Googleも手を引いた「URL短縮サービス」、終了後にユーザーはどうなる?

収益化困難、詐欺への悪用……。

» 2018年04月13日 11時00分 公開
[マッハ・キショ松ねとらぼ]

 先日、Googleによる「goo.gl」で始まるURL短縮サービスが終了することが発表され、注目が集まりました。

 長いURLをコンパクトにしてくれるURL短縮サービスは、知らないうちにお世話になっていることが多いWebサービス。あまり詳しくない人でも「bit.ly」や「t.co」といったドメイン名には何となく見覚えがあるのでは?


Twitter社では単なるURLの字数減というよりも、同機能によるサービス品質向上のために「t.co」を活用しているもよう(Webサイトより)

 しかし、URL短縮サービスが終了すると生成されたURLが無効化され、膨大な数のリンクが使えなくなる恐れがあります。今回のGoogleの撤退に関心が集まったのも、おそらくこのためでしょう。

 このまま運営を続けるわけにはいかない。でも、ユーザーに迷惑をかけるわけにもいかない――今回はそんな葛藤が見え隠れする“URL短縮サービスの散り際”を3パターンに分けて見ていきます。


Twitterに見放され終了→2日後に再開した「tr.im」

 収益化のめどが立たず、Twitterにも見放されてサービス終了……そんな悲しい最後を迎えかけたのが「tr.im」です。

 かつてのTwitterは、URLをそのままツイートの文字数にカウントする仕様になっており、短縮URLは欠かせないものでした。2009年まで、Twitterは「TinyURL」をデフォルトのURL短縮サービスに選んでいましたが、これを当時急成長していた新興サービスである「bit.ly」に切り替えたのです。

 競合サービスである「bit.ly」がTwitterの“お得意様”に選ばれたことで、「tr.im」のユーザーへの求心性は低下。収益化もできておらず、サービスの譲渡先も見つからなかったことから、サービスの終了を決断しました。


現在のtr.imのWebサイト

 しかし、ユーザーにとって心配なのは「サービス終了後、発行された短縮URLはリンク切れになってしまうのか」という点です。

 ユーザーからの声を受け、同サービスは終了発表の2日後に限定的に運営を再開。商用サービスから有志が運営する仕組みへと移行してサービスが継続され、過去に発行したURLも有効なまま残ることになりました。


不正利用を防ぐためURLの全てを無効化した「p.tl」

 短縮URLは「元のURLと異なる文字列になる」という性質上、詐欺サイトへの誘導などに悪用されることがあります。こうした懸念から、サービスの完全終了に至ったケースが「p.tl」。

 運営していたのは日本発のイラスト投稿型SNSとして有名なpixivで、2014年のサービス開始から880万以上のURLを発行しましたが、2014年にURLの新規生成を停止しました。

 問題になったのはその3年後、2017年のこと。サービスを完全に終了し、過去に発行された全ての短縮URLがリンク切れになると発表されてからのことです。理由としては、前述の「不正サイトへの誘導の根本的な抑止」などが挙げられました。


現在もサービス終了のお知らせが掲げられている「p.tl」

 pixiv側は「過去に発行されたURLのうち、99%以上は既にアクセスがない状況」と発表しましたが、それでも「リンク切れしたら困る」という声は根強く、サービス終了の翌月には使えなくなったURLを復元するサービス「p.tlの墓」が登場しました。終了したp.tlは、第三者による転用が行われないよう、引き続きpixivによってドメインが所有されています。


p.tlの墓は、p.tlによる短縮URLを入力すると……


元のURLを表示。ここで開くべきかどうか判断できます(Webサイトより)


ちなみに、今回のリンク先はグーグル画像検索(Webサイトより)


Webコンテンツの探し方が変わった――「goo.gl」

 冒頭で触れたGoogleの件が発表されたのは、2018年3月30日(現地時間)のこと。約10年前に開始した「Google URL Shortener」を、翌年3月末に終了することが告知されました。なお、発行されたURLの無効化については行わないと明言しています。


サービス終了の告知が掲載された「Google URL Shortener」コンソール画面


当初はブラウザのツールバーなどから利用するサービスだった。ちなみに「Google ツールバー」は現在、Google Chromeには非対応なのに、他社のブラウザ(Internet Explorer 6以上)では使えるというちょっと不思議な状態

 終了の理由としてGoogleは、「Webコンテンツの探し方はアプリやモバイル端末、ホームアシスタントなどへと変わっていった」「方向性を改めるためにgoo.glのサポートをやめ、それをFDL(※)に置き換える」と説明しました。

※FDL/Firebase Dynamic Links:スマホアプリ内のコンテンツへのリンクなどに対応した開発者向けサービス)




 2008年頃から2010年頃にかけて、URL短縮サービスは一種の流行のように次々とプレイヤーが参入し、活況を呈していました。当時のWebと言えば、Twitterが大きくユーザー数を伸ばし、Amazonをはじめとするアフィリエイトサービスが市場を拡大していた頃です。

 それから10年、数々のサービスが姿を消していったのは、Googleが説明するようなWebの環境変化が背景にあるといえるでしょう。今回紹介した以外にも、利用不可となりユーザーが困惑したサービスは多くあります。

 ニュースになりやすいサービス開始時だけでなく、あえてそのサービスの散り際にまで注目することで、運営元の考え方やWebの大きな流れをつかむことができるかもしれません。

マッハ・キショ松

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/18/news134.jpg 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  2. /nl/articles/2404/18/news025.jpg 生後5日の赤ちゃん、7歳のお姉ちゃんから初めてミルクをもらうと…… 姉も驚きの反応がかわいい
  3. /nl/articles/2404/18/news057.jpg 9カ月の赤ちゃん、バスで外国人の女の子赤ちゃんと隣り合い…… 人生初のガールズトークに「これは通じあってますね!」「ベビ同士の会話、とろけます」
  4. /nl/articles/2404/17/news037.jpg 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  5. /nl/articles/2404/17/news034.jpg 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
  6. /nl/articles/2404/18/news155.jpg 大谷翔平選手、ハワイに約26億円の別荘を購入 真美子夫人とデコピンとで過ごすかもしれないオフシーズンの拠点に「もうすぐ我が家となる場所」
  7. /nl/articles/2404/17/news179.jpg 「ケンタッキー」新アプリに不満殺到 「酷すぎる」「改悪」の声…… 運営元「大変ご迷惑をおかけした」と謝罪
  8. /nl/articles/2404/16/news192.jpg 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
  9. /nl/articles/2404/17/news129.jpg 「ハーゲンダッツ硬すぎ!」と力を入れたら……! “目を疑う事態”になった1枚がパワー過ぎて約8万いいね
  10. /nl/articles/2404/16/news175.jpg 「そうはならんやろ」をそのまま再現!? 「ガンダムSEED FREEDOM」のズゴックを完全再現したガンプラがすごすぎる
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」