プリキュアも場合によっては“侵略者”となる 価値観の衝突を描いた「スター☆トゥインクルプリキュア」第8話がアツイ:サラリーマン、プリキュアを語る(1/3 ページ)
「スター☆トゥインクルプリキュア」宇宙進出、本格始動です!
「スター☆トゥインクルプリキュア」が、自分の予想をはるかに超えてめちゃくちゃ面白いのです。
前年、大きな話題を振りまいた「HUGっと!プリキュア」の後で、どんな作風になるのだろうと思っていましたが、「HUGっと!プリキュア」とは違うベクトルで大きく攻め込んでいます。
「スター☆トゥインクルプリキュア」は宇宙を舞台に「多様な価値観」をテーマの一つにしてるのですが、その描き方が本当に優しく、丁寧な描写なのです。
前作「HUGっと!プリキュア」が「人の心を縛るな!」「男の子だってお姫様になれる」などの“直接的な表現”で社会問題に切り込み大きな話題となりましたが、今作「スター☆トゥインクルプリキュア」は、その真逆の、「一方的な主張」ではなく「価値観の違いは、相手の立場に立って考えよう」を丁寧な描写で描いてきています。
(この表現方法の差異はどちらが正しいというわけではないのですが、個人的には「スター☆トゥインクルプリキュア」の表現の方が優しさにあふれていて好きです。「HUGっと!」のマッチョ的な表現も分かりやすいのですけどね……。)
中でも第8話「宇宙へGO☆ケンネル星はワンダフル!」は「スター☆トゥインクルプリキュア」らしさあふれる前半屈指の回でした。「価値観が違えば、プリキュアも侵略者となりうる」という重めのテーマを明るく、楽しく、子どもたちに分かりやすく描き切ったこのお話をちょっと見ていきたいと思います。
kasumi プロフィール
プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。
- これまでのプリキュア連載一覧
一方的な価値観を押し付けない
「スター☆トゥインクルプリキュア」第8話「宇宙へGO☆ケンネル星はワンダフル!」では、前回までで修理を終えたロケットに乗って、「スター☆トゥインクルプリキュア」の4人がついに宇宙へと進出しました。
大宇宙への進出。これはプリキュアという作品にとっても大きな一歩なのではないかと思われます。
そんな記念すべきプリキュアの宇宙進出は、第1回目から「異文化間の利益の衝突」という重く、難解なテーマが提示されました。しかし、この「異文化の衝突」というテーマはプリキュア宇宙進出の1回目だからこそ、きちんと丁寧に描かなければいけなかったのだと思います。
鬼才「土田豊」のカオスチックで終始明るい演出でコーティングされた第8話。その裏には子どもたちに向けた多様性への相互理解に対する真摯(しんし)なメッセージがちりばめられ、まさに「スター☆トゥインクルプリキュア」を象徴するようなすてきなお話だったのです。
(文章にすると重く感じるかもですが、本編はコミカルで明るく、決して説教臭くないのですよ! 楽しくサラっと本質を描いています! だからぜひ! 本編を見てほしい! 3月31日8時30分までは見逃し配信もありますよ)。
価値観の異なる星、ケンネル
スターカラーペンダントの導きによりプリキュアたちが着陸した星は、骨の形をした星「ケンネル星」。そこには毛並みの良さこそが最大の価値という「地球人とは全く異なる価値観を持つ」住人がいました。
「俺たちを見ろ。この全身ふさふさの毛並み! このツヤ、この美しさ!」。
「地球人、なんてツルツルのお肌なの」「残念! 地球人気の毒だ」。
「骨の雨が降る星なので、毛むくじゃらになって身を守っている」というSF的な要素もバッチリあります。スターカラーペンダントのおかげで空気の問題も言葉の問題も全て解決です! そんなケンネル星人とプリキュア4人のファーストコンタクトの描写がね、面白かったのです。
異文化に対する2つのアプローチ
ケンネル星式のあいさつは逆立ちして3人が重なる、という地球人には到底無理なものです。地球人には身体的に絶対に無理なあいさつに対して、プリキュアは2つのアプローチで対話を試みます。
キュアスター、星奈ひかるは持ち前の明るさを生かし、現地の文化をとにかく受け入れよう、取り入れようとします。実際に逆立ちになったりしますが、当然うまくいきません。そりゃあそうです。体の作りが違うのですから。
星奈ひかるに与えられた役割は「相手の文化を受け入れること」。
(これは第1話で宇宙人ララに出会ったときにも行われたアプローチですよね。コスモグミを躊躇(ちゅうちょ)なく食べていましたし、ララとのサマーン式のあいさつもすんなり受け入れています)。
対してキュアソレイユ、天宮えれなは「地球式のあいさつ」を試みます。相手の要求を飲む、飲まないの2択ではなく、地球式のあいさつ「握手をしよう」という提案をします。
「顔をあわせて笑顔になれたらもう友達なんだけどなあ」。これこそが地球の文化である、という提示を行いました。
相手の文化を受け入れることと、自分の文化を提示すること。どちらが一方的に正しいというわけではなく、2つのアプローチから異文化に接していることは、将来の子どもたちが異文化に接した際への道しるべとなっているのじゃないかと思います。
「あなたの文化はこうなのですね。私たちの文化はこうです」。
一方的に相手の文化を受け入れるだけではなく、きちんと相手に自分の文化を知ってもらい、その上で友達になる、という道を提示しました。多様性を考える上では「一方的に押し付けること(作中では犬にかけてワンサイドと表現されていました)ではなく、相手の意見を聞き、そして自分の意見もしっかりと伝えることが大事なのです。
それを星奈ひかると、天宮えれなという2人のキャラクターの特徴を生かして、説教臭くなることなくコミカルに表現していたのは本当にすごいことなのだと思います。
ちなみに、宇宙人プルンスには「警戒する役」が与えられ、この「警戒心」が物語をうまく進行させています。
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