みどりの窓口って、なんで「みどり」なの?

あかの窓口、しろの窓口……どれもしっくりこない。

» 2018年12月20日 11時30分 公開
[QuizKnockねとらぼ]

 SuicaやPASMOといったICカード乗車券が当たり前となり、きっぷを買う機会はめっきり減りました。それでも新幹線や特急を利用する際には、駅で買うという人がまだまだ多いのではないでしょうか?

 そんなときに利用するのは、みどりの窓口です。



 でもなぜ「みどり」の窓口なのでしょう? 目立つ色なら「きいろ」や「ピンク」でも構わないはずです。またきっぷを売っているだけなら「きっぷ」の窓口でもいいのでは?


「みどり」はきっぷの色

 そもそも、みどりの窓口とは、マルス端末によって指定券などを販売する窓口を指します。このマルス(MARS)というのはオンラインの座席予約システムのことです。

 当時、事前に印刷されたきっぷの色が青や赤であることが多かったのに対し、マルス端末によって発券されたきっぷは緑でした。マルス端末のある指定券などを売る窓口と、マルス端末のない自由席や定期券を扱う窓口と区別する必要があり、マルス端末をそなえた窓口は「みどりの窓口」と呼ばれるようになりました。


マルス以前は台帳で管理

 みどりの窓口がはじめて設置されたのは、このマルスが全国に導入された1965年のことでした。

 それまでの指定券は管理センターにある台帳で列車ごとに管理され、窓口からの電話連絡によって空席照会や予約をしていました。

 この方式では、電話を受けると中華料理店にあるような回転卓から台帳を探し、手作業で発売済みの記帳をしなければなりません。当然これでは発券に時間がかかり、半日も待たされたり、取り消しのミスによってダブルブッキングが発生したりしました。

 このような状況を改善するためマルスの開発がスタートしましたが、インターネットがなくコンピュータもほとんど普及していなかった時代だったため、開発は困難を極めました。1960年にようやくマルスの商用利用が開始され、大幅な時間短縮に成功しました。


みどりには安心感もある

 鉄道で緑というと、もう1つ連想されるのはグリーン車です。これは一等車や二等車と等級によって客車が分けられていた時代に、一等車の車体の帯が緑であったことに由来します。



 このようにJRのサービスには緑が多く登場しますが、色彩に関する研究によると、緑には安心や癒しなどを連想させる効果があるといわれています。緑がシンボルや名称として使われる理由には、そうした気持ちを提供したいというJRの意図もあるのかもしれませんね。

参考文献

高橋政士(2006)『詳解鉄道用語辞典』山海堂

栗原景(2018)『テツ語辞典』誠文堂新光社


制作協力

QuizKnock


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/21/news189.jpg 「大物すぎ」「うそだろ」 活動中だった“美少女新人VTuber”の「衝撃的な正体」が判明 「想像の斜め上を行く正体」
  2. /nl/articles/2411/22/news014.jpg 川で拾った普通の石ころ→磨いたら……? まさかの“正体”にびっくり「間違いなく価値がある」「別の惑星を見ているよう」【米】
  3. /nl/articles/2411/22/news114.jpg 中村雅俊と五十嵐淳子の三女・里砂、2年間乗る“ピッカピカな愛車”との2ショを初公開 2023年には小型船舶免許1級を取得
  4. /nl/articles/2411/21/news027.jpg 大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
  5. /nl/articles/2411/22/news032.jpg 「壊れてんじゃね?」 ハードオフで買った110円のジャンク品→家で試したら…… “まさかの結果”に思わず仰天
  6. /nl/articles/2411/22/news018.jpg 猫だと思って保護→2年後…… すっかり“別の生き物”に成長した元ボス猫に「フォルムが本当に可愛い」「抱きしめたい」
  7. /nl/articles/2411/22/news171.jpg なんと「身長差152センチ」 “世界一背が低い”30歳俳優&“世界一背が高い”27歳女性が奇跡の初対面<海外>
  8. /nl/articles/2411/22/news145.jpg 大谷翔平と真美子さん、「まさかの服装」に注目 愛犬デコピンも大谷家全員で“歩く広告塔”ぶり発揮か
  9. /nl/articles/2411/20/news027.jpg 「こんなことが出来るのか」ハードオフの中古電子辞書Linux化 → “阿部寛のホームページ”にアクセス その表示速度は……「電子辞書にLinuxはロマンある」
  10. /nl/articles/2411/22/news184.jpg 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた