「誰もが知っているこわい話」の共通点とは? “こわい話”を解剖する(2/2 ページ)
世論が「こわい話」を後押しする
「口裂け女」のウワサが最初に流行したのは、いわゆる「受験戦争」が過熱し学習塾・予備校が一種のブームになる一方で、社会問題化していた1979年のことでした。当時は「子供を勉強漬けにすること」「塾に行っているか否かで決まる学力格差=学歴格差」に批判的な世論が巻き起こっていたといいます。
そんな世間が、「子供を夜遅くまで塾に通わせるべきでない」という教訓譚を求めた。結果として「夜、塾帰りの子供が襲われる」物語が生まれたのではないか――というと、考えすぎでしょうか?
実際、中部地方での「口裂け女」譚の流行には、経済的な理由等で塾に通わせられない保護者が、子供に塾通いを諦めさせるために流した、あるいは流布を放置したという説まであるそうです。
「信じたい」から「信じてしまう」
先ほどのブルンヴァンの3要素に話を戻しましょう。
(3)「有意義なメッセージが含まれること」で求められるメッセージ性は、同時に(2)「実際にあったことだと信じられること」を強化することにもつながります。
人は往々にして、「そうなんじゃないかと思っていること」「そうだと良いなと思っていること」を肯定するメッセージを含む「ニュース」の真偽を疑わないからです。
「罵倒したりんご」「江戸しぐさ」「反ワクチン」……ポスト・トゥルースなんて言葉を使うまでもなく、カエサルの昔から「人は信じたいものを信じる fere libenter homines id, quod volunt, credunt.」ものです。
特にSNSにおいては、匿名を前提としていたネット掲示板と異なり、多くの人が固有名を背負っているため、「道徳的な」「正しい」メッセージを持った物語の方が拡散されやすいのは間違いないでしょう。
もう勘のいい読者の方ならおわかりでしょうが、冒頭の大ウソも、ブルンヴァンの3要素にのっとって作ったものです。
「女性が顔に硫酸をかけられ、失明する」というセンセーショナルなイメージに加え、「ヘイトスピーチを含むブログの炎上」という、何度も繰り返され誰もろくに覚えていないタイプの「ありふれた事件」を題材に取り、「ネットの情報をうのみにして拡散するのはやめよう」という分かりやすい教訓を与えました。
いかがでしょうか? 普段はネットのデマに踊らされる人をバカにして、「俺はフェイクニュースにはだまされないぞ」と思っている人こそ飛びついてくれるような「広めたくなるこわい話」になっていたら良いのですが。
関連記事
- 【特集】ねとらぼGirlSide真夏の特集 テーマ「怖い話」(8月10日〜15日)
夏はやっぱり怖い話。 - ねとらぼ編集部員の怪談「しゃんしゃろ」――怖い話とは一体なんなのか
奇妙な夢から始まる謎の事件について聞き書きを行いました。 - 謎の男の顔が…… 三代目JSBとDA PUMPの集合写真は“心霊写真”なのか? オカルト研究家山口敏太郎に聞く
ファン騒然。 - 純白のワンピースでブランコをこいだら幻想的でかわいく写るかも?→残像のせいで心霊写真化したアイドルの悲劇
夜に撮っちゃうから……。 - タクシーの怨念か? 「空車」が大量に夜景写真に写り込む事案が発生
空車空車空車空車空車空車空車空車なんじゃこりゃぁぁぁぁ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
-
ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
-
夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
-
ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
-
妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
-
人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
-
「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
-
「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
-
160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
-
「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
- イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
- 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
- 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
- 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
- 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
- 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
- 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
- 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
- フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
- 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
- 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
- ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
- 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
- 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた