「欅坂46」の魅力は何なのか グランジ遠山大輔が語る「命削るパフォーマンス」に涙こぼれる瞬間【前編】:遠山大輔インタビュー特集(2/3 ページ)
――確かに、既存のアイドルを応援してる感覚とは違うものが欅坂46にはありますよね。だからこそ、世間での評価もいろいろです。遠山さんはそういった“世間の声”についてどう思いますか。
遠山:世間でいろいろな評価があるのは理解していますが、例えば「不協和音」を披露する場合、直前までニコニコ笑っていたのに、急にあの世界観に入ってパフォーマンスを爆発させるのは無理だと思うんですよ。そのうえで世間から何か言われるのなら、それはもう「仕方ねぇ」っていう感じですけれども、パフォーマンス以外の部分をやんや言うのはヤボだなと思います。あとテレビがテロップで過剰に「絶対的センター」という表現をするものちょっと違和感があります。欅坂46っていうグループのパフォーマンスですから、全体を見なきゃ本質が伝わらないというか。
――すごく分かります。だからこそ、2017年の「NHK紅白歌合戦」でのアクシデントへの評価がすごく悔しくて。抜群にキレた「不協和音」を披露した直後に内村光良さんとのコラボに挑んだ。そのことが既にすごい挑戦だということが忘れられているんじゃないかと感じました。
遠山:欅坂46のことを知っているから言えることかもしれないし、これは再三ラジオやブログでも発信してきたんですが、全身全霊で3分間、一曲入魂したらあぁなりますよ。やいやい言うやつは、全力で何かをやったことがないやつだと思います。
――偏った報道が少なくなかったことは個人的に疑問でしたが、翌2018年の紅白取材では菅井友香さんから報道陣に対して、「(昨年は)心配をおかけしてしまったと思うので、申し訳ないなと思っています。今年(2018年)も(紅白に)出させていただけるのは皆さんの応援、お力のおかげなので、今年は感謝の思いを伝えたいという思いで、楽しく終われたらいいなって思います」というあいさつがありまして。菅井キャプテンをはじめメンバーの皆さんの表情を見て「よく言ってくれたな」って思いました。
遠山:そうですね。報道にしても、やっぱりセンセーショナルな見出しが欲しいマスコミにとっては、「どうやって文字数の少ないタイトルで記事を読ませるか」が大事じゃないですか。だから格好のネタになってしまったのでしょうね。
――報道陣の端くれなのにこんなこと言っちゃいけないかもしれませんし、仕事としてはやっぱり「お茶の間の皆さんが気になっていること」を聞かなきゃいけないんですけれども、せっかく紅白出場に関するコメントをするというおめでたい場でお話しするのに、過去のアクシデントを振り返るような質問をされるって正直気分が良くないじゃないですか。でもそれに対して菅井キャプテンたちは笑顔で素直なコメントをしてくれて。それを見て、申し訳ないなとかいろいろ思ったんですけれども、同時に「すごく成長したな」「強くなったな」と感じました。
遠山:2017年の全国ツアーでの経験もそうだし、いろいろな積み重ねが彼女たちの結束力を強めてきたんだと思いますし、自分たちで判断する力も養われてきたんでしょうね。これまでの経験は全部欅坂46を形成するために必要なことだったんじゃないかなと思います。
――遠山さんといえばラジオ「SOL」ですよね。平手友梨奈さんが出演する3週目はもちろん、良く聞かせていただいています。
遠山:そう言ってもらえるとありがたいですね。友梨奈ちゃんの週はコメントが追いきれないぐらいハッシュタグ「#SOL」のツイートが流れています。放送中には見きれないから後で整理したり、掲示板もしっかり読んでいますよ。
(※)2017年の4月から、平手友梨奈さんがSOLの3週目の「GIRLS LOCKS!」を担当中。トークはもちろん平手さんからリスナーに電話する「逆電」や独特なセンスを放つイラスト、けやきっずの質問に平手さんが答える「おしえて!てちおねえさん!!!」などのコーナーが人気。
――SOL以外でもネットでの評価を見たりしますか。
遠山:全部見ますよ、欅坂46に関しては。ツイートでエゴサーチもするし、まとめサイトについている批判的なコメントまで全部読みます。
――中にはアンチコメントもありますよね。それについてはどう感じますか。
遠山:「言いたい気持ちは分かるよ」と思います。アンチにもいくつか種類があって、“この人は何でもかんでも批判する人”だなとか、“もともとは大好きだったんだけど自分の思うようにいかなくなったから文句を言っている人”なんだなとか。でもね、もしもその批判している人の思い描いた通りになったらどうですか。何か面白いですかね。欅坂46っていうのは、今までのアイドル像をぶっ壊した、既存路線とは別のところで進んできているのに、思い通りになったとしたら、何の驚きも感動もないでしょう。「エキセントリック」でも「避雷針」でもそうしたテーマを歌ってきたのに、彼女たちが一生懸命、命を懸けて考えた選択に何を言うことがあるの? 何を聞いてきたの? と思います。それに一番つらいなと思うのはそうした的外れな批判や臆測に本人たちが何も言い返せないことです。
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