君そのポージングなんだ?????? 30年以上前に発売されたゼットンのプラモがめちゃくちゃエモい件を語らせてくれ:マシーナリーともコラム
ゼットンは実質池袋晶葉ちゃん……らしい。
バーチャルYouTuber、“マシーナリーとも子”による不定期コラム第3回(連載一覧)。前回のネタ打ち合わせで「2〜30年前に発売されたゼットンのプラモがめちゃくちゃエモいので紹介したい」と言っていたとも子ですが、今回も却下して別のネタを書いてもらおうと思っていたところ、「ゼットンはペンギンみたいでかわいい」「ゼットンは実質池袋晶葉ちゃん」などと意味不明なことを口走りはじめたため、仕方なく今回はゼットンのプラモについて語ってもらうことにしました(ゼットンが池袋晶葉ちゃんかどうかは読者のみなさんの判断にお任せします)。
プラモデル人生で一番好きなのがゼットン
青い海、空。そして緑の大地。この美しい地球はわれわれみんなの手で守っていかねばなりません。
マシーナリーとも子よ。
つかぬことを聞くけど人類はさぁ、いままでクリアするまでにいちばん時間がかかったゲームって、何?
めちゃめちゃ個人的な話なんだけどマシーナリーとも子はスーパーファミコンの「ウルトラマン」なんだよな。開田裕治さんのパッケージイラストが激烈カッチョいいアレよ。あのゲームが発売されたころは「スーファミって画面がキレイでボタンがいっぱいあってスゲ〜〜!」ってころでよ。マシーナリーとも子もアホみたいにプレイしたもんよ。発売されたばっかりのころにプレイした記憶があるから1991年か。
んで、プレイしたことある人は分かると思うんだけどこのスーファミのゲーム、4面の敵のブルトンがめちゃめちゃ強いんだよ……。それまでの敵は飛び蹴りしてりゃ勝てるんだけどブルトンはえげつないダメージの光線とか撃ってきて死ぬの。ふざけんな。当時はどんなに頑張ってもクリアできなくて泣きながら投げたんだけどその後マシーナリーとも子も人間社会のパワーなどを吸収して成長し、数多くのゲームをクリアしたことで自信もつきまして発売から15年たった2006年になってようやくブルトンを倒し、ゲームをクリアすることができました。15年だよ、15年。「ウルトラマンメビウス」放送してたころだよ。
……はい、というわけで今回はそんなウルトラマンよりゼットンのプラモデルがとても良いという話をしていきたいと思います。うん、すまない。スーファミの話は前置きです。あんまり関係ない。いや、ちょっとはあるかな……。このプラモデルのパッケージも開田裕治さんのゼットンだからな。
マシーナリーとも子もまぁご多分に漏れずいろいろ今までの人生でプラモデル作ってきたんだけどそのなかでも一番好きなのがこのバンダイのゼットンのプラモデルだね。まあまあ年代物で、説明書によると発売されたのは1985年らしい。ガンダムで言うと「Zガンダム」とかやってたころだな。
で、このプラモデルのなにがイイかというと、もちろんプラモ自体の出来もいいんだけど全体的に全てがいい。プロダクトとしてイイ。コクがある。まずこの激かっこいいパッケージイラストを見てくれ。背景でウルトラマンが死んでるよ。カッコよすぎる。最高だろ? 片仮名の「ゼットン」より英字表記の「Z-TON」のほうがデッカく書かれてるのもイイよな。そう書くんだ、っていう感動もある。
側面も劇中のカラー写真とか載っててとてもいいです。解説文の「ウルトラマンもたじたじのモンスター。」という表現も最高。たじたじっていうか殺してたじゃん。ウルトラマン前向きに倒れたあとあおむけになってたじゃん。
中身を見てみましょう。パーツは基本的に白で、胸と口(?)の黄色いところはクリアパーツ。説明書は片面の解説と塗り方がカラーで、組み立て方はモノクロなよくあるカンジのやつ。
んで、またこの説明書がとっても味わい深いんだよ……。例えばこのカラー写真を使った「ゼットンカラーガイド」なんだけどさ……。見てよこの写真のキャプション。「どこから見てもカッコイイ宇宙恐竜ゼットン!」と来た。え、何? いや分かる分かる。確かにどこから見てもカッコいいけどスゲー主観ブチ込んできたなビックリした。いや、あんまりこの手のプラモの説明書で「どこから見てもカッコイイ」って表現見ないからさ。ビックリした。
さらにたまらないのは、その右下に2代目ゼットンの写真もポンっと貼り付けてあること。しかもさっきは「どこから見てもカッコいい」と主観まるだしのキャプションが添えられてたのにこっちは「2代目ゼットン。」とめちゃめちゃ塩対応。すごい。「ハッキリとは言わんが俺の言いたいことは……分かるな?」と説明書越しにライターの気持ちが伝わってくるようだ。コミュニケーション!
裏面の解説も、「ゼットンというキャラクターの生態・設定」というよりは「いかにゼットンが類まれな存在で、カッコいいか」を解説しているゼットン大好き文となっており圧力がすごい。そしてやはり2代目について触れている。触れているけど……“やっぱりゼットンも「初代」に限るのだ!”。……disってない! ギリギリ、ギリギリの表現だ! ギリギリdisってないぞ。すごいな。
パーツも観察してみましょう。本キットは固定ポーズのプラモデルで……ちょっと往年のガレージキットっぽさも漂う感じのプラモになっとる。背中のシワとかかなりいい感じじゃねえかよ。脚なんかもヒザに関節いれる必要がないのでキグルミ感強くていいですね。なんかいままで気付かなかったけど、こうして脚だけ切り取られて色もついてない状態だとちょっとレッドキングっぽさもあるよな。プラモデルとして出会ってなかったらゼットンの脚がレッドキングっぽいなんて思うこともなかっただろうし、良かったよ。
ゼットンくん、君そのポージングなんだ???????
パッパカ切り離して、試しに組み立ててみましょう。いきなり腕とかくっつけると工作するのに不便なのでテープで留めて立たせます。
というわけで色こそ塗ってないものの取りあえずゼットンが立ちました。カッコいいですね……ってえっ!?!?! ちょ、ちょ、ゼットンくん! 君そのポージングなんだ???????
いやめちゃめちゃカッコいい。すげーカッコいいよ。パーツの合いはあんまり良くないけど形状とかモールドとかすげ〜いい感じでカッコいいよ。でもさ……そのポーズ……そのポーズさ……。アレじゃん。お前、どう見ても……どう見ても仮面ライダーじゃねえかッッッ!!!
アップで見てみましょう……。…………いや…………仮面ライダーですね。言い逃れなく仮面ライダーだ。どう見てもこれは仮面ライダーの変身ポーズだろ。2号とかV3とかBLACKの変身ポーズだろ。そして君は仮面ライダーじゃなくてウルトラマンの敵キャラだろ。親に向かってなんだその変身ポーズは。
あまりに自信満々にポーズ取ってるから不安になって「もしかしてマシーナリーとも子が覚えてないだけで本編で仮面ライダーっぽいポーズとってるんだっけ?」って「さらばウルトラマン」見てみたけどやっぱりそんなポーズ取ってなかったよ……。ゼットンといえば「両腕を外に広げたポーズ」「光線跳ね返すときの両腕を前に突き出したポーズ」「バリアー貼るときの両腕をあげたポーズ」あたりが定番だよな……。なんで仮面ライダーっぽいポーズを……?
現行商品の「ウルトラ怪獣シリーズ」ソフビと並べてみましょう。ウン! ソフビよりパーツ分割が多いのでプラモのほうは立体感メチャ気持ちいいですね。とくに頭部はシャキっとしててカッコいい! 全身のシワモールドもすばらしい……。なんて、なんてカッコいいゼットンの立体なんだ……。
と、それだけにポージングがマジで謎。と、いうことでこのキット、「ハチャメチャに出来がいいのにポージングが謎」というなかなかない魅力を持っている製品なのです。いや、ホントにポージングだけが謎だわ……。でもこの造形でポージングが普通だったら「普通に出来のいいゼットンだね」で終わりそうなのでこれで正解なのかもしれん。もしかしたら発売当時の模型雑誌とか読むとこのポージングの理由が書いてあったりするんでしょうか。まったく調べがつかなかったので誰か知ってる人いたら教えてください。
というわけであとは適当に作っていく。接着してヤスって〜……。
微妙にスキマとかも空くのパテで埋めて……。
そうこうしてるうちにだんだんヤスった合わせ目付近がツルツルになってきやがる。ゼットンの表面はツルツルではないので適当にシワを新しく彫ったりパテで荒らしたりしてごまかしたりする。このあたりは適当にやってもなんかそれっぽくなるので良い。怪獣の表面はあんまりツルツルでキレイだったりしないので適当にやってもなんかそれっぽくなってくれてありがたい。怪獣最高。ゼットンは宇宙恐竜だけど。宇宙恐竜って何?
あとは色塗っておしまい。いやおしまいじゃなくてまだ結構こまかいのはあるし色塗るまでもいろいろこまかい工程あったんだけど全部解説するとみなさんの一生も終了するのでこんなもんで勘弁してくれや。適当に作ってもそれっぽくなるのでゼットンは……。
はい、というわけでゼットンが完成しました。本当にかっこいいですね。そして変身ポーズ。
じつは右のおっぱいパーツを乾燥させてるときにいろいろ事故がありひん曲がって縮んでしまったのですが完成してみると意外と違和感ありませんね。違和感ないだろ? ないってことにしておいてください。イジられるとサイボーグといえど泣いてしまうので……。
あらためてウルトラ怪獣シリーズのソフビと。並べてみるとやはり胴に入った変身ポーズがジワジワ来るわね……。
と、いうわけでバンダイのゼットンのプラモがめちゃめちゃいいというお話でした。良かっただろ? しばらく再販されてないみたいなので再販してくれねえかな〜〜。ほかにもこのシリーズ、メカゴジラとかキングギドラとかあってけっこう出来いいのが多いんだよな。まぁ中には「初代ゴジラのプラモにVSシリーズのゴジラの頭をつけたプラモ」とか妙なのもあるんだけど……。このゼットンは比較的流通してるみたいで、オークションとかでも1000円くらいで買えるから興味が出た人は探してみてくれよな。ほんじゃな。ジュワッチ。
関連記事
マシーナリーともコラム:補完が見事! 理想の二次創作! 解釈一致!!! なぜ人類はもっとアニメ版「美味しんぼ」の話をしないのか
世界は大体「美味しんぼ」でできている。マシーナリーともコラム:VTuberマシーナリーとも子はなぜPS4「スパイダーマン」のPVで「ウッッッ!!!!!!!!」ってなってエモ死したのか
許せる!「透けちゃダメなものを、あえて透けさせた」 BANDAI SPIRITSがたどり着いた「常識外れのプラモデル」開発秘話(前編)
「『プラモデルにできること』を広げたい」。「キャラクターをどうやって三次元に連れてくるか」 BANDAI SPIRITSが挑む、次元を超えた“変態技術”(後編)
「僕らはキャラクターを三次元に連れてくるために成形を使いたい。そこの差なんです」バンダイ驚異のガンプラ「フミナ先輩」オークションで高騰 定価の3倍以上での取引も
発売前から「バンダイがまた恐ろしいものを発明してしまった」と話題でした。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
昨日の総合アクセスTOP10
全席喫煙可能な喫茶店「THE SMOKIST COFFEE」が話題に シャノアールの担当者に開店の経緯を聞いた
アントニオ猪木、“リハビリ中”の現在の姿を公開 激励相次ぐ「猪木さんは不死身の漢や!」「負ける訳ないやないか」
声優・三石琴乃が北川景子の母役で連ドラ初レギュラー “セラムン”ファン興奮「アニメのウサギと実写のレイちゃんだー!」
花粉症を「完全」に治す薬を作ったはずが…… 優秀すぎた製薬会社社員の末路を描いた創作漫画に鼻水が止まらない
「猫と寝るのは難しい!」 期待したのに猫に去られてしまった飼い主さんを描いた漫画に応援続々
100均で買えるロッカーのミニチュアに天才的な用途発見 推しカプのfigmaを詰めてラブコメあるあるを演出だ
【なんて読む?】今日の難読漢字「刃傷沙汰」
延々流せるやつだ……! Amazonプライム・ビデオ見放題に「世界の車窓から」が登場
ボールが盆栽に直撃!→犯人は野球少年と思いきや? 漫画「雷親父に恋してる女」がシュールなのに魅惑的
炭治郎の水の呼吸を完全再現 風呂場の水や車に積もった雪を使った“合成なし”のフィギュア写真が超クオリティ
先週の総合アクセスTOP10
- 指原莉乃、すっぴんからのメイク動画が1日で100万再生を突破 「プレゼンがすごく上手くてビックリ」と高評価も続々
- お水を飲みたいカラスさんがとった行動とは……? 人間に“ある方法”でお願いするカラスが賢くてかわいい
- 菊地亜美、体調不良の原因は「赤ちゃんと同じような大きさの…」 RIZAP10キロ減から2年で襲った悲劇
- アンガ田中、「みなおか」で買わされた“高級腕時計”を披露 438万円→800万円に価値高騰で「欲しがるコレクターもたくさん」と反響
- 息子が「パパ」と言って指さしたのは……? 親子でバスに乗ったときのエピソードを描いた漫画がジワジワ面白い
- アントニオ猪木、“リハビリ中”の現在の姿を公開 激励相次ぐ「猪木さんは不死身の漢や!」「負ける訳ないやないか」
- 「綺麗で腰抜かした」「シワ少ない!!」 67歳の研ナオコ、華やかメイク動画で披露したすっぴん姿に反響
- 実家に「ねこ様元気?」と聞いた結果…… やりたい放題のお猫さまが笑ってしまうかわいさ
- 保護した子ネコに「寂しくないように」とあげたヌイグルミ お留守番後に見せた子ネコの姿に涙が出る
- インコさんが逆さまのまま「すやぁ……」 衝撃の寝相で爆睡するインコが面白かわいい
先月の総合アクセスTOP10
- 「訃報」「愛猫」「手風琴」って読める? 常用漢字表に掲載されている“難読漢字”
- 痩せたらこんなに変わるのか 丸山桂里奈、現役時代の姿が別人過ぎて「誰かわからん」の声殺到
- 保護した子ネコに「寂しくないように」とあげたヌイグルミ お留守番後に見せた子ネコの姿に涙が出る
- セーラーサターンの変身シーン、四半世紀を経てアニメ初公開にネット湧く 「ついに公式が」「感謝しかない」
- 「髪型体型全て違う」 丸山桂里奈、引退直後のセルフ写真にツッコミ 4年前のスレンダーな姿に「今も輝いててかわいい」の声も
- 鳥取砂丘から古い「ファンタグレープ」の空き缶が出土 → 情報を募った結果とても貴重なものと判明 ファンタ公式も反応
- 「マジで助けてくれ」 試験中止で教授に“リスのさんすうノート”を提出することになった大学生に爆笑
- 「140秒とは思えない満足感」「なぜこれだけの傑作が埋もれているのか」 崩壊した日本を旅する“最後の動画配信者”のショートフィルムが話題
- 「化粧! 今すぐ落としてこい!」 男性教師に怒鳴られる生徒をかばう女性教師を描いた漫画に納得と感謝の声
- 畠山愛理、いま着たらピチピチなレオタードを公開 「とんでもなく可愛い」「見惚れてしまいました」と反響