カレー入りのどら焼きだと……? インド英雄神と同じ名を持つどら焼き「インドラ」を食べてみた!

カレー入りのどら焼きって、どんな味?

» 2019年04月07日 09時30分 公開
[高橋ホイコねとらぼ]

 「ちょっと、インドラ買ってくる」

 と、家族に申したところ

 「えっ!? 天空を駆ける雷神で、旱魃(かんばつ)を起こす魔神ヴリトラを倒した英雄インド神話で神々の王と呼ばれる、あのインドラが買えるのかい?

 と驚かれました。そうです。買えるんです。140円で。東京都新宿区で。大辛カレー入りのどら焼き“インドラ”が買えちゃうんです。

 古代の英雄神インドラを売る店とはどのような店か、そして光り輝く軍神インドラはどのような味なのか、戦いを挑んできたのでご覧いただきたい。

店頭に並ぶインドラ インドラが140円で買える!

明治31年創業 革新和菓子「船橋家」にインドラがいる

 東京・市ケ谷駅から徒歩8分。鰻坂をのぼった先に「インドラ 一度食べたらやみつき!?」とデカデカと手書きした看板を掲げる店を発見しました。

店頭の看板 だいぶ看板が目立っている

 船橋家は明治31年(1898年)創業の、持ち帰り専門の和菓子屋です。通りかかった保育園児が店主に手を振ったり、店の前に信号待ちで止まった車の運転手が窓越しに手を振ってきたりと、ガチで地元密着型のお店でした。

 インドラはウインドーケースに入っていました。「(大辛口 カレー入り)インドラ 1ケ 140円」。ああ、本当に神を売っています。

店頭のインドラ別角度 つぶあん、カスタードの間にインドラ

 3代目にあたるお母さんに話を聞くことができました。話のポイントは3つ。

  • 昭和60年代から作っていた
  • 当初は辛くしていなかったが、ご主人が「これからは辛口がはやる」と予言し大辛に
  • インドのどら焼きで「インドラ」
船橋家のおかあさん 「美人だから撮っていいわよ」と言ってくれました

 えっ!?

 ええっ!?

 ええええええええええええええ!

 聞いたか、みんな?

 インドのー、どら焼きでーー、インドラーーーー!!!?!?

 うぁー、まさかのインド神話のインドラ関係なし。「インド神話に“インドラ”っていう神様がいるんです」と伝えたところ「えええ、そうなの知らなかった」と逆に驚かれてしまいました。

創業120年の手書きポスター 創業120年の張り紙

 船橋家は、他にはない和菓子作りがモットーで「革新和菓子 船橋家」と自称しているそうです。店頭には、白あんにダージリンを入れた「ダージリン万十」や、チョコでコーティングされたおはぎ「モヴィーディック」など、革新的な和菓子が並んでいました。筆者が訪ねた際には店頭になかったのですが、「おっぱいちゃん」というちょっとエロチックな響きの和菓子も作っているそうです。

上田監督の写真 日本ハムファイターズを長年応援しており、斎藤佑樹選手もおっぱいちゃんを食べたとか

 なかなか個性的なお店でした。でも、こういうお店って地元にあったら通っちゃいますよね。さあ、インドラの入手に成功しました。家に帰って食らいましょうぜ!

インドラは固定観念との戦いだった

 帰宅して、早速包みを開きました。紙に包んでくれるお店というのも最近めずらしいように感じます。包みの中にはインドラ様が鎮座しておりました。

インドラの紙包み こういう紙包みもいいよね

セロハンに包まれたインドラ さらにセロハンで個装されていました

 インドラが包まれているセロハンを開きます。それだけで部屋がインドー! めちゃくちゃカレーが香ってきました。日本のカレーの香りです。

インドラの外観 食べる前から、部屋内がカレー臭でいっぱい

 さあ、神々の王インドラを食らうのである。つまり食べてみました。

インドラを食べかけてるところ 辛さと甘さが絶妙なバランスでした

 味を説明しましょう。まずカレーパンを想像してください。そこからパンをふわっとさせます。表面をしっとりとした食感に。をゆっくりかむと、甘く幸せな味がします。さらにかみ込めばカレー味。カレーにはピリピリっとくるスパイスがたっぷりと。うわっ、辛いと思っても安心してください。皮の甘みがすべてを包含してくれるのです。

インドラの皮をめくった写真 スライスアーモンドもギッシリ

 スライスされたアーモンドがぎっしり入っていて、シャキシャキした食感もいい感じです。確かになぜか後を引くおいしさ。甘いモノが苦手という方なら、普通のどら焼きより好きというかもしれない。だがしかし、だがしかしだ、40年間培った固定観念の壁を筆者は越えられない。ああ、この食べ物に13歳のときに出会いたかったー

インドラ以外もめちゃおいしいですぞっ!

 インドラの試食を終えて、仕事を終えた気になっていた筆者。記事とは関係なく、おやつにと思って買ってきたダージリン万十を、ほぼ無意識でほおばりました。

ダージリン万十 ダージリン万十 1個130円

 う、うまいっー!

 手にしていたまんじゅうを見つめて3回まばたき。すかさず「口内に広がる白あんフレーバー。まさにタージマハール。紅茶の妖精が舞い踊る。どうやったら、こんな味出せるの? 魔法のよう」とメモしていました。メモの意味は不明ですが、船橋家の和菓子……レベル高いですぞ

 こうして、我は神々の王インドラを胃に収めることができました。おまんじゅう、おいしかったなー。インドラ征服後、家族がやたらと“シヴァ漬け”を推してくるようになったのが目下の悩みです。

高橋ホイコ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2501/28/news195.jpg 岡田紗佳、一連の騒動を生中継で謝罪 頭を深く下げ「申し訳ございませんでした」
  2. /nl/articles/2501/28/news155.jpg がん闘病の森永卓郎、容態急変後にモルヒネ投与で“結構厳しい状況” スタジオ出られず弱々しい声で「そう長く持たないかもしれない」「本格的に転移が始まったよう」
  3. /nl/articles/2501/29/news045.jpg 新潟のお葬式で香典返しにもらった“謎の白い物体” パッケージにも情報なし「これなんだかわかりますか?」
  4. /nl/articles/2501/26/news053.jpg 「立体的に円柱を描きなさい」→中1の“斜め上の解答”に反響「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」 投稿者に話を聞いた
  5. /nl/articles/2501/29/news086.jpg 鮮魚店で売れ残ったタコを水槽に入れたら、数週間後まさかの展開が…… 胸を打つ光景に「目が腫れるくらい泣いてます」
  6. /nl/articles/2501/28/news034.jpg 大人なら5秒で解きたい!「9+0÷2−3」の答えは?【算数クイズ】
  7. /nl/articles/2501/29/news058.jpg 「うちの祖父(81)わけてほしいわこのセンス……」 衝撃的な私服コーデに驚きの声「本物のイケジイ」「目標にします!!」
  8. /nl/articles/2501/29/news023.jpg 買ったばかりの家の風呂場に”ありえない欠陥” 信じられない状況に「そんなことある?」「取り付けた業者……」
  9. /nl/articles/2501/27/news073.jpg 「昔はモテた」と自慢げな父→娘は“絶対ウソやん”と思っていたけど…… 当時の姿に「ハハハ冗談だろ?」【海外】
  10. /nl/articles/2501/29/news122.jpg 正方形のスカーフ1枚→切ってゴムを縫い付けるだけで…… 魅力的な完成品に「デザインがきれい」「簡単に作れました」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  2. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  3. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議
  4. スーパーで買った半玉キャベツの芯を植え、5カ月育てたら…… 農家も驚く想像以上の結末が1300万再生「凄い」「感動した」
  5. 東京藝大卒業生が油性マジックでサンタを描いたら? 10分で完成したとんでもない力作に「脱帽です」「本当にすごい人」
  6. 定年退職の日、妻に感謝のライン → 返ってきた“言葉”が約200万表示 大反響から7カ月たった“現在の生活”を聞いた
  7. 【ヤフオク】“3万円”で購入した100枚の着物帯 →現役着付師が開封すると…… “まさかの中身”に驚き
  8. 「立体的に円柱を描きなさい」→中1の“斜め上の解答”に反響「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」 投稿者に話を聞いた
  9. 「すんごい笑った」 “干支を覚えにくい原因”を視覚化したイラストが勢いありすぎで1700万表示の人気 「確かにリズム全然違う!」
  10. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  3. 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
  4. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  7. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  8. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  9. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  10. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」