ネットに広まる「魔女っ子は放送禁止用語」説 調査して分かった「放送で扱いにくい理由」と「一般人が納得できない理由」
芸人さんのツイートが話題に。まとめサイトなどで記事化され、情報が拡散しています。
えっ、何で「魔女っ子」がテレビやラジオでは使えない「放送禁止用語」になっているの?―― こんな疑問を呈したツイートに「基準が分からない」「美魔女もダメなのか?」と驚きの声が続出しています。
近年、放送禁止用語という言葉と並んで、よく話題になるのが「メディアの過剰自粛」「言葉狩り」といったフレーズ。ただ、今回のケースに関しては「どうして『魔女っ子』が放送上不適切なのか、さっぱり分からない」と戸惑ってしまう人の方が多いのではないでしょうか。
果たして「魔女っ子」という言葉を聞いて、不快な気持ちになる人がどれくらいいるのか……という問題はさておいて、筆者が調査を行ったところ、確かに“放送上不適切と指摘されてもおかしくない合理的な理由”に突き当たりました。
15年以上前からある「魔女っ子は放送禁止用語」説
芸人・原田おさむ(@OsamuThe)さんは3月15日ごろ、放送禁止用語がリストになった資料の画像をTwitter上に投稿。そこには「浮浪者」「ヒモ」といった言葉とともに魔女っ子が掲載されており、「魔女っ子も? えっ? なんで?」と原田さん。このツイートは執筆時点で6000回以上リツイートされているほか、複数のまとめサイトなどでも取り上げられています。
原田さんに話を伺ったところ、この画像は「知り合いの俳優さん」から受け取ったもので、詳細は把握しておらず、該当の資料の出元に関しても「放送関係のどこか?」とよく分からない様子。ですが、ネット上には同様のうわさが少なくとも15年以上前から存在し、「西洋では「魔女」に否定的なイメージがあり、『魔女っ子』という語には『悪魔のような子ども』というニュアンスがある」などと書かれています。
この説で気になる点の1つは「直接的に問題のある表現が『魔女っ子』ではなく、『魔女』」になっていること。論点すり替えのようにも見えますし、この語を冠した各局の番組は少し調べただけでも「魔女の条件」(1999年/TBS系列)、「魔女裁判」(2009年/フジテレビ系列)、「オリガミの魔女と博士の四角い時間」(放送中/NHK)などいくつも出てきます。
また、近年、男女平等などの観点から性別を強調した表現を避ける流れがあり、例えば、「保母さん」は「保育士」、「婦警」は「女性警官」と呼ばれるようになりましたが、だからといって「実在しない職業(?)である魔女も『魔法使い』と言い換えられるようになったのかもしれない」と考えるのは難しそうです。
繰り返しになりますが、実際にテレビ番組の顔であるタイトルに「魔女」は使われており、それがセーフなら「っ子」を付け足して「魔女っ子」にした途端、規制対象になる理由が説明できないのでは?
実は東映アニメーションの登録商標になっている「魔女っ子」
「魔女」でも「魔法使い」でも「魔法少女」でも「魔道士」でも「魔術師」でもなく、「魔女っ子」が放送禁止用語になる“合理的な理由”があるとしたら、おそらく考えられる理由はただ1つ。
この語は、アニメ「ひみつのアッコちゃん」「魔女っ子メグちゃん」をはじめとした「東映魔女っ子シリーズ」を手掛けた東映アニメーションの登録商標になっているのです。
実際、メディア芸術データベースで2016年までに発表されたアニメ作品を調べてみたところ、「魔女っ子」がタイトルに採用されているのは、「魔女っ子メグちゃん」「魔女っ子チックル」の2つだけ。どちらも東映魔女っ子シリーズに数えられる作品だといいます。
「NHK放送ガイドライン2015」によれば、登録商標は「(特定の企業などの)商品やサービスを示す」固有名称であることが多く、一般名(普通名称)と誤認して放送するのは「事実として不正確なだけでなく、結果として、その商品やサービスの宣伝につながるおそれがある」とのこと。
つまり、「魔女っ子」は不謹慎や差別的といった物騒な理由ではなく、「東映アニメーションの作品に関連した固有名詞だから、うかつに使えない」という可能性が考えられます。
放送禁止用語はテレビ局などが自主的に規制を行っているものであるため、実態を捉えるのは困難。ですが、もしも以上のような問題認識から規制している局があったとしても、「過剰自粛」「言葉狩り」の類とは言い難いのではないでしょうか。
ちなみに、「NHK放送ガイドライン2015」には「『登録商標』に含まれている名称であっても、一般名にすぎないこともある」という補足があり、商標でも一般名詞として扱われる場合は、そこまで懸念はないもよう。
「魔女っ子」は固有名詞なのか、一般名詞なのか―― 難しい問題ではありますが、取りあえず言えそうなのは「現実問題として、わりと普通に使われている言葉」だということ。というのも、東映アニメーションの商標になった数年後に「魔女っ子モモカ」(花とゆめ/白泉社)というマンガが連載されていたり、発音が変わらない「魔女っこ」「魔女っ娘」表記のゲーム、アニメ作品が存在したり、現在でもWebメディアの記事などでは「魔女っ子」が漠然と「魔法使いの女の子」のような意味で使われていたり……。
このような状況で「でも、放送禁止用語らしいよ」と聞いたら、「えっ、よく目にする言葉なのに?」とビックリしてしまう方が普通なのではないでしょうか。
画像提供:原田おさむ(@OsamuThe)さん
関連記事
- 会社の飲み会では「正しいビールの選び方」がある、という謎のマナーを守りたい
新人よ、がんばるな。 - 「中二病」って病気なの? 治し方を精神科医に聞いてみた
くそっ鎮まれ……俺の疑問よ……! - パソコン初心者の女子高生、「世界一おバカなパスワード」を思いつくの巻
「良いこと考えた!」 - “5円チョコ”こと「ごえんがあるよ」は、なぜ30年以上も売り続けられるのか? 会長が明かす「儲からないんだけど……」
なくなったらさみしい。 - 「訃報」「愛猫」「手風琴」って読める? 常用漢字表に掲載されている“難読漢字”
ニュースなどでよく見る表現も、意外と分からん……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
不二家の「プレミアムショートケーキ(国産苺)」が半額に! 3日間限定キャンペーン
-
中山美穂、金髪&ミニ丈の大胆イメチェンに視聴者びっくり! “格付け”出演の最新ビジュアルに「誰だか分からなかった」
-
日本エレキテル連合・中野、ネタで酷使し容姿に異変→手術を決断 「ダメよ〜、ダメダメ」でブレイク、2022年にがん公表
-
動物病院の会計中、振り返って愛犬を見たら…… “柴らしい”もん絶級の光景に「天使かよ!」「帰れるもんねw」
-
「ハンガー・ゲーム」出演俳優、撮影中の性的暴行被害を告白 泣きながら撮った当時の写真添え「すごくつらかった」と胸中明かす
-
ミス筑波大モデル、25キロ減量したビフォーアフターに「ホント凄い」 整形疑う声も「元々は埋もれてたようですね」
-
上沼恵美子さん直伝「ホタテの一番おいしい食べ方」に絶賛の声続々! 「発想が主婦目線」「マネして作ってみます」
-
【今日の計算】「8×4−2+1」を計算せよ
-
1歳赤ちゃん、寝ぼけまなこの謎行動が150万再生突破 「仕事の疲れ、吹っ飛んだ」「少し出ちゃったの可愛すぎ」
-
「めざましテレビ」“新お天気キャスター”が「美しすぎる」と注目 ミス東京GP獲得から約4カ月で
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
- 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
- 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
- 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
- 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
- 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
- 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
- パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
- “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
- 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
- 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
- 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
- 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
- “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
- 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
- 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」