お正月に多発する「お餅による窒息事故」について消費者庁が注意喚起 安全な食べ方や応急手当など
高齢者の事故をみんなで防ぐための知識。
消費者庁は、お正月に多発する高齢者の「餅による窒息事故」について注意喚起。高齢になるほどリスクが高まる窒息事故を防ぐための食べ方や、実際に起きてしまった際の応急手当の周知を図っています。
高齢になるほど唾液の量が減り、歯の機能が衰え、噛む力や飲み込む力などが弱くなるために起こる、高齢者の窒息事故。これを防ぐための餅の安全な食べ方として、「餅は小さく切っておく」「餅を食べる前に、先にお茶や汁物を飲んで喉を潤しておく」「餅はよくかんで、唾液とよく混ぜ合わせてから飲み込む」の3つのポイントを挙げています。
なお、これらは高齢者本人だけでなく、家族など周囲の人も一緒に注意し、知っておくことが事故を防止する上で大切となります。
また、万が一、窒息事故が起きてしまった場合。まず窒息した人は言葉を発せなくなるため、顔色が急に悪くなったり、喉に手を当てて呼吸ができなくなったことを示す動作(チョークサイン)が見られたら窒息を疑いましょう。その際には救急へ通報(119番)し、速やかに異物除去の応急手当を行います。
応急手当は、後ろから引くようにヘソの上あたりを圧迫する「腹部突き上げ法」と、後ろから肩甲骨の中間あたりを叩く「背部叩打法」の2つ。高齢者の場合には前者の「腹部突き上げ法」を優先して行い、また妊婦や乳児の場合には前者を行わず「背部叩打法」のみを行います。こちらの詳しい方法は日本医師会のサイト「救急蘇生法」でも確認できます。
高齢者(※今回の資料では65歳以上)の「誤嚥(ごえん)等の不慮の窒息」による死亡者数は毎年一定数おり、その半分は「気道閉塞を生じた食物の誤嚥」によるもの。要因となる食品では詳細不明なものを除くと「おかゆ類」「餅」の順に多く、また救急搬送者数を発生月別に見ると1月が30.7%で最も多くなっています(2016年)。
専門家によると、餅は、表面温度が40度以下に低下すると硬さが増す特質があるため、口から喉に入っていく過程で一層硬くなるとのこと。また温度が体温以下になるとくっつきやすさも増すといった理由から、窒息につながることがあるとのこと。さらに食べるときに重要になる唾液の出が悪い朝などはより注意し、食事の前に口を動かしたり、最初にスープ等で喉を潤してから食べることが、窒息を防ぐために有効としています。
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