼きそば→お好み焼きと変化する味を楽しんでください」と橋本さん。でも、入れなくても全然おいしかった!

画像画像

麺屋あらき竈の番人

 こちらは魚介風味の醤油豚骨がウリのお店。提供されている「船橋ソースラーメン(780円)」は、醤油ラーメンの“かえし”を半分ソースに変えただけのシンプルなものだが、魚介のスープにソースの風味が意外なほど合う。「ソースにはもともと野菜のうまみが濃縮されているから、ラーメンのスープとは相性がいいんです」と山路さん。醤油ラーメンにはない山盛り野菜のトッピングも嬉しい。「まるは極」もそうだったが、ソースラーメンは野菜との相性もいいようだ。

画像画像

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/18/news202.jpg 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
  2. /nl/articles/2412/20/news023.jpg 60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
  3. /nl/articles/2403/21/news088.jpg 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
  4. /nl/articles/2412/21/news038.jpg 皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
  5. /nl/articles/2412/21/news056.jpg 真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
  6. /nl/articles/2412/21/news088.jpg 71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
  7. /nl/articles/2412/20/news096.jpg 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  8. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  9. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  10. /nl/articles/2412/17/news195.jpg 「ほぼ全員、父親が大物芸能人」 奇跡的な“若手俳優の集合写真”が「すごいメンツ」と再び話題 「今や全員主役級」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」