センター試験のICプレーヤーは“利用者に配慮していてダサ美しい”? デザインの意図を実施団体に聞いてみた

人生を左右してしまう試験だけあって、誤操作を防ぐ工夫がたくさん。

» 2019年02月15日 12時00分 公開
[ねとらぼ]

 「センター試験」と聞いて、頭に浮かぶものは何でしょう。テストの緊張感、会場内の様子、点数が分かったときの安堵感/落胆……など、人それぞれなのではないでしょうか。

 しかし、2019年のセンター試験が行われた1月、ネット上ではちょっとニッチな話題が注目を集めていました。それは「ICプレーヤーが“ダサ美しい”」というもの。ああ、英語のリスニングで使うアレのことか!


画像 平成27(2015)年度から採用されたICプレーヤー。画像は発表当時の資料のもので、「新ICプレーヤー」と説明されています


画像 旧デザイン

 センター試験の英語では、リスニングのために専用のICプレーヤーが配布されますが、ボタン上にスライドカバーが搭載されていたり、「一時停止」「電源オフ」のボタンなどがなかったりと、一般的なプレーヤーとはデザインが大きく異なります。

 あまりカッコいい見た目ではありませんが、誤操作が起こりにくいつくりになっており、ネット上では、それを「工業製品的美しさ」「機能美」などと評価する声が。人生を大きく左右する試験だけあって、試験者への配慮が徹底されていると話題になっていました。


画像 Togetterにまとめ記事が登場

 センター試験を実施している団体「大学入試センター」に話を伺ったところ、あのICプレーヤーは、同団体が基本的なサイズ、形状などの条件を設けたうえで、メーカーから提案を受ける形でデザインを決定。耐久性、試験者の操作性などを考慮して、これまでに2回のデザイン変更が行われているといいます。

 誤操作などを防ぐために、正しい順番で操作しないと再生できない仕組みになっているのですが、平成27年(2015年)度から導入された機種を見ると、あるボタンを押すためにスライドカバーを動かすと、また別のボタンが隠れるようになっています。

 ボタン付近には「1電源」「2確認」「3再生」とプリントすることで、それぞれの機能だけでなく、押す順番も把握できるデザイン。それから、ボタン表面にある小さな突起の数でも、操作手順が分かるようになっているといいます。なお、これらには「色覚障害などでボタンの色が区別しにくい受験者にも扱いやすくする」というねらいもあるのだとか。


画像 音声が問題なく流れるか確かめる「確認」ボタンを押す段階だと、再生ボタンはスライドカバーで隠れています(大学入試センターWebサイトより)


画像 確認が完了したら、カバーをズラしてから「再生」ボタンを操作(大学入試センターWebサイトより)

 また、環境面での配慮として、平成22(2010)年度の試験からICプレーヤーは複数回利用する方式に変わっており、現在は全て回収されるようになっているのだとか。「何に使えばいいかはよく分からないけど、試験後に持ち帰った」という話は若い人には通じないかもしれません。

 ところで、センター試験が終わるときまって報じられるのが、「ICプレーヤーの不具合が○件あった」というニュース。スピーカーを使った一斉放送にすればいいのではないか、と思ったことがある人も少なくないのでは?

 実はそのような方法が検討されたこともあるそうなのですが、「座席位置や会場などによって聞こえ方が変わってしまう」という問題がクリアできなかったのだとか。そのため、リスニングが初めて導入された平成18年(2006)度試験から、「試験の公平性が確保できる最善の方法」として現在のような「個別音源・個別聴取方式」を採用しているのだといいます。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2503/26/news022.jpg 「日本人だけが感じる絶望」 職場に置かれたドーナツ → “抹茶味”かと思いきや…… “まさかの事実”に反響「怖くて泣いちゃった」「笑いました」
  2. /nl/articles/2503/25/news028.jpg 「これはうれしい」 引っ越しのあいさつでもらった手土産、開封したら…… “センス抜群の中身”に「参考にしたい」
  3. /nl/articles/2503/24/news034.jpg 「多分日本で1位、2位を争う」 3児のママが書いた“通園経路図”がすごい! 「えーめちゃ最高ですね」「中高生だったら溜まり場」
  4. /nl/articles/2503/22/news096.jpg 40歳女性、“ネットで買って失敗した服”→似合わせアイデアを募集したら…… 驚きの結果が720万再生 「すごい!」
  5. /nl/articles/2503/25/news050.jpg 初めて夫の実家に挨拶した妻、初々しかった表情が9年後…… “そうはならんやろ”な変わりっぷりが1150万再生
  6. /nl/articles/2503/26/news030.jpg 「やばい髪形にされた」とショートが気に入らなかった女性→バッサリ切ったら…… 衝撃のビフォアフに「可愛い過ぎる」「半端ねぇな」と反響
  7. /nl/articles/2503/23/news042.jpg ニットで口元が隠れた赤ちゃん、そっと脱がせてみると…… “想像を超える”表情が2300万再生「心に刺さった」「今まで見た中で1番!」【海外赤ちゃん記事3選】
  8. /nl/articles/2503/26/news110.jpg 「この値段は信じられない」 ワークマンの“2500円防水バッグ”に高評価殺到 「即買い」「使い勝手最高」
  9. /nl/articles/2503/25/news022.jpg これが駅前だって!? 世界最大級のデカすぎる重機が並ぶ景色が920万表示 「かっけぇぇぇ!」「どうやってここまで」
  10. /nl/articles/2503/23/news033.jpg 段ボールに切れ込みを4つ→“信じられない変形”をするライフハックに80万再生の反響 「今世紀最高の技だ」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「うそでしょ!?」 東京ディズニーランド、“老舗”レストランの閉店を発表 「とうとう来てしまったか」「いやだああああ」と悲しみの声
  2. Koki,、豪邸すぎる“木村家の一室”がウソみたいな広さ! 共演者も間違えてしまうほどの空間にスタジオビックリ「コレ自宅!?」「ちょっと見せて」
  3. 息子の小学校卒業で腕を組んだ34歳母→中学校で反抗期を迎えて…… 6年後の姿に反響 「本当に素敵!」「お母さん、変わってない!?」
  4. プロが本気で“アンパンマンの塗り絵”をしたら…… 衝撃の仕上がりが550万再生「凄すぎて笑うしかないw」「チーズが、、、」 話題になった作者に話を聞いた
  5. ディズニーランドがオープンした1983年当時、カップルだった2人→37年後…… 目頭が熱くなる現在の姿に感動
  6. ニットで口元が隠れた赤ちゃん、そっと脱がせてみると…… “想像を超える”表情が2300万再生「心に刺さった」「今まで見た中で1番!」【海外赤ちゃん記事3選】
  7. 水族館のイカに“指でハート”をしてみたら… “まさかのお返し”が190万表示「こ、こんなことあるのか」
  8. 「ひどすぎ」 東京ディズニーランドで“約100人のドジャースファン”が一斉に“迷惑行為” 「やめてほしい」と物議
  9. 19万8000円で購入した超高級魚を、4年間育てたら…… ド肝を抜く“大変化”に「どんどん色が」「すごい」
  10. 初めて夫の実家に挨拶した妻、初々しかった表情が9年後…… “そうはならんやろ”な変わりっぷりが1150万再生
先月の総合アクセスTOP10
  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  3. パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
  4. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  5. 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
  6. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  7. 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  8. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  9. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  10. 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に