Twitter新プロダクト責任者が語るTwitterの「4本の柱」 新機能への言及も

Periscopeの共同創業者で、Twitterのプロダクトリードに就任したケイヴォン・ベイポーさんを取材しました。

» 2018年11月15日 21時30分 公開
[福田瑠千代ねとらぼ]

 Twitterのプロダクト戦略を統括するケイヴォン・ベイポー(Kayvon Beykpour‏)さんが11月15日、6月の就任後初めて来日し、メディア向けの共同取材でTwitterの今後のビジョンについて語りました。以下、約1時間の共同インタビューと、その後に行った20分程度の個別取材の模様をお伝えします。


Twitter ケイヴォン・ベイポーさん


Twitterの4本柱

 ベイポーさんは共同インタビューの中で、現在Twitterの指針となっている“4つの柱”について説明。挙げられたキーワードは<健全性>、<会話>、<情報の把握のしやすさ>、<ユーザーからのフィードバック>。

 特に日本のユーザーが関心を寄せそうだったのが、最後に挙がった<フィードバック>について。「日本でのTwitterの使われ方が世界の使われ方になっている」と語るほど、日本の市場を重要視しているというベイポーさん。ハッシュタグ、「@」、「リツイート」といったTwitterの基本機能も、当初はユーザーの自然発生的な利用方を参考に実装したものだったことに触れ、今後予定している新機能として“重要なツイートを上位に表示させるモードと、旧来の時系列順で表示するモードの簡単切り替え機能”を紹介しました(関連記事)。



 ツイートを時系列順に表示できるようにしてほしいという意見は、日本のユーザーからも根強かったもの。9月には「設定とプライバシー→コンテンツ設定→重要なツイートをトップに表示」の手順で時系列順の表示に切り替えるようになりましたが(関連記事)、それがよりカジュアルに変更できるようになります。

 新機能では、アプリ右上に常時表示されるスイッチをタップすることで、手軽に「重要ツイート表示」のオン/オフを切り替えられるように。これは利用シーンが異なるユーザーに応えるためでもあるとベイポーさん。

 普段は細かくツイートをチェックしていて時系列順で見たい人でも、しばらく見ていなかったときにはハイライト機能でより効率よく情報がキャッチアップできるようになると、その利便性について説明しました。同機能はまだテスト中で、一部のユーザーに試験的に開放している段階ですが、できれば年内にも正式リリースしたいとのこと。


Twitter

 次に目新しかったのは3番目の柱、<情報の把握のしやすさ>について。例えばあるスポーツについて正確な情報を得ようとする場合、従来であればチームや選手の公式アカウントに加えて、ジャーナリストといった有識者など、有益なアカウントを複数フォローする必要がありました。

 そんな中、Twitter初心者にも同じように情報を共有してもらう方法として考案されたのが、今後実装を予定している「イベント(Events)」機能。トピックごとにTwitterのキュレーションチームが現在のモーメントのようなツイートまとめを作成。冒頭には動画が表示できる仕様になっており、アプリ上で画面をスクロールすると動画画面が小さく縮小され、スクロールに合わせて表示され続けます。これにより、動画の情報とツイートのまとめを同時に閲覧することが可能に。

 このイベント機能に代表されるように、「そこだけ見れば情報が集まる状態にする」ことを目標に、ユーザーが情報を収集しやすくする工夫を進めていくとのこと。Twitterは2015年に動画配信アプリ「Periscope」を買収しており、ベイポーさんはその共同創業者でもあります。そのベイポーさんがプロダクトリードに就任したことにより、Twitterが動画コンテンツとの融合を推進するのは自然な流れに思えます。


Twitter 新機能を実演するベイポーさん

 残る2つの柱が、<健全性(Health)>と<会話(Conversation)>

 <健全性>は同社が3月以降大々的に取り組んでいるもの。Twitterを公共的な場として、安心して会話できるようにする重要性――具体的には、スパムや誹謗中傷を繰り返すアカウントを運営に報告し、ブロックできる体制の構築などが挙げられていました。また、<会話>については読んで字のごとく、コミュニケーションこそがTwitterの強みであるということ。Twitterでは「誰かが“燃料(Fuel)”となるツイートを投稿して初めて活発な会話が展開される」として、シンプルに誰でも会話に入れる枠組み作りに今後も取り組んでいくとしました。



「TikTok」の方向性ではない

 短い時間ながら、個別取材をする機会にも恵まれました。既に触れた通り、ベイポーさんはPeriscopeの創業者でもあるため、まずはPeriscopeがTwitter傘下になってからどのように変化したかを伺いました。

 Periscopeは当初、24時間で動画が消える仕様だったといいますが、リリースから半年ほどで動画はデフォルトで自動削除されない仕様に変更されました。結果的に動画配信では「より重要な発言がされるようになった」と、ベイポーさん。

 さらに2018年に一気に存在感を増した動画主体のSNS「TikTok」の存在についても聞いてみると「楽しいアプリですが、ライブ配信を行うPeriscopeとは性質が異なります」と回答。「レコメンド機能がすばらしい点はエンジニアとして興味がそそられますが、私からTikTokに意見する立場にはないですよ」と、Twitterが目指す動画の活用がTikTokの方向性とは異なることを強調しました。


Twitter

 なお、2017年1月にサービスが終了した「Vine」のような機能の復活の可能性についても聞いてみたところ「VineもTikTokのように楽しくクリエイティビティあふれるアプリでしたが、現在のTwitterとは方向性が違います」と、復活をきっぱり否定。あらためて、シンプルかつ健全性を重視したサービスを目指していく姿勢をのぞかせました。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/07/news024.jpg 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  2. /nl/articles/2412/07/news039.jpg コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  3. /nl/articles/2412/05/news178.jpg イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  4. /nl/articles/2412/07/news020.jpg “ひっつき虫”を簡単に取るには…… 身近なアイテムでスッキリするライフハックに「これでイライラしないで取れる」「今度、やってみます」
  5. /nl/articles/2412/07/news018.jpg 赤い毛糸3玉をどんどん編んでいくと……? 完成した“冬のオシャレアイテム”に「わかりやすくて感謝」「編んでみたい!」
  6. /nl/articles/2412/07/news031.jpg マッチョなザクが「ガンプラコンテスト」で大賞受賞 内部に秘密の仕掛けがぎっしり 「誰もが納得の大賞」「これぞオラザク」
  7. /nl/articles/2410/19/news010.jpg 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  8. /nl/articles/2412/01/news003.jpg パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  9. /nl/articles/2412/06/news205.jpg 辻希美、長女・希空の幼少期ショット初公開 赤ちゃんの弟を抱っこする、幼いにっこり笑顔がかわいい
  10. /nl/articles/2412/07/news004.jpg 「成長してる!」 小6→中2までドット絵を描き続けたら……? 3年間の変化に「かわいらしい」「うますぎ」
先週の総合アクセスTOP10
  1. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  2. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  3. 「中学生で妊娠」した“14歳の母”、「相手は逃げ腰」妊娠発覚からの経緯を赤裸々告白 母親の“意外な反応”も明かす
  4. 勇者一行が壊滅、1人残った僧侶の選択は……? 「ドラクエでのピンチ」描くイラストに共感「生還できると脳汁」
  5. 「笑い止まらん」 海外産アプリで表示された“まさかの日本語”に不意打ち受ける人続出 「何があったんだw」
  6. パパが好きすぎる元保護子猫、畑仕事中もくっついて離れない姿が「可愛すぎる」と反響 2年以上がたった現在は……飼い主に話を聞いた
  7. アグネス・チャン、米国の自宅が“度を超えた面積”すぎた……ゴルフ場内に立地&門から徒歩5分の豪邸にスタッフ困惑「入っていいのかな」
  8. 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
  9. 「車が憎い」 “科捜研”出演俳優、交通事故で死去 兄が悲痛のコメント「忘れないでください」
  10. PCで「Windowsキー+左右矢印キー」を押すと? アッと驚く隠れた便利機能に「スゲー便利」「知らなかった」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」