「ゲームのエンディング」の持つ意味が変わった? “終わらないゲーム”の時代に思うこと

めでたしめでたし……の時代ではなくなった。

» 2017年09月29日 10時00分 公開
[tocねとらぼ]

 あなたが最近、「ゲームのエンディング」を見たのはいつのことでしょうか? 長年ゲームにハマり続けており、今でも時間を見つけてはプレイしている筆者ですが、ここ数年はエンディングを見る機会が減っているように思います。

 今回は、ゲームの変遷と、それに伴って変わってきたように感じる「エンディングの価値」について考えてみました。

アップデートされ続けるゲームの増加

 インターネット以前、家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機で遊ぶときは、完成したパッケージのゲームソフトを買ってきて本体に挿して遊ぶというのがほとんどでした。「一度買ったゲームは中身が変わらない」というのが当たり前だったわけです。

 一方で現在では、ネット経由でのゲームそのもののアップデートや、いわゆるDLC(ダウンロードコンテンツ)によって、一度発売されたゲームに新要素が追加されることは珍しくなくなりました。新たなステージやキャラクター、アイテムなどが追加されることでゲーム内世界が拡張し、それまでのエンディングの“先”が用意されるようなケースもあります。

 こうした状況では、従来のように「一区切りとしてのエンディング」の意味合いは薄れ、相対的にエンディングの持つ価値が低下してきているのではないか? という仮説です。

「大きいエンディング」から「小さいエンディング」へ

 スマートフォンを利用した移動時間の合間に遊べる「ソーシャルゲーム」の登場と流行も、エンディングの価値を変えた傾向を強めているように感じます。

世界中で人気の「Pokemon GO」。基本無料でも「レイドバトル」などコンテンツが増えている

 従来の大作RPGなどに代表されるように、「一本道のストーリーをなぞって最後に大団円のエンディングにたどりつく」という構造ではなく、ゲームの途中で小さなイベント(クエストとも)をこなし、その都度報酬を受け取るという形式が、ソーシャルゲームでは多く取り入れられています。

 SNSでも「イベントを走る」といった言い方をしている人が多いように、イベントをやり通す事がその人にとってのゲームのゴール(エンディング)に近いものになっているのかもしれません。

「オープンワールド型」ゲームも増えてきた

 また、近年では「オープンワールド」と呼ばれる世界の隅々まで自由に行き来できるようなゲームも増えてきています。

 例えば、2009年に登場した「Minecraft」というサンドボックスゲームがあります。ワールドに登場する全ての土地が立方体の“ブロック”でできていて、プレーヤーは木からツールを作って、洞穴を掘ったり、建物を建てたり、世界を探索したり、自由な遊び方ができるという事で、子どもから大人まで受け入れられている作品です。

 2017年3月に登場した、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」はゼルダの伝説シリーズの最新作です。主人公のリンクが、魔王のガノンを倒すため、ハイラル王国を冒険するという内容ですが、オープンワールドを採用したことでさまざまな攻略方法が登場し、高い自由度を持つRPGゲームとして話題を呼びました。

PC/スマートフォンでプレイ可能な「Minecraft」 アップデートでラスボス・エンディング要素が追加された
Nintendo Switchでプレイ可能な「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」 オープンワールド採用でさまざまな遊び方が楽しめるように

 ゲームのストーリーを通して、エンディングを迎え、その後を楽しむというRPGゲームだけではなく、ゲーム内に用意された多様な要素に触れて世界観を楽しめるようなタイトルが増えていることも、「エンディング」という要素の価値を動かす要因になっているのではないでしょうか。


魔王を倒しても終わらない世界

 上記に挙げたようなタイトル以外の、いわゆる「王道のRPG」においても、エンディングの持つ意味は変容してきているように思います。やり込み要素などを充実させたゲームが増えたことで、「クリアしてからの楽しみ」が大きな比重を占めるようになってきているためです。中には、「エンディングを迎えて、ようやく半分」といったゲームも少なくありません。

 また、ネット上ではたびたび「ラスボスの手前でゲームをやめてしまう病」が“ゲーマーあるある”として語られますが、これなどはまさに、「終わりのあるゲーム」と「終わらないゲーム」の過渡期から見られるようになった現象なのかもしれません。「まだこの世界にひたっていたい」という気持ちと、脇道に反れる要素の多さが、エンディング前でプレイをストップさせる一因になっていたようにも思います。

 ラスボスの大魔王を倒して世界は救われ、勇者は姫と結婚してめでたしめでたし……というような「ベタベタなゲームのエンディング」は、既に過去のものとなってしまったのでしょうか。ゲームのエンディング問題、あなたはどう考えますか?

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」