レビュー
» 2017年07月25日 12時00分 公開

酒に溺れる父とDV彼氏の板挟み アルコール依存漫画『酔うと化け物になる父がつらい』の恐怖は加速する

ページをめくるのもつらい。

[宮澤諒,ねとらぼ]

 「哀しくてツラい」「ざりざりと心をやすりで削られていく」「毎回怖さが増す」――。

 4月18日にWebコミックサイト「チャンピオンクロス」で連載開始した漫画『酔うと化け物になる父がつらい』が、読者の心をえぐり続けている。

酔うと化け物になる父がつらい 菊池真理子

 同作は、作者の菊池真理子さんとアルコール依存症の父との生活を描いたエッセイ漫画。(2年前、当時連載していた作品の)取材のためアルコール外来を訪れた菊池さんが、「父は、アルコールによって壊れていたのかも」と気付いたことから始まった連載で(関連記事)、7月25日に第8話が公開された。

 普段は無口で小心者なのに、ひとたび酒が入ると人が変わったようになる父。母はといえば、新興宗教を心のよりどころに耐え忍ぶ生活を送るも、菊池さんが中学2年生になるころに自ら命を絶つという悲しい最期を迎えてしまい――と、ここまでが第1話の内容だ。ヘビーすぎる。

酔うと化け物になる父がつらい 菊池真理子 菊池さんが子どものころからこの調子

 妻を亡くした父は心を入れ替えて酒を断ち――となればよかったが、1カ月もたたずに泥酔生活を再開。別人のようになって帰って来る父に、最初こそ「もう飲まないでね」と(表面上は)優しい言葉をかけていた菊池さんだが、年月を経るごとにその対応も変化していく。高校時代は友達が面白がってくれることを理由に笑い話に昇華させる術を身に付け、卒業後は「介抱する身にもなってよ」「それでも親なの?」と責めるようになる。そしてついには、見つけた母の日記から自分が父にとって望まれない命であったことを知ってしまう。

酔うと化け物になる父がつらい 菊池真理子 知ってしまった過去

 娘からの必死の呼びかけにも耳を貸さず、酒に溺れ、化け物でありつづける父。監禁されているわけでもなく、やろうと思えば家を飛び出し、1人暮らしもできたかもしれない。それでも、暴言に暴言で返し、時には手をあげることさえあっても、体を気遣ってしまう菊池さん。血のつながりの残酷さを否が応でも感じさせる描写の連続。そして登場する、マザコン&束縛&DVという3つの地雷を抱えた同い年の彼氏、太一。

酔うと化け物になる父がつらい 菊池真理子 紹介で出会った彼氏

酔うと化け物になる父がつらい 菊池真理子 酒には強いが、元の性格からして攻撃的な男だった

 途中からは父の言動がまだマシに感じるほど、この太一という地雷男との強烈なエピソードが続く。

 論文を書くから(院生で頭は良いらしい)付き合えと夜中の3時に電話してくるのは常で、寝る際には寝息が聞こえるまで通話状態にしておかないと何度でもかけ直してくるという束縛っぷり。傘をさそうとすれば、どこで買ったものなのかを知りたがり、答えられないと「男に買ってもらったんだろ」と激高&殴打。かと思えば、「愛してるよ〜」と受話器越しに甘えてきたりする。父とはまた別の化け物に振り回される菊池さん。思わず、お願いだから目を覚ましてくれと液晶を前に固く拳を握ってしまう。

酔うと化け物になる父がつらい 菊池真理子 傘をどこで買ったのか答えられないだけで

酔うと化け物になる父がつらい 菊池真理子 ところ構わず殴る

 簡単にこれまでのストーリーをなぞってきたが、最新話では長年好きなように酒を飲み続けてきた父をついに病魔が襲う。げっそりとした父だが、存在を無視するように生活していた菊池さんは父が痩せたことにも、最近咳が止まらないということにも気付いていなかった。弱った化け物を前に、これから親子の関係はどう変化していくのだろうか。

酔うと化け物になる父がつらい 菊池真理子 明るく振舞ってくれる妹の存在が唯一の救い

酔うと化け物になる父がつらい 菊池真理子 無視したくてもできない。血のつながりという呪縛

酔うと化け物になる父がつらい 菊池真理子 そして……



 9月15日には、単行本第1巻が発売される。価格は900円(税別)。


酔うと化け物になる父がつらい 菊池真理子 第1巻の表紙

(C)菊池真理子(チャンピオンクロス)

関連キーワード

漫画 | 彼氏 | | 依存症 | 家族


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2111/26/news120.jpg 江頭2:50、憧れの女性に一世一代の大勝負 熱意こもった“告白”に「涙出た」「感情が崩壊しそう」
  2. /nl/articles/2111/27/news058.jpg みちょぱ、恋人・大倉士門とのラブラブムービーに大反響 “公開イチャイチャ”に「本当お似合い」「夫婦にしか見えない」
  3. /nl/articles/2111/26/news137.jpg 上白石萌音、「カムカム」悲劇の展開後に“未来に向けた言葉”を届ける 娘・るいを抱いて「どうか見守っていてください」
  4. /nl/articles/2111/27/news054.jpg MALIA.、山本“KID”徳郁さんとの16歳次男と親子初共演 「パパに似てる」「美男美女」と“美形ファミリー”に反響
  5. /nl/articles/2111/27/news051.jpg 【Amazonブラックフライデー】初日売れ筋ランキングTOP20 1位は圧倒的大差で「Fire TV Stick 4K Max」
  6. /nl/articles/2111/27/news041.jpg さだまさし、友人・平原まことさんの逝去に悲痛の思い 「綾ちゃん、がんばれ!」と娘・平原綾香にエールも
  7. /nl/articles/2111/27/news064.jpg お父さんめっちゃパンクだな! SUMIRE、父・浅野忠信の誕生日祝いに幼少期の貴重な2ショットを公開
  8. /nl/articles/2111/25/news148.jpg 【その視点はなかった】「ネイルする意味が分からない」という男がいたので塗ってあげたら「爪って目に入るから元気出る!」と理解してもらえた
  9. /nl/articles/2111/27/news028.jpg 飼い主に遊んでほしい猫ちゃん、胸キュン必至なおねだりを見せ…… 甘えん坊な元保護猫が最高にかわいい
  10. /nl/articles/2105/19/news041.jpg 【お仕事楽しい】「3日間育休をとる」という男性社員に「理解できない」と上司 予想外の真意に感動の声

先週の総合アクセスTOP10

  1. 「前歯を取られ歯茎を削られ」 広田レオナ、19歳デビュー作で“整形手術”を強制された恐怖体験
  2. ゴマキの弟・後藤祐樹、朝倉未来とのストリートファイトで45秒負け 左目腫らした姿を自ら公開し「もっと立って闘いたかった」
  3. キンタロー。浅田舞の社交ダンス挑戦を受け体格差に驚がく 「手足が長い!!」「神様のイタズラがすぎるぞ!!」
  4. おばたのお兄さん、“高額”ギャラ明細を写真で公開 「こんなに稼いでるんですね!」
  5. 仲村トオルと鷲尾いさ子の長女・美緒、23歳の誕生日に姉妹ショット 親譲りの美貌&175センチの長身
  6. ゴマキ弟、朝倉未来との瞬殺試合に「抵抗してるつもりだった」 “怪物”がメッタ打ちする姿に妻ショック隠せず 「息できなかった」
  7. 店で急に話しかけてくる“なれなれしいオタク”は「逃げて正解」 アキバで勧誘に遭った漫画に「自分も出くわした」と反響
  8. 朝倉未来、1000万円ストリートファイト批判へ反論 一部挑戦者の大けがに「それくらいの覚悟は持ってきているでしょ」
  9. 広田レオナ、12キロ増なデビュー時代の姿を公開「鼻も埋没していった…」 6月には激細姿に焦りも「脚が棒みたい」
  10. 工藤静香、次女・Koki,が腕を振るった“ゴージャス朝食”を公開 過去には「私より上手」と料理スキルを絶賛

先月の総合アクセスTOP10

  1. 「本当色々あったけど、おかえり」 市川海老蔵、義姉・小林麻耶との再会を胸いっぱいに報告
  2. 「くそが……!」 最上もが、奮発した「Uber Eats」の対応に怒り爆発 1400円ステーキの“中身”に「絶望」「もう頼まねえ」
  3. 葉月里緒奈、美人な元マネジャーと“再会2ショット” 「共演した俳優さん達は私ではなく彼女を口説いてました」
  4. 田中律子、美人な23歳娘とランチデート 2ショットに「本当に親子!? 姉妹だよ〜」「そっくりで美しい」の声
  5. 「やりました!」ニッチェ近藤、半年間で10キロ減量に成功 ダイエット前後の写真に「すごい」「勇気もらいました」
  6. 板野友美、エコー写真とそっくりな娘の顔出しショットを公開 ぱっちり目の美形な姿に「こんな美人な赤ちゃん初めて見た」
  7. 木村カエラ、夫・永山瑛太と“意外な場所”で出会って驚き 「連れて帰りました」報告にファンほっこり
  8. 戸田恵梨香、水川あさみと同様に長文公開 「私を追いかけて、どうか車の事故を起こさぬようお気をつけください」
  9. docomo×進撃の巨人キャンペーンの商品「リヴァイ兵長フィギュア」が悲惨な出来だと話題に → 公式が謝罪「対応方法を検討しております」
  10. 加護亜依、「エヴァ」綾波レイのコスプレ姿に絶賛の声 体形くっきりのプラグスーツ&歌唱に「流石は元トップアイドル」