【ネタバレ注意】ネット騒然「DELTARUNE(デルタルーン)」とは何だったのか 「Undertale」作者が仕掛けた48時間の“祭り”を振り返る

「Undertale」作者らしい、まさに魔法のような48時間でした。

» 2018年11月02日 08時30分 公開
[ねとらぼ]

 名作RPG「Undertale」の作者、トビー・フォックス氏(@tobyfox)は10月31日、前日に予告していた「見セタイ モノ」を、宣言通り発表しました。

 しかし、「…出デヨ! DELTARUNE !」というツイートとともに公開されたのは、「24時間はプログラムの内容について、公の場での言及は控えてください」という意味深なメッセージと、謎のプログラム「DELTARUNE(デルタルーン)」ダウンロードリンク。あまりに突然かつ意味不明な発表に、Twitterは一時かなりの混乱に陥りました。



 果たして「DELTARUNE」とは何だったのか、「Undertale」の作者は一体何を仕掛けようとしたのか。予告から48時間、プログラム公開から24時間が経過した今、あらためてこれまでの動きを振り返ってみます。


DELTARUNE 公開された「DELTARUNE」のダウンロードサイト












※以下、一部「DELTARUNE」のネタバレを含みます! もし何も知識がない状態で楽しみたい場合、今すぐここでページを閉じてください













10月30日21時24分〜 謎の予告ツイートを連投

 「Undertale」公式Twitter(@UndertaleJP)が突如、真っ黒なアイコンとアカウント名になり、「ヨウコソ」「アナタニ 見セタイ モノガ アリマス」「タダシ ソレハ マダ 未完成デス」など意味深なツイートを連投。ツイートでは「[24]時間後ニ 再ビ ココヲ 訪レテ クダサイ」「ソノサイ 私カラ アナタニ イクツカ 質問ヲ シマス」などと呼びかけたのち、22時00分の投稿を最後にいったんは終了。その内容から、「見せたいもの……まさか続編!?」「質問とは」「クラウドファンディングの発表とか」などさまざまな臆測を呼びました。



10月31日21時45分〜 予告通りツイートを再開

 前日の予告から24時間が経過し、再び「Undertale」公式Twitterがツイート連投を開始。「大変 長ラク オ待タセ シマシタ」という最初のツイートは、投稿からわずか数十秒で1000RTを超えるなど、すさまじい勢いでリツイートされていきました。



10月31日22時00分 「…出デヨ! DELTARUNE !」

 そして22時00分(前日の最後の投稿からちょうど24時間後)、いくつかのツイートの後に投稿されたのは、「イザ… …出デヨ! DELTARUNE !」というメッセージと、謎のサイト「deltarune.jp」へのリンクでした。Twitterはたちまち「デルタルーンって何!?」「Undertaleのアナグラム?」など騒然。なお、この時点ではまだ「DELTARUNE」が何なのか、そもそもゲームなのかどうかさえ一切言及されていませんでした。



不穏なサイト「deltarune.jp」

 公開されたサイトにアクセスすると、「ヨウコソ 最後の 警告デス。ゴ熟読ヲ」というまたも意味深なメッセージが。そこには「治安維持のため、今後24時間は、本プログラムの内容について、公の場での言及は控えてください」「これから起こることのすべてを、受け入れていただきます」といった注意書きとともに、謎のプログラムのダウンロードリンクが貼られていました。

 配布されていたファイル名は、「SURVEY_PROGRAM_WINDOWS_JAPANESE.exe」(Windows版)。「SURVEY_PROGRAM」ということは、何らかの調査(survey)を行うプログラム……?


DELTARUNE 24時間のネタバレを禁ずる注意書き

DELTARUNE 配布されていた「SURVEY PROGRAM」

配布されたプログラムの正体は……

 インストール中にも「これから起こることを全て受け入れていただきます」など不穏なメッセージが表示されましたが、取りあえず無事にインストール完了。プログラムが起動すると、突如謎のキャラクターメイキングが始まりました。


DELTARUNE インストール中にも「KOREKARA OKORU KOTONO SUBETE WO UKEIRETE ITADAKIMASU.」という不穏すぎるメッセージ

 メイキングでは、「器」と呼ばれるキャラクターを作成。頭や胴体といった外見のほか、好きな味、好きな色などを言われるがままに選択していきます。いくつかの質問に答え、キャラクターが完成すると、いかにも「Undertale」らしい、毒のある演出とともに場面が転換。すると……。


DELTARUNE よく分からないまま始まるキャラメイキング

突然のゲームスタート、まさか「Undertale」の続編か

 画面が切り替わると、そこは主人公の自室。クリスと呼ばれる主人公がベッドから起き上がると、普通に「Undertale」ライクなゲームが始まりました。そういう演出? 体験版? まさか正統続編? と混乱しつつも主人公を操作していくと、ゲームは普通にどこまでも進んでいきます(筆者はここでやっとこのプログラムが「ゲーム」だったことに気付いた)。


DELTARUNE !!?

DELTARUNE すぐ終わるかと思いきや、20、30分と遊んでも全然終わる気配がない

 ここから先の「ゲーム」の内容については、ネタバレになってしまうのと、考察の余地があまりにも多いことも踏まえ、あえて詳しく説明するのは控えておきます(一応クリアまではプレイ)。しかし、前作「Undertale」のキャラクターが随所に登場したり、「Undertale」をさらに進化させたようなバトルシステムを採用していたりと、「Undertale」の続編的作品であることは間違いなさそう。しかし、この世界が一体どこなのか、前作の続きなのか、それとも前日譚なのか、まだまだ謎は多く残されています。


DELTARUNE いかにも「Undertale」っぽい謎解き

DELTARUNE いかにも「Undertale」っぽいバトル

10月31日22時 ネタバレ解禁

 そして11月1日21時47分(「DELTARUNE」配布開始から約24時間後)、再び「Undertale」公式がユーザーに向けてツイートを投稿。「『DELTARUNE』をプレイしていただき、ありがとうございます。 これより、通常運営にもどります」とのメッセージとともに、アカウント名は「UNDERTALE / DELTARUNE」に。アイコンもデルタルーンの紋章(?)へと変更されました。



 併せてサイトも更新され、トップページには「DELTARUNE」のロゴと「Chapter 1」の文字が。ネタバレ禁止の注意書きもなくなり、Twitterではせきを切ったように「DELTARUNE」の内容についてのツイートがあふれはじめました。

 最初の予告ツイートから48時間、ここまでが今回起こったことです。


DELTARUNE 現在の「deltarune.jp」。ネタバレ解禁とともにデジタルサウンドトラックも販売開始

トビー・フォックス氏の掌の上で踊らされた48時間

 1人の「Undertale」ファンとして、この2日間を振り返ってみると、まさにトビー・フォックス氏の掌の上で面白いように踊らされた、祭りのような48時間でした。またSNS上でも「DELTARUNE」がトレンドワードに入るなど、インターネットそのものがまんまとトビー・フォックス氏によってジャックされたような状態でした。

 「Undertale」を生んだ作者が次はどんな魔法を見せてくれるのか、あの衝撃のラストからどう「Chapter 2」につながるのか。ネタバレが解禁され、ファンの話題は既に「DELTARUNE」そのものへの驚きから、前作「Undertale」との関連など内容の考察や、“裏ボス”の討伐報告などへ移りつつあるようです。


DELTARUNE 「DELTARUNE」のツイート数推移(Yahoo!リアルタイム検索より)

DELTARUNE 敵だけど多分人気が出そうな「K.ラウンド」

※トビー氏のツイートによると、「DELTARUNEのアンインストーラーは、そのファイルのあるディレクトリをすべて削除してしまうようです」とのこと。インストールした場所によっては重大な事態を招きかねないため、ソフトをもし削除する場合、アンインストーラーは使わないように呼びかけています




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