「30分以上の遅延で無料にすべき」 電車遅延を巡る民進党議員のツイートに批判続出、本人の見解を聞いた
事故が起こる可能性を考慮すべきとする意見が多いようです。
19日早朝、東急田園都市線で車内トラブルが発生し、大幅な遅延が発生。これについて民進党の藤末健三参議院議員がTwitterで「遅延度に応じて料金を割り引く制度の導入を提案して行きます。30分以上遅れたら無料にすべきだと思います」とツイートし、議論を呼んでいます。
19日の田園都市線では、「乗りまーす」「降りまーす」と言いながら体当たりをして乗降車した乗客が発端となり、車内で他の乗客とケンカになった影響で遅延が発生。遅延のため一部の駅で人が溢れるなど混乱が起きていたほか、SNSには「田園都市線は絶望的だ」「田園都市線は電車として終わってる」「今週の田園都市線の遅延具合が酷すぎる」など乗客の不満が多数投稿されていました。
藤末議員のツイートに対しては、「(遅延によって割引をすれば鉄道会社が損をする可能性があり)列車が遅れると分かれば即座に全線運休させるようになってしまう」「国会議員の立場を利用して私怨を解消しようとしているだけ」などの批判が続出。2005年に起きた福知山線脱線事故では、ダイヤ回復のため列車のスピードを上げたことが要因の1つとされていることもあり、「安全より定刻運行を求めたらどうなるか分かるでしょ」など、無理のある運行によって事故が起こる可能性を考慮すべきとする意見が出ています。
今回のツイートの真意について藤末議員に話を聞いたところ、「毎日田園都市線を利用しています。最近田園都市線の遅延が頻発しており、10分早くつくように家を出ています。家族や知人などからも遅延の状況を聞いており、同様に相当早めに出ているという意見があります」と発言の背景を説明。「田園都市線で通勤される方々が10分間の時間を遅延で失っているとしたら、時給が1000円と仮定しても莫大な被害がでている」とコメントし、田園都市線の遅延が与える影響の大きさを説明しました。
また、今後鉄道会社に望む対応としては「遅延の原因を明確にし、その原因に対してどのように対応するかを利用者に知らせるべき」と語り、SNSで指摘されている安全面の問題については「安全を犠牲にする遅延対策はあり得ません」と明言。また、今回の問題についてはすでに国土交通省の担当者と話し合いを行っており、法律の範囲で政府が対応できることを確認しているそうです。なお、Twitterで語られていた割引・無料化への言及はありませんでした。
JR東日本では、「特急・急行列車が、到着時刻より2時間以上遅れた場合は特急・急行料金の全額を返金する」などの規約がありますが、東急電鉄では遅延に応じた返金・割引の規約はなく、検討もしていないとしています。
国交省が取りまとめた「遅延対策ワークグループ」でも短期間の遅延が慢性化していることが問題視されていますが、3分以上の遅延の発生原因は事業者以外が原因となるものが大半を占めるという報告も。今回の騒動では、遅延のリスクよりも安全性を重視してきた鉄道会社の姿勢を支持する声が多いようです。
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