賞味期限ってどうやって決めるの? 消費期限との違いは?

何を根拠に決めているのか……

» 2018年04月12日 12時00分 公開
[広瀬光太郎ねとらぼ]

 4月も中盤、春のポカポカ陽気につられて公園などでお弁当を食べたくなってしまいますが、気温が高くなると食中毒が起こりやすくなりますので食材の鮮度には気を付けたいものです。

 そこで鮮度の目安となるのが賞味期限や消費期限の表示。普段当たり前に目にするものですが、食材の賞味期限や消費期限っていったい誰がどうやって決めているんでしょうか?



そもそも賞味期限・消費期限とは?

 食品衛生法及びJAS法によると、賞味期限の定義は

『定められた方法により保存した場合において、期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいう。ただし、当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする』

 また消費期限の定義は

『定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日をいう』

 とあります。つまり

  • 品質の劣化が急速に進む食品に表示されているものが消費期限
  • 比較的品質が劣化しにくい食品に表示されているものが賞味期限

 ということですね。


消費期限は切れたら食べちゃダメ!(東京都福祉保健局より)


消費期限の目安はだいたい5日以内(農林水産省・厚生労働省資料より)

賞味期限・消費期限の決め方

 では賞味期限・消費期限はどのように設定されているのでしょうか?

 消費者庁食品表示課によると

『期限の設定は、食品の特性、品質変化の要因や原材料の衛生状態、製造・加工時の衛生管理の状態、容器包装の形態、保存状態等の諸要素を勘案し、科学的・合理的に行う必要があります。このため、期限表示の対象となる食品を一番よく知っている者、すなわち、原則として、

1.輸入食品以外の食品にあっては製造業者、加工業者又は販売業者が、

2.輸入食品にあっては輸入業者が、

責任をもって期限を設定し、表示することとなります。』

 とのこと。

 つまり期限の設定や検査方法については、国や自治体は検査方法のガイドラインを定めてはいるものの、そこから先は食品の情報を正確に把握しているメーカーや輸入業者に任せているということになります。


科学的根拠に基づいて決定されています(東京都福祉保健局より)

 また、代表的な試験・検査方法には

  • 水分量、酸化度合、酸性度合を調べる  「理化学試験」
  • 大腸菌やカビなどの有無を調べる    「微生物試験」
  • 色、香り、味などに変化があるかを調べる 「官能試験」

 の3つがあるようですが全ての試験を行わなければいけないわけではなく

  • みその場合、微生物的に安定だから理化学試験と官能試験のみ
  • 食酢の場合、防腐力があり微生物による品質変化は少ないので官能検査による判断

 というように食品の性質により検査項目を絞り込むことが可能なようです。

 しかし、多くの食品の検査で官能試験が省かれないことや、賞味期限が過ぎた食品であっても色やにおいから判断して食べてもよいとされていることから察するに、結局最後は自分の感覚を信じることが大事と言えそうです。

 ちなみに、日本パスタ協会のガイドラインによると乾燥パスタの賞味期限は製造後約3年ですが、固さや食感は徐々に良くなり1〜2年でピークに達するそうです。確かめてみたくなりますね。



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