人間の食欲は無限だーー本能が危険と訴えるほどの異臭を放つ“世界一臭い“「シュールストレミング」を食べてみた:チョーヒカルのゲテモノデート(2/2 ページ)
しかし、シュールストレミングを本当の意味で知ることとなったのは食べてから。
かめばかむほど臭い!!!!
パンにジャガイモ、玉ねぎ、シュールストレミング、サワークリームを添えて、おいしそうな見た目をしているのに、臭い。どうしても臭い。臭い以外の感情がわき上がってこない。味は、強いてあげるとしたら、アンチョビーをさらに塩辛くしたようなものですが、飲み込んで、安心したのもつかの間、吐く息が臭いという地獄のループに陥ってしまい、食べ物を食べているはずなのに、どんどんと食欲が減退するという不思議体験をしました。
そもそもゲテモノとは、一般的に風変わりで、なじみのない食べ物のことを指しますが、私たちが嫌み嫌っているだけで、それをおいしく食べている人もいます。逆もまたしかり。シュールストレミングも伝統的な食べ物とされている他、現地では“シュールストレミング祭り“が開かれるなど、古くから愛され続けています。
今回、シュールストレミングを食べた人の中にも、「酒のつまみにいいかも」と言い出す人も。これだけ強烈な匂いを放ち、脳が食べ物と認識していないにもかかわらず、その中に“おいしさ“を見いだそうとする人間の食への貪欲(どんよく)っぷりを垣間見た一方、そうした食欲の際限の無さが私たちの食生活を豊かにしているのかもしれないと感じました。
チョーのあとがき
ああ、とうとう来てしまいましたね、ゲテモノデート最終回。来ないでほしいと思っても来てしまうのが最終回。締め切りを破りまくり、ノトさんを泣かせ続けるのもこれが最後かと思うと切ないものです。
というわけで今回は、「ゲテモノ」といえば真っ先に思い浮かぶほどの王道、シュールストレミングスに挑戦です。世界一くさい缶詰です。
え? もう、やられ尽くされてるんじゃないかって? 手あか付きまくりでいまさら面白くないんじゃないかって?
多分そうですね!! (おい)
でも、終われないんです。シュールストレミングスを食べずに、ゲテモノ連載は終われないでしょう!! シュールストレミングスを食べたことのある側の人間になりたい!! ということで意気込み、事前にいろんな下調べをして、異臭で通報されたらどうしよう? くらいのびびり具合で挑んだんですが、割とイケました。
いや、ウソですね、イケてはない。イケてはいないですが、ビビるほどの恐ろしい食べ物ではなかったです。本場スウェーデンではこれにスピリットを合わせるとか。
ただ缶の汁は本当にダメでした。口に入れた瞬間、体が「これはダメです」と飲み込むのを拒否しました。みんな食べるとどこかにフラフラ歩いてどこかへ行ってしまうという奇病にかかっていました。今まで食べたゲテモノの中で、なんだかんだやっぱり一番パワフルだったと思います。
ゲテモノは、その食材であれ味であれ、やっぱり人を楽しくさせる要素が詰まっていますね。友人一同、ハイになってずっと大爆笑しながら食べていました。夜の公園でごみ袋をまとった集団がゲラゲラ笑いながらくさい魚を食べていたのって、今思うとめちゃくちゃ怪しいですが、個人的には最高の思い出です。
まずかったとか臭かったとかの感想含めて、楽しい。シュールストレミングス最高。
ああゲテモノデート。連載が終わっても私はゲテモノを食べ続けます。みなさんもこれを通して、なにか挑戦してみたいな〜と思ってもらえたら、何よりうれしいです。
今まで読んでいただいてありがとうございました! またどこかで!!
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本物の脳みそも見せてくれました。
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