所持金30円で電話ボックスに閉じ込められてしまった男の脱出ゲームが発想の勝利 助けを呼べるのは3回だけ!

試行錯誤をするうちに新たな電話番号が判明。メモをとって何度も挑戦するうちに、真実へ近づく感覚がたまりません。

» 2018年09月03日 22時00分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]

 ゲームクリエイターの加藤匠(@morisoba0121)さんによる自作ゲーム、「公衆電話」がTwitterで好評を博しています。電話で助けを求めて、閉じ込められた公衆電話ボックスから脱出を目指すノベルゲーム。内容はシンプルながら、メモをとりつつ目標へ迫る、アドベンチャーゲームの醍醐味が味わえます。


タイトル ブラウザ版、Windows版、Mac版が用意。筆者がWindows版で試したところ、インストール不要で遊べました(ダウンロードしたファイルを解凍後、「tellphone.exe」から起動)

 酔った主人公が目を覚ますと、そこは電話ボックスの中。扉はびくともせず、真っ暗で周囲の状況も分かりません。スマホは紛失しており、手元にあるのは10円玉3枚のみ。脱出するには目の前の電話を使い、30円分の通話だけで助けを求めるしかありません。


公衆電話 周囲に人の気配もない、真っ暗な電話ボックスに閉じ込められた、絶望的な状況

公衆電話 手持ちは30円だけ

公衆電話 モノローグが終わるとテンキーが表示。3回まで電話をかけられる

 電話をかけるときは選択肢を選ぶわけでなく、画面上のテンキーで番号を自由に入力。手掛かりは何もないので、取りあえず110番にかけてみます。状況が状況だけに、警察へ説明するのも困難で、通話は途中で時間切れになってしまいます。諦めずに110番へかけ続けてみましたが、助けを呼べないまま10円玉が尽きてゲームオーバー(緊急通報用ボタンが壊れているので、無料ではかけられない)。しかし、主人公は薄れゆく意識の中で、最後に親と会話しておけばよかったと、実家の番号を思い出すのでした。これが解決の糸口に……?


公衆電話 まずは110番に電話。117(時報)や177(天気予報)などの3桁ナンバーにはかかりませんでした

公衆電話 状況説明だけで貴重な10円玉を消費してしまい……

公衆電話 警察の助けが来ることもなく、ゲームオーバー。しかしこのあと、次回のプレイの手掛かりとなる情報が

 このように、試行錯誤しているうちに出てくる電話番号をメモするのが同作のキモ。次回のプレイ時には、メモした電話番号をいきなりかけ、新たな展開へ進んでいけるわけです。これをくり返してプレイヤー自身が知識を蓄え、少しずつ話の核心へ迫っていく感覚が面白く、一気にエンディングまで遊んでしまいました。結末にはいくつもの種類があり、マメにメモをとりつつプレイすれば、1時間以内に全てのエンディングが見られるボリュームです。


公衆電話 2回目以降のプレイでは、状況こそ最初に戻っていますが、プレイヤーさえ新たな電話番号を知っていれば、違った展開へ進めるわけです

 同作は、フリーのノベルゲーム製作キット「ティラノスクリプト」や「ティラノビルダー」を使った作品のコンテスト、「TyranoGameFes2018」のエントリー作品。Twitterハッシュタグ「ティラノゲームフェス2018」から、他の作品もたくさん見られます。


(沓澤真二)


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