「カードキャプターさくら」の新シリーズと知世ちゃんの感情についてインターネットを守る翼竜

新鋭・にゃるらの連載。第3回はCCさくら!!

» 2017年05月14日 09時00分 公開
[にゃるらねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 にゃるらです。コラム連載3回目なんですけど、このコラムにつけた「インターネットを守る翼竜」という適当なタイトルは、ねとらぼさん側が呼ぶ場合「翼竜」と略してまして、その度普通にカッコよくて気恥ずかしいです。「イン翼」とかの方が陵辱モノっぽくて好きです。


女児向けアニメのリバイバルブーム

 さて、昨今ではあの「カードキャプターさくら」が再ブームを起こしています。以前までの女児向けアニメ再ブームは「セーラームーン」でしたので、ついにCCさくらを当時楽しんでいた子どもたちも今や「懐かしさから昔ハマったアニメのグッズを購入する大人」としてターゲティングされた事になりますね。



 ちなみにセーラームーンといえば黒犬獣さんですが、セーラームーン再アニメ化などは特に関係なく、今でも変わらぬ熱量で妖魔に陵辱されるセーラームーン本を描き続けています。最近ではセーラー戦士ですらないモブ母娘本が良かったです。


カードキャプターさくらの新シリーズ

 2016年7月号の『なかよし』より、CCさくらの新章であるクリアカード編の連載がスタートしました。実に16年ぶりに再びCCさくらが載ったわけです。


CCさくら クリアカード編がスタートした『なかよし』2016年7月号の扉絵

 それに伴い各SNSでもCCさくら熱が再燃。先日さくらちゃん周りの恋愛関係の複雑さを解説するイラストやツイートが拡散され、そのネタに対し「さくらちゃんが誰が誰を好きでもおかしいと思わない世界観にしたかったというCLAMPの意思が伝わっていない」旨のツイートが広まるなど、CLAMPの偉大さをあらためて痛感したわけですが、個人的には花京院が平然と承太郎の子どもを産むCLAMP独自の世界観を基準にするのもどうかと思います。とにかく愛の形に多様性があるのは良いことですね。

 関係性の複雑さがよく分かる構図として、アニメ38話「さくらの楽しいいちご狩り」はすごいです。

CCさくら (アニメ38話より)

 画面にこれでもかと情報量が詰まっていますね。これでもメインキャラはそろっていないので、全体で見るとさらに複雑なのですが。そもそも知世ちゃんは授業中に同級生を撮影するのはどうかと思います。先生も後ろに普通に居るのに一切揺るがない彼女の意志が強い。

 CCさくらの複雑な恋愛模様の象徴と言える存在が「知世ちゃん」でして、新章でもさくらちゃんへの熱烈なラブコールはとどまることを知りません。さらに言えば新章からはさくらちゃんと小狼が完全に結ばれた状態からスタートし、当然親友としてその関係を知り応援しつつもさくらちゃんを見守り続けることを選択していますので、より拗らせ方が増したと言ってもいいでしょう。

 1巻発売日から各書店にて配布された「CCさくら新聞」では、知世ちゃんへの説明を「さくらのことが大好きで、カードを探しにいくときの服は全て知世が作っている。さくらの活躍をビデオに撮るのが喜び!」とだけシンプルかつ大胆に書かれています。彼女の全ての行動がさくらちゃんを基準に行われている事が伝わる良い文だと思います。

 新章開始に乗っかりLINEスタンプも販売されました。第2弾には、さくらちゃんと知世ちゃんの対のようなスタンプがあり、2人の関係性と知世ちゃんの感情の儚さが伺える最高の内容となっております。拗らせ具合的には知世ちゃんのお母さんのほうが異質なのですが、長くなるので割愛しました。



 今回の記事はそんな知世ちゃんの話をしていきましょう。


知世ちゃんの歪な愛の形

 新章2巻では「さくらちゃん本人の心配以上にさくらちゃんを撮影できなかった事を嘆く」描写がされたりと、依然変わりなく彼女への歪な愛情表現を続けています。知世ちゃんは一見、さくらちゃんの有益のために行動するキャラだと誤解されがちですが、アニメでもさくらちゃんに新衣装を着せるためなら半ばだますような作戦を実行したりと、とにかく欲望に忠実なことが分かります。



 ほわわんとしつつもつけ入る隙を一切逃さない知世ちゃん。後にさくらちゃんと恋人関係になる小狼の登場により、焦りが生じているのかもしれません。



 この後の11話「さくらと知世と大きなお家」では、知世ちゃんがさくらちゃんからもらった消しゴムをお守りとして保管している事実が発覚します。これに対し15話「さくらとケロの大げんか」内で、さくらちゃんも知世ちゃんからもらったお手紙を大切にしているシーンもありますが、知世ちゃんと違い消しゴムをお守り袋と箱へ入れて鍵を掛けたりするわけでもないので、ここでも互いの感情の温度差が顕著に見えます。知世ちゃんは「まぁ!」と至極うれしそうなのがかわいい。

 序盤だけでもキリがない程に愛情表現がありますので、最後に1つお勧めの回を。

 37話「さくらと消えた知世の声」はタイトル通り、知世ちゃんメインの回。コーラス部のコンクールを控えた知世ちゃんが「ボイス」のカードにより声を失ってしまいます。

 さくらちゃんは自分のせいで親友が声を奪われた自責の念で泣き出してしまし、自分が慰める相手であるはずの知世ちゃんに優しく抱きしめられます。『喧嘩商売』で言う「慰められたのは俺だった……」状態。筆談による「元気出してください」の字面が哀しい。



 知世ちゃんが何よりさくらちゃんの事を一番に考えている事が如実に現れた素晴らしい回です。知世ちゃんを心配するさくらちゃんを心配する小狼も、その小狼の様子に安心してさくらちゃんを任せようとする知世ちゃんもグッド。

 ラストで声を取り戻した知世ちゃんによるコーラスは涙なしでは聴けません。知世ちゃん(岩男潤子さん)の歌唱力は「KEY THE METALIDOL」や「パーフェクト・ブルー」で折り紙つきですし。


CCさくら周り

 というわけで、一度はおおっぴらに書いてみたかった知世ちゃんのお話でした。新章での絵柄が進化したCLAMPによる表情豊かな知世ちゃんは魅力的ですので、気になったら是非購入してみてください。

 オマケですが、いろいろと深い歴史のあるCCさくら板は、良くも悪くも異色な空間でして、あまり新章について取り立てて騒ぐ様子もなく、只々さくらちゃんへの異常な愛情を書き連ねられています。あやしいわーるど時代から続く伝統ですので、永久に変化することのない場なのでしょう。

 マストドンの方でもCLAMPファン用のインスタンスが作られています。のぞいてみた感じ、どちらかと言うとCLAMPの話以上に懐かしインターネット話が多く、こちらもCCさくら板と似たような現状。治安は断然マストドンの方が良好ですが。

 9月発売の3巻にはDVD付きの特装版もあり、またアニメで動くさくらちゃん達が見られる予定です。2018年1月からはクリアカード編の放送が控えており、現在もNHK BSプレミアムで旧作アニメが再放送中です。今後もCCさくらから目が離せませんね。



にゃるら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/18/news202.jpg 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
  2. /nl/articles/2412/20/news023.jpg 60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
  3. /nl/articles/2403/21/news088.jpg 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
  4. /nl/articles/2412/21/news038.jpg 皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
  5. /nl/articles/2412/21/news088.jpg 71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
  6. /nl/articles/2412/20/news096.jpg 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  7. /nl/articles/2412/21/news056.jpg 真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
  8. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  9. /nl/articles/2412/21/news005.jpg 藤本美貴、晩ご飯に手料理7品 多忙でも野菜とお肉たっぷりで反響 「お疲れ様です」「凄く親近感」【2024年の弁当・料理まとめ】
  10. /nl/articles/2412/17/news195.jpg 「ほぼ全員、父親が大物芸能人」 奇跡的な“若手俳優の集合写真”が「すごいメンツ」と再び話題 「今や全員主役級」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」