「重大事故の時にどうするか?」 ヤフー前社長の宮坂さんが語った“10箇条”が金言だと話題に

頭に置いておきたい。

» 2019年07月08日 16時21分 公開
[観音崎FPねとらぼ]

 ヤフー(Yahoo! JAPAN)の前社長である宮坂学さんが公開した「重大事故の時にどうするか?」という文章が話題になっています。ID漏えい事故など多くの事故で陣頭指揮をとったトップの経験を元にした“教訓”とも言える内容で、「マニュアル化されていて参考になった」「いつか事故が起きた時のために覚えておこう」といった声が投稿されています。

フォト 冒頭に掲げられた孫社長の言葉は──?(宮坂さんのnoteより)

 話題になった「重大事故の時にどうするか?」という文章は、宮坂さんが7月7日、自らのnoteで公開したもの。宮坂さんが社長在任中の2013年5月、ヤフーでは「外部からの不正アクセスにより最大2200万件のID情報流出の可能性」という特大事故が発生しています。「在職中の22年で何度か重大事故を起こし関係者の人に多大な迷惑をかけてしまった。その度にその陣頭指揮をとった」──という宮坂さんが経験から得た「重大事故の時にやったほうがいいこと10個」を記しています。

 その内容は「作戦司令室をつくる」「キックオフが重要」「チームを分け、チーム毎に1人だけチームリーダを置く」といった事故対応の初手から、「広報はユーザーファーストに メディアよりユーザーの知りたいことから伝える」「トップは帰ってはいけない」「終息宣言」といったことまで、具体的なものです。

 「キックオフが重要」では、「トップは現在の状況を全員で共有するための資料をつくること。その資料は部下ではなくトップ自らがつくること」と解説。事件について「トップが自分で言語化して話さねばならない。トップがいわないと伝わるものも伝わらない」と、資料を自ら作ることで状況を理解することの大切さを説いています。

 この記事の冒頭に貼られている写真は、ソフトバンクグループの孫正義社長からの「正直に、誠意を尽くすこと」というメッセージ。これは「ある重大事故」の際に孫社長が送ってきたものだとのこと。短い言葉ですが、「価値ある12文字だった」と振り返っています。

 宮坂さんは2012年にヤフーの社長に就任し、18年に退任。ヤフー子会社のZコーポレーション社長を務めていましたが、19年6月に同社長とヤフーの取締役を退任。7月1日に東京都の非常勤の特別職である参与に就き、都のネット事業などにアドバイスすると伝えられています。

フォト 宮坂さんは7月1日に東京都の参与に就任(東京都の資料より)

 セブン&アイグループのバーコード決済「7pay」の不正利用事件が注目されているタイミングでの公開ということもあり、週末ながらTwitterのトレンドに入るなど話題に。8日午後3時の時点ではてなブックマークが約3000件、Facebookはシェア1.2万件など、数多くシェアされています。

 この記事は「重大事故の時にどうするか?」というタイトルですが、「重大事故の時に(トップは)どうするか?」というものでもあります。ただ、部門やチームのリーダーであっても心構えとして学ぶところの多い内容だという声が上がっています。

 逆に言えば、重大事故が発生した際、自分の組織のトップやリーダーがこのような行動をとる人ではなかった場合に部下はどうすればいいのか、考えさせられところでもあります。トップといってもさまざまなタイプの方がいるわけですが、自分の会社のトップは重大事故の対応で自ら資料を作成し、自ら言語化して話してくれるような人なのかどうか。そうではないなら何をする人なのか。そんな想像をしてみてもいいかもしれません。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/01/news003.jpg パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  2. /nl/articles/2412/01/news031.jpg 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  3. /nl/articles/2412/03/news082.jpg 「ほ、本人……?」 日本に“寒い国”から飛行機到着→降りてきた“超人気者”に「そんなことあるw?」「衝撃の移動手段」の声
  4. /nl/articles/2412/03/news111.jpg 才賀紀左衛門、娘とのディズニーシー訪問に“見知らぬ女性の影” 同伴シーンに「家族を大切にしてくれない人とは仲良くできない」
  5. /nl/articles/2412/02/news009.jpg 【今日の難読漢字】「誰何」←何と読む?
  6. /nl/articles/2412/05/news006.jpg 「今やらないと春に大後悔します」 凶悪な雑草“チガヤ”の大繁殖を阻止する、知らないと困る対策法に注目が集まる
  7. /nl/articles/2412/03/news148.jpg 武豊騎手が2024年に「武豊駅に来た」→実は35年前「歴史に残る」“意外な繋がり”が…… 街を訪問し懐古
  8. /nl/articles/2412/03/news092.jpg 大谷翔平、“有名日本人シェフ”とのショット 上目遣いの愛犬デコピンも…… 「びっくりした!!」「嬉しすぎる」
  9. /nl/articles/2412/03/news055.jpg ハローマックのガチャに挑戦! →“とんでもない偏り”に同情の声 「かわいそう」「人の心とかないんか」
  10. /nl/articles/2412/03/news034.jpg 古着屋で“インパクト大”なブランケットをリメイクすると…… 劇的な仕上がりに386万再生「これはいいね、欲しい!」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  2. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  3. 「中学生で妊娠」した“14歳の母”、「相手は逃げ腰」妊娠発覚からの経緯を赤裸々告白 母親の“意外な反応”も明かす
  4. 勇者一行が壊滅、1人残った僧侶の選択は……? 「ドラクエでのピンチ」描くイラストに共感「生還できると脳汁」
  5. 「笑い止まらん」 海外産アプリで表示された“まさかの日本語”に不意打ち受ける人続出 「何があったんだw」
  6. パパが好きすぎる元保護子猫、畑仕事中もくっついて離れない姿が「可愛すぎる」と反響 2年以上がたった現在は……飼い主に話を聞いた
  7. アグネス・チャン、米国の自宅が“度を超えた面積”すぎた……ゴルフ場内に立地&門から徒歩5分の豪邸にスタッフ困惑「入っていいのかな」
  8. 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
  9. 「車が憎い」 “科捜研”出演俳優、交通事故で死去 兄が悲痛のコメント「忘れないでください」
  10. PCで「Windowsキー+左右矢印キー」を押すと? アッと驚く隠れた便利機能に「スゲー便利」「知らなかった」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」