ベビーカーでも利用しやすい西武鉄道の新型通勤車両「40000系」を見てきた 3月25日から運行開始

みんながうれしい「やさしい」電車。

» 2017年03月13日 09時45分 公開
[佐藤 春華ねとらぼ]

 西武鉄道は3月12日、新型通勤車両「40000系」のお披露目イベントを行いました。

40000系 乗車イベントは定員400人分を完売。撮影しに来た鉄道ファンも

 新型通勤車両「40000系」は「人にやさしい、みんなと共に進む電車」というコンセプトの元開発。目をひくのは10両目に設置されたパートナーゾーンで、車いすやベビーカー、大型の荷物を持った人でも安心して利用できる空間となっています。外側からでも一目で分かる大きな窓が特徴で、小さな子どもでも車窓を楽しめそうな低い位置に設置されています。

40000系 外側からでも一目で分かる特徴的な広い窓。大きい!

40000系 ベビーカーに乗りながらでも外の風景が見える。低い位置にも手すりがあるのもうれしいポイント

40000系 すれ違う電車と写真撮影ができちゃうほどの大きな窓!

 パートナーゾーンには浅く腰掛けられる座席があります。座席の位置が通常より高く、座りにくそうですが、子育てママからは好評でした。ベビーカーを押さえたり、子どもの様子を眺めたりするのに、ちょうどよいそうです。

40000系 ほぼ、寄りかかるだけになってしまう座席に見えるが……

40000系 子どもの急なとびだしやベビーカーを押さえるには寄りかかるくらいでなければ対応できないそう

40000系 ベビーカーや車いすには固定するロープも用意されている

 さらに、西武鉄道の通勤電車としては初の設置となった4号車のトイレ。こちらはベビーカーや車いすでも利用でき、おむつ台もついています。

40000系40000系 第2子を妊娠中のお母さんからは「おむつ台がついていることはもちろん、子どもは急にトイレに行きたがることがあるのでありがたい」との声

 取材を進める中では子育て世代からの悲痛な叫びも伺うことができました。「肩身狭い思いをしていたので、世間に受け入れてもらえるんだ、という感じ」「子どもの声が迷惑になるんじゃないか」「場所を取るので、ドアの横にベビーカーをおける車両を狙って乗る」「(場所がないときは)揺れを覚悟して、連結部分へ行くこともある」。ベビーカーや車いす利用者、その介助者の方にとって、ほっと一息つける車両になるのではないでしょうか。

40000系40000系 車内Wi-Fiや電源コンセントがついているのもうれしい

 一方、参加者からはパートナーゾーンについて、「通勤の際は不便かも」「ベビーカー邪魔そう」「通勤の時は立ってろってことかな」と厳しい意見もありました。

 新型車両は有料座席指定列車「S-TRAIN」としての運行もあります。土日祝日は西武秩父から元町・中華街間で行楽に便利なルートとなっています。停車駅は西武秩父駅/飯能駅/入間市駅/所沢駅/石神井公園駅/副都心線池袋駅/新宿三丁目駅/渋谷駅/自由が丘駅/横浜駅/みなとみらい駅/元町・中華街駅。なお、池袋駅では降車専用、横浜駅とみなとみらい駅では、元町・中華街行で降車専用、所沢・飯能・西武秩父行で乗車専用となっているため、予定を立てる際には停車駅に注意が必要です。指定席料金は距離に応じて大人300円から1060円。西武秩父から元町・中華街駅間を約2時間30分でつなぎます。

 平日は所沢から豊洲間で全席座席指定の「座れる通勤」を実現。停車駅は所沢駅/保谷駅/石神井公園駅/飯田橋駅/有楽町駅/豊洲駅。豊洲行では西武線内で乗車専用、有楽町線内で降車専用となります。所沢行では有楽町線内で乗車専用、西武線内で降車専用となっています。平日は池袋駅には停車せず。指定席料金は大人510円。所沢から豊洲まで約1時間、くつろぎ時間を手に入れるには安い料金のように思えます。

 新型通勤車両「40000系」は通勤や行楽などあらゆる場面で「みんなに優しい電車」として、3月25日から運行を開始します。現在2編成の新型車両は、2019年までに8編成になる予定。みんなが笑顔で乗れる電車が増えていくといいですね。

40000系40000系

40000系40000系

※個人を判別できる写真は許可を得て掲載しています。

関連キーワード

赤ちゃん | 通勤 | 電車 | 子供 | 障がい者


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/18/news202.jpg 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
  2. /nl/articles/2412/20/news023.jpg 60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
  3. /nl/articles/2403/21/news088.jpg 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
  4. /nl/articles/2412/21/news038.jpg 皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
  5. /nl/articles/2412/21/news056.jpg 真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
  6. /nl/articles/2412/21/news088.jpg 71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
  7. /nl/articles/2412/20/news096.jpg 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  8. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  9. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  10. /nl/articles/2412/17/news195.jpg 「ほぼ全員、父親が大物芸能人」 奇跡的な“若手俳優の集合写真”が「すごいメンツ」と再び話題 「今や全員主役級」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」