アニメの聖地になるトンネルってやっぱパワーある! 隧道マニア監修の「横須賀トンネル旅」やってみた【最終回】:横須賀トンネルめぐり1日旅(4)(3/4 ページ)
最後のトンネルで感涙にむせぶ(大ウソ) 抜けたらそこは……!?
4回の連載でお届けしてきましたが、ついに10本目・最後のトンネルの若松隧道です。坂本隧道からは徒歩30分ほど。のら猫の写真を撮ったり、ランドセルを背負った小学生が手を振ってるから「私?」と思ったら後ろに友達がいただけだったり、ほんわかと住宅街を探索していたところ到着しました。
さて若松隧道です。レンガをマスターした皆さんなら一目で気が付くでしょう。レンガのように見えますが、レンガタイルの坑門です。ラストに選ばれた若松隧道は昭和22(1947)年に建設されたコンクリート製のとても平凡なトンネルです。
なぜ、このトンネルがラストに選ばれたのかというと、それは若松隧道が持つ「ワープ感」。「トンネルを抜けると雪国だった」という名文に皆が酔いしれるように、ワープ感はトンネルの魅力の大事な要素でもあります。
若松隧道を抜けると……めっちゃ繁華街です。でっかいショッピングセンター、ファミリーレストラン、そば屋、焼き鳥屋、居酒屋と、一気にランドセルの小学生が似合わない町並みになります。横須賀市内でもにぎやかな地域、横須賀中央駅のすぐそばにつながっています。行ってみると、こんなところに出てくるのか……と感じるでしょう。
戦後に造られたコンクリート製のトンネルは似たようなデザインのものが多く、ついつい古いトンネルばかりに目が行きがちです。ところが、愛好家はこういったトンネルも愛してしまうのですね。ここまでの連載を監修をしてくれた平沼さんの若松隧道に対するコメントで締めくくることにしましょう。
あまり共感は得られないかもしれませんが、個人的にはこのトンネル内の薄暗さや排ガスのほこりっぽさが好きです。明るくきれいなトンネルなんていうのは、実はだいぶ無理をしているのであり、本来の“働くトンネル”とはこういうものです。ほのかなサイバーパンクな雰囲気がここにあります。若松隧道は、日常の隣にあるちょっとした「非日常感」という、トンネルの普遍的な魅力の一つが味わえます。
トンネルカード10枚でキラッキラ☆のレアカードがもらえるー!
トンネルカードを10枚集めると、観光案内所「スカナビi」でレアカードと解説書がもらえます。特別に見せてもらったところ、あのトンネルがレアカードになっていましたっ(どのトンネルかはナイショですけど)! そして、レアカードは虹色にピカピカ輝き、紙もしっかり厚い。レアだ。これは、レアモノですっ。
10店の飲食店でヌードルを食べないといけないので、コンプリートの難易度はかなり高いと思うのですが……2018年12月21日時点でおよそ46名がすでにレアカードをゲットしているそうです。みんなスゴいなー。
さて、「高橋ホイコの横須賀トンネルめぐり1日旅横須賀トンネルめぐりの旅」全4回が、完結しました。いかがでしたでしょうか。筆者は取材という名目ですっかり楽しませていただきました。訪ねたトンネルは全部で10本でしたが、横須賀には150本を超えるトンネルがあります。坂本隧道のイギリス積みよりもめずらしいフランス積みのレンガトンネルだって、横須賀にあるんですよ(猿島という無人島に)。まだまだ魅力的なトンネルがいっぱいあります。横須賀は本当にトンネル天国でした!
「第2弾 横須賀トンネルカード」 キャンペーン
実施期間:2018年10月6日(土)〜2019年2月28日(木)
対象店舗:市内10店舗
主催:横須賀集客促進実行委員会(横須賀市、横須賀商工会議所、京浜急行電鉄)
公式サイト:ここはヨコスカ「第2弾横須賀トンネルカード」
監修:平沼義之氏 プロフィール
千葉県松戸市生まれ、東京都日野市在住。TV出演で注目を集めている廃道&隧道愛好家、フリーライター。WEBサイト「山さ行がねが」主宰。
「国道? 酷道!? 日本の道路120万キロ大研究」「廃道踏破 山さ行がねが」シリーズ(いずれも実業之日本社)などを執筆。最近は、廃道や隧道をテーマにしたトークイベントやツアーガイドも行っている。
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