ニュース
» 2018年06月27日 17時45分 公開

「穴になる」というコンセプトが酷似 人気沸騰中のゲーム「Hole.io」にインディーゲーム開発者から“アイデアを盗られた”と嘆きの声

「Donut County」と「Hole.io」のコンセプトが酷似している。

[Minoru Umise,AUTOMATON]
AUTOMATON


Hole.io Donut County

 モバイルゲーム「Hole.io」が、全世界で話題沸騰中だ。日本やアメリカ、カナダやイギリスやイタリアなど世界の主要国にて、無料ダウンロードランキングでトップ5圏内にランクインしており、世界的に人気を博している。意欲的なコンセプトが評価され、多くのプレイヤーに遊ばれているようにも見えるが、今回のヒットの背景には複雑な問題が絡んでいるようだ。


Hole.io Donut County 「Hole.io」

 「Hole.io」はVoodooから配信されている、iOS/Android向けの基本プレイ無料のモバイルゲームだ。プレイヤーは、“穴”となり街中に存在するさまざまなオブジェクトを飲み込んでいく。ゲーム開始時点では穴は小さく、人や消火栓といったコンパクトなオブジェクトしか飲み込めない。しかし、これらのオブジェクトを飲み込むうちに、穴は拡大されていき、たちまち車や家など巨大な物も飲み込めるようになる。オブジェクトの大きさによってポイントが決まっており、大きな物を飲み込むほどポイントが高まり穴も大きくなっていく。ゲームにはリアルタイム対戦が採用されており、他プレイヤーもまた穴を大きくしようとしている。彼らと競いながら、どれだけ穴を拡げポイントを稼げるかというのが本作の目的となる。

 実際にプレイしてみたが、穴を落としていくプロセスはシンプルに爽快だ。ちょっとした物理演算の要素も導入されており、傾きを変えることで無理やり大きなオブジェクトを飲み込むこともできる。ひとつのオブジェクトを穴に入れることも、多くのオブジェクトを飲み込んでいくのも等しく楽しい。Voodooタイトルということで、広告山盛りな点は若干気になるものの、ひたすらオブジェクトを飲み込んでいくゲームプレイはシンプルに楽しい。ただ、この「穴に物を落とし大きくしていく」というテーマは、以前にもほかの作品が注目を集めていた。

 注目を集めたタイトルとは、インディーゲーム「Donut County」だ。「Donut County」とは、個人開発者Ben Esposito氏が2012年より開発する「穴」になるアドベンチャーゲーム(関連記事)。PS4/Xbox One/PC/モバイル向けの発売を予定している。プレイヤーは穴となり、移動しながら物・人・木々・建物を飲み込んでいく。物を飲み込むことで穴は広がっていき、さらに大きな物を飲み込めるようになる。穴に飲み込んだものは吐き出すことも可能で、物同士を組み合わせてパズルも解くこともある。こうした説明を聞いても分かるように、「Donut County」と「Hole.io」のコンセプトは酷似している。2015年のGDCにて正式に発表されて以来、「Donut County」は数多くのゲームメディアに取り上げられ、脚光を浴びた。このタイミングでリリースされた同じコンセプトのゲームが、「Donut County」を知らないとは考えづらい。

 こうした事態を受け、「Donut County」の開発者Esposito氏が自身のTwitterにて声明を出した。氏は、自身のタイトルのクローンゲームである「Hole.io」がApp Storeのトップを飾っていると報告。5年をかけて人々に訴求してきたアイデアが盗作されたことに無念さを見せつつ、自分にできることは「Donut County」を完成させることであると述べている。また、「Hole.io」とコンセプトは似通っているものの、こちらはカジュアルゲームであることに対し「Donut County」はストーリーベースのパズルゲームであると違いがあることも強調している。5年かけて作っているユニークでユーモアにあふれ、苦しみながら生み出しており、まねできないだろうと“本物”であることに自信を見せている。

 一方で、氏は「Hole.io」について語るつもりはなかったとしながら、Voodooがこうした動きを見せていることを懸念している。Voodooは、ゴールドマン・サックスから200億円の出資を受けた大手パブリッシャーだ。シンプルながらとっつきやすい無料アプリを大量にリリースし、広告収入やユーザーの行動トラッキングなどで大きな利益を得ている。企画案を積極的に出し、継続率をテストして、ゲームをパブリッシュするという、彼らのアルゴリズムに基づいた開発アプローチは、たくさんの成功作品を生み出している。だが、こうしたアプローチは、「Hole.io」のような模倣品制作を他の開発者に推奨することにもなると、Esposito氏は不安視しているのだ。


Hole.io Donut County

 プレイヤーが穴となり、物を飲み込む。そしてそれを大きくしていくという考え自体は、Esposito氏だけしか発案できないアイデアとはいえない。しかし、「Donut County」は少なくとも「穴」というアイデアをゲームに落とし込み、多くの注目を集めて需要があることを証明した。同じようなコンセプトの“後発”作品である「Hole.io」が世界的なヒットを記録しているのを見れば、Esposito氏が複雑な心境を抱えるのは理解できるだろう。ただ、「Hole.io」自体は極めてシンプルなゲーム性となっており、飽きが来るのは比較的早い。「Donut County」が多くのプレイヤーを魅了したシステムを掘り下げているなら、うまく差別化しアピールできるかもしれない。

 近年、インディーゲームの盗作とされる事例が多く生まれてきている。「Yandere Simulator」では、同じようなアセットを使った、美少女が学校で暴れるというテーマのモバイルゲームが数多く生まれており、開発者の気をめいらせている。「Death Trash」開発者もまたSteamゲーム「FukTopia」に世界観や設定を盗用されたと訴えかける事件があった(関連記事)。ただし、「Hole.io」も含めて、法廷で決着をつけなければ、正式に盗作を認定することはできない。ユニークなアイデアで注目を集めたインディー作品の開発が長期化すれば、似たコンセプトの作品がリリースされる可能性は高まっていく。Esposito氏が決意として語ったように、そうした作品においては、完成させることこそが最大の盗作対策になるのだろう。

関連記事

Copyright (C) AUTOMATON. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2205/25/news162.jpg この写真の中に1人の自衛隊員が隠れています 自衛隊が出したクイズが難問すぎる……「答え見ても分からない」と人気
  2. /nl/articles/2205/28/news020.jpg 「トップガン」はなぜ「トップガン」なのか? 「トップガン マーヴェリック」でオタクが悲鳴を上げ歓喜した理由
  3. /nl/articles/2205/28/news071.jpg 幸せそうな顔だ! 久慈暁子、結婚発表後初のインスタ更新で夫・渡邊雄太見守る観戦中の笑顔ショット公開
  4. /nl/articles/2205/27/news130.jpg 鳥居みゆき、キャンプを楽しむ1枚に青白い顔 “ホラー風”ショットに「全く知らずに見たら怖すぎる」
  5. /nl/articles/2205/27/news012.jpg 利害が一致した柴犬&子猫コンビ “ごはん”のときだけ息が合う姿に「見事なシンクロw」「笑っちゃいました」の声
  6. /nl/articles/2205/28/news068.jpg 胃がんステージ4のバレー代表・藤井直伸、清水邦広&福澤達哉と再会ショット つらい治療の中で「最高の薬です!」
  7. /nl/articles/1809/23/news019.jpg 炊飯器いっぱいに炊けまくった米…! 「5.5合炊いて」が生んだ悲劇に「全米が泣いた」「笑いすぎてしんどい」
  8. /nl/articles/2205/28/news065.jpg 漫画家急病でセクシーな女性がサツマイモの画に 「単行本では必ず修正します」
  9. /nl/articles/2205/27/news033.jpg 禍々しい136体の妖怪像が話題 学芸員が「なんのために作れられたのか不明」「類例は見つからず」という造形物が謎すぎる
  10. /nl/articles/2205/28/news063.jpg ともさかりえ、「キンキーブーツ」応援で“一方的な攻撃”受ける 根拠もないうわさで「金田一の頃も苦しめられた」

先週の総合アクセスTOP10

  1. 誰にもバレずに20年 別荘を解体中にバスルームから“とんでもないモノ”が見つかる 「わけがわからない」と困惑
  2. 「チコちゃん」マナー講師が炎上で、エガちゃんの株が上がってしまう 「エンタメの見本」「エガちゃんはやっぱり偉大」
  3. 「だめだお腹痛い」「大爆笑しました」 榎並大二郎アナ、加藤綾子に贈った“ガチャピン人形”が悲惨な姿になってしまう
  4. ジャガー横田、愛車・BMWが高速手前でエンスト 九死に一生も原因不明の故障に「新車でまだ一年半なのに…」
  5. 「志摩スペイン村」微塵も人がいないのに突如トレンド入り 「にじさんじ」周央サンゴの“正直すぎるレポ”で話題に
  6. キンコン西野、“勝手に出された婚姻届”にまさかの展開 証人欄にはお世話になっている「森田一義って名前が」
  7. 「ゆっくり茶番劇」商標取得者の所属コミュニティーが声明 商標権の完全放棄を要求
  8. 中村江里子、174センチの長女&181センチの中学生長男に驚く声 「足ながっ!!」「モデルになれそう」
  9. 「志摩スペイン村」がトレンド入り→公式ホテルの予約が急増とさらなる展開へ 広報「すごいことが起こっているぞと思った」
  10. 華原朋美、デザイン手掛けた黒ミニドレスを披露 「本当に痩せて綺麗になって」「全てが可愛すぎました」と反響