デンソーウェーブ、「QRコード」開発25周年記念サイトを公開 開発者へのインタビューも
まだまだ可能性を秘めたQRコードについて紹介しています。
デンソーウェーブは、QRコードが開発から25周年を迎えたことを記念して、特設サイト「未来は、まだまだ育つ」を公開。その機能や歴史、最新の使用例などを紹介しています。
1994年に「バーコードの読み取りが面倒だ」という製造現場の声をきっかけにして、デンソーの事業部(現・デンソーウェーブ)が開発したQRコード。名前は“Quick Response(クイック・レスポンス)”に由来し、読み取りと処理の速さにこだわって開発され、特許の権利を行使せず規格をオープンにしたことで、現在まで広く普及しています。
25周年記念ロゴにもある「未来は、まだまだ育つ」には、QRコードの普及でさまざまなことが“当たり前”にできるようになった今の時代から、さらに「安心できる未来を、明るい未来を“あたり前”に育てる」ため、これからも挑戦し続けるという思いが込められています。
最新のQRコード事例では、東京都交通局と共同開発した新型QRコード「tQR(TM)」を用いた、地下鉄のホームドアの開閉を制御するシステムの実用化(※現在は浅草線で採用)。また「生体情報(顔認証情報)」などのデータを暗号化して格納したQRコードを使うことで、キャッシュカードを使わずATMで手続き可能な「カードレスATM取引」(※試行稼働)などが紹介されています。
QRコード開発者・原 昌宏さんのコメント
私は当時、バーコードやOCR(文字認識)などの読み取り装置を開発する部署にいました。その頃、自動車業界・電気電子業界では英数字で20文字程度しか記録できないバーコードを使用していましたが、扱える情報量が少なく汚れにも弱いことから、バーコードでは生産現場の管理が困難になってきたことがきっかけで、QRコードが誕生しました。
最大で7000文字ほどの情報が扱えるQRコードは、現在では世界中で広がり、最近ではキャッシュレス化のカギを握る技術としても使われています。
どうせ開発するなら世界でも通用するものに、と思って作って開発したものが、このように世界で認められて、予想を超えて広がっていることは大変嬉しく思います。これからも、様々なIT技術が発達していくなかで、新しい未来の実現にQRコードが貢献できるように、開発を進めていきます。
略歴
1980年4月日本電装(現デンソー)入社。2012年1月デンソーウェーブに転籍し現在は主席技師。コンビニのレジで使用されているハンドヘルドのCCD式バーコードリーダを世界で初めて開発、その後OCR,QRコードなどの自動認識関連の開発業務に従事。
主な受賞歴は、全国発明表彰発明賞(2002)、米国 R&D 100 Awards(2002)、モバイルプロジェクトアワード最優秀賞(2004)、日本イノベータ大賞優秀賞(2007)、グッドデザイン賞Best100(2012)、欧州発明家賞(2014)。
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