海外では警察が注意喚起した事例も 「わが子の写真をSNSにアップするのが危険な理由」を弁護士に聞いてみた(1/2 ページ)

投稿しているパパさん、ママさんは多いはず。

» 2017年08月19日 11時00分 公開
[マッハ・キショ松ねとらぼ]

 子どもの写真をSNS上にアップロードしている親は、珍しくありません。一昔前では考えられないことでしたが、ネットを通じて「もうこんなに大きくなったんだ」と知り合いの子どもの成長ぶりに驚くのは、今やよくある体験なのではないでしょうか。

 しかし、海外には、「ネット上で子どもの写真を公開しないように」と警察が注意喚起を行った国が。親子間での法トラブルにまで発展してしまったケースも存在します。一体なぜ、こんなことが起こっているのでしょうか。そして、日本でも同様の問題が発生するおそれはないのでしょうか。


SNSへの子どもの写真投稿の問題点

SNS上でわが子の写真を投稿 どこに問題が?

 自分の子どもの写真を、SNS上に投稿するのは危険だ――日本でそんな主張を目にすることは、それほど多くありません。まずは海外メディアの記事から、その問題点を探ってみましょう。

 Mashableは「幼少期の写真をFacebookで公開されたオーストリアの女性(18歳)が、親に対して訴訟を起こした」というニュースを掲載。その女性は「トイレに座っていようと、ベッドに裸で横たわっていようと写真を撮られ、公開された」としています。親は、ほほえましい成長過程を周囲に見せようとしていただけなのかもしれませんが、子どもにとってはそれが許せなかったようです。

 また、BBCなどは、子どもの写真をFacebookにアップしないよう、フランスやドイツの警察が注意喚起したことを伝えています。その理由として挙げられているのは、子どものプライバシーの保護や、子どもが性的対象として見られ性犯罪に巻き込まれるリスク。特にフランスでは「同国のプライバシーに関する法律は厳しく、同意なしに子どもの写真を投稿した親は懲役1年、4万5000ユーロの罰金を課せられる可能性がある」と指摘する専門家まで現れているといいます。

 どうして、このような厳しい主張が現れているのでしょうか。ヒントになりそうなのは、この手の記事に「多くの人が、子どもの写真を投稿している」といった内容の一文がよく見られること。きっと日本同様、海外にもわが子の写真をSNS上に公開しているパパ、ママがたくさんいるのでしょう。

 しかし、それによって子どもの人権や安全が侵害されるおそれがあるなら、待ったをかける動きが現れるのも当然の成り行き。当たり前のように行われている身近な行為であるがゆえに、啓蒙活動の必要性が生じているようです。


SNSへの子どもの写真投稿の問題点 警察による注意喚起に合わせて、Facebookの公開設定の方法を紹介する記事も。読者が子どもの写真をアップしているのは、もはや前提?

実際にFacebookで子どもの写真を探してみた

 海外の記事で、写真の投稿先として言及されているのは、必ずと言っていいほどFacebook。InstagramやTwitterなど人気SNSは他にも存在するはずですが、「そのような使い方をされやすいのはココ」と認識されてしまっているのかもしれません。日本のユーザーも、なんとなく納得できるところなのでは?

 運営側も問題認識を持っているのか、Facebookでは、子どものヌードが含まれる写真を削除する取り組みが行われています。ヘルプセンターによれば、目的は「他の人に不適切な用途で再利用されるのを防ぐ」こと。明言はされていませんが、児童ポルノや性犯罪を懸念しているのでしょう。


SNSへの子どもの写真投稿の問題点 詳細は明記されていませんが、「誰にとっても安全」といえないような画像は削除対象となるようです(Webサイトより)

 また、同サービスでは、ユーザー側で画像などの公開範囲を細かく設定し、閲覧権限をコントロールできるようになっています。ここまで対策されているなら、トラブルが起きる心配はなさそうなものですが……実際のところはどうなのでしょうか。

 調査のために、良からぬことをたくらむ人物になったつもりで、悪用されそうな写真を探してみました


SNSへの子どもの写真投稿の問題点 さて、どうやって探したらいいものか……


SNSへの子どもの写真投稿の問題点 ……あ!


SNSへの子どもの写真投稿の問題点 あっさり出ちゃった

 すると、10分もかからずに裸になっている子どもの写真を発見。

 見つかった写真のほとんどは、一般的な家庭で撮影されたと思われるもの。お風呂やプールに入っている姿などが写っており、ヌードといえばヌードなのですが、よくある家族写真であることから不適切な画像として扱われなかったのかもしれません。しかし、世の中にはいろいろな趣味嗜好……の人がいるもので、決して油断はできないはずです。

 短時間で画像が探せたのは、2013年に導入されたハッシュタグ機能を利用したため。当初はどういうワードで検索すればいいものか悩んだのですが、適当なフレーズで調べてみたところ、ハッシュタグを大量に載せた記事がヒット。1つの記事に複数のハッシュタグを使用しているケースは意外に多く、芋づる式に“使える”ハッシュタグを見つけることができました。


SNSへの子どもの写真投稿の問題点 大量にハッシュタグを使用している投稿の一例(青字部分がハッシュタグ)。特にInstagramと連携している人に、多い印象でした

 また、Facebookで見つけたハッシュタグが、異なるSNSで同じように使われているケースがあることも分かりました。推測ですが、SNS同士を連携させ、まとめて投稿をしている人がいることから、ハッシュタグがサービスを横断したのではないでしょうか。

 良からぬことをたくらむ人物目線で考えると、これは好都合かもしれません。というのも、Facebookの検索機能は記事ごとに表示する仕様になっており、画像探しに向いていないため。そこで、画像のみを検索画面に一覧表示してくれる別のSNS(例えばInstagramなど)を使えば、より効率的に目当てのものが探せるはずです。ハッシュタグが同じなら、出てくる写真の内容は大して変わらないでしょう。


SNSへの子どもの写真投稿の問題点 例えば、Instagramを使うと画像だけズラッと並べてくれます

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/18/news202.jpg 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
  2. /nl/articles/2412/20/news023.jpg 60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
  3. /nl/articles/2403/21/news088.jpg 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
  4. /nl/articles/2412/21/news038.jpg 皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
  5. /nl/articles/2412/21/news056.jpg 真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
  6. /nl/articles/2412/21/news088.jpg 71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
  7. /nl/articles/2412/20/news096.jpg 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  8. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  9. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  10. /nl/articles/2412/17/news195.jpg 「ほぼ全員、父親が大物芸能人」 奇跡的な“若手俳優の集合写真”が「すごいメンツ」と再び話題 「今や全員主役級」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」