あるベテラン記者のゲームプレイがあまりにもヘタ→国内外で「ゲームライターにゲームの腕前は必要か」と議論に発展

「ゲームの魅力を伝えるには一定の腕前が必要」「ヘタな人の視点で紹介できればいい」など意見は割れていますが、そもそも動画上のプレイングが本当にヘタすぎる。

» 2017年09月06日 15時15分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]

 海外メディアVentureBeatで活躍する記者、Dean Takahashiさんのゲームプレイ動画が、ヘタすぎて話題になっています。どのくらいかヘタかというと、チュートリアルで2分以上行き詰まるほど。動画がきっかけで、「ゲームライターにゲームの腕は必要か否か」という議論まで生まれています。


Cuphead 公式サイトより、カートゥーンチックで楽しそうな「Cuphead」

 Dean Takahashiさんは主にゲーム系の記事を手掛けること25年以上の大ベテラン。プレイしたのは、ドイツのゲーム見本市「Gamescom 2017」で出展されていた「Cuphead」(9月29日発売、PC/Xbox One)です。チュートリアル序盤で高い柱を越える場面があるのですが、「足場に上がってから跳び、空中ダッシュで越える」手順に気付かず、1分以上苦戦することに。チュートリアルにしては難しいアクションが要求されているとは思いますが、ちょっとカンが悪すぎるような……。


柱 柱を越えられず、早くもチュートリアルで行き詰まる

タイミング遅れ 左の足場から跳んで空中ダッシュすることに気付くも、ダッシュのタイミングが遅れて何度も失敗

成功 成功に至るまで1分半ほどかかりました

 チュートリアルを完遂し、本番が始まってからのプレイングも散々。不用意に敵に近づいてはライフを減らして何度もゲームオーバーとなり、約26分にも及ぶゲームプレイは、結局最初のステージすら突破できずに終わってしまいました。動画のコメント欄には、「この人ゲーム自体やったことあるの?」「これでもゲームのジャーナリスト?」「このプレイヤーは自己学習型の人工ニューラルネットワークとかか?」といった辛らつな言葉が寄せられています。


踏みミス マリオのように敵を踏んで倒せないゲームなので、ジャンプの目測を誤ってやられるケースが多数

囲まれる 無限に湧く敵を相手にしすぎるうちに囲まれてしまい……

ゲームオーバー 追い込まれてやられるはめに。約26分のプレイが、万事この調子

 この動画はSNSでも話題となり、ゲームライターのIan Miles CheongさんはTwitterで「こんなひどいプレイをする人に、ゲームについて語る資格があると思いますか?」と痛烈な批判を浴びせています。一方、Dean Takahashiさんは自身のプレイングのお粗末さは認めながらも「Cuphead」の難しさをほのめかし、「プレイしてみれば分かる」といった意味合いの主張をしています


 こうした一連の出来事をゲームメディアのAUTOMATONが報じたところ、議論は日本にも広がりました。Twitterでは「うまい必要はないが、ゲームの魅力が伝えられる程度の腕前は必要」「ヘタすぎて紹介になっていない」「腕前以前に、このゲームの基礎的な遊び方を読み解けていないのが問題」といった意見が目立ちます。


 一方で、同作がそもそも難しすぎるのではないかといった指摘も少なくありません。動画をよく見ると、最初のステージからして敵の量が非常に多く、無限に湧いてきます。高速で迫ってくるうえに弾を数発当てないと倒せず、最序盤の難易度としては適切でないように思えます。


 Dean Takahashiさんは本来テクノロジーや業界ニュースに強い記者で、プレイングは本分ではないとの指摘も。「ヘタなりの視点でゲームを紹介できればいいのでは」「うますぎる人にやらせると、難しさゆえの問題点が見えにくくなる」といった意見も散見されます。


 筆者もゲームライター歴20年余なのですが、そこまでうまくはありません。この記事も耳の痛い思いをしながら書いていますが、別にヘタでもヘタなりにゲームの魅力を伝えることはできると考えています。Dean Takahashiさんに非があるとしたら腕前ではなく、同作の難しさしか伝わらないような未編集の動画のみを公開した点でしょう。もしも動画を数分程度に編集したうえで記事に埋め込み、言葉で補足しつつ伝えたのならば、ゲームの魅力も問題点も表現した良いレビューになったかもしれません。

 「Cuphead」はカートゥーン調のかわいらしいキャラクターが生き生きと動くのが魅力的で、筆者も以前から注目していました。既に予約注文しているのですが、本件で難易度の高さを知って今からおびえています。どうかこの記事がブーメランとなって自分に刺さりませんように。

「Cuphead」公式トレーラー

(沓澤真二)


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