他人が出す特定の音に怒りや不安を強く感じる病気 「ミソフォニア」を知ってほしいという漫画に反響

知ることが大切。

» 2019年08月20日 19時30分 公開
[林美由紀ねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 特定の音に怒りや不安を強く感じてしまう病気「ミソフォニア」について描いた漫画に初めて知ったという人や当事者から反響が集まっています。


ミソフォニア12 「ミソフォニア」はまだあまり知られていない

 作者の中川海二(@nakagawakaini)さんはある日、知り合いの女性に「ミソフォニア」という持病があると知ります。ミソフォニアとは、他人が出す特定の音に対して怒りや不安を強く感じてしまう病気なのだといいます。キーボードを打つ音や食事のそしゃく音などを聞くと怒りが沸き起こり、不安になるのだそうです。脳が音を処理する機能の不具合によるものではないかとされています。

 ミソフォニアの人が感じる怒りや不安は、普通の人が嫌な音に感じる不快感とは比べものにならないそうです。嫌な音は人それぞれに違い、そしゃく、セキ、鼻をすする音、時計の音、タイピングの音、舌打ちなど、多くは日常にあふれている音です。


ミソフォニア01 知り合いの女性の話


ミソフォニア02 女性の持病は「ミソフォニア」


ミソフォニア03 特定の音が聞こえると怒りや不安が襲ってくる


ミソフォニア04 普通の人が感じる「不快感」とは比べものにならない

 知人が最初に「嫌な音」を感じたのは小学生のころでしたが、20代後半になりようやくこれが病気なのだと気付いたといいます。ミソフォニアは近年その存在が発見され、研究も始まったばかり。世間も当事者にもその認知度はまだ低いのが現状です。

 知人は今は耳栓を使用して対策をしているものの、学生時代にはそのような発想はなく、教室の嫌な音に我慢ができず教室に行けなくなったのだとか。就職後は仕事中に嫌な音から逃げられないことも多く、病気と知るまでは、他人の音が異様に嫌いな神経質な人間なのだと自認していたのだそうです。


ミソフォニア05 子どものころから人の音がダメだった


ミソフォニア06 近年その存在が発見された病気


ミソフォニア07 耳栓をして対策


ミソフォニア08 高校のときは教室の音に我慢できず……

 知人は今は転職し、事務職として働いています。嫌な音が聴こえてしまう状況はあるものの、上司が病気のことを理解してくれ、協力してくれています。中川さんは、知人を通して知ったミソフォニアという病気の存在が知られるきっかけになればと思い、漫画にしたと述べています。


ミソフォニア09 病気だと知らないときは自らを「神経質な人」だと思っていた


ミソフォニア10 今の職場は上司が理解してくれている


ミソフォニア11 きっと知ることが大切

 外からは見えづらい病気はその存在を知らなければ、サポートをできないどころか相手を傷つけてしまうような言動をしてしまう可能性も……。「知る」ことが理解へとつながっていくので、このような漫画で分かりやすく説明してくれるのはとてもためになりますね。

 漫画の読者からは「こういうマンガは凄く凄く大事やなぁ。初めて知りました」「知らないと誤解してしまうことっていっぱいあるんだなーと思いました! 一つ勉強になります!」「私もこれかな? 軋む音、特にプラや革の軋む音がするとすっごくイライラして、叫び出しそうになる。動悸もする。つり革が軋む電車は最悪」「漫画でミソフォニアを世に知らせてくださり本当にありがとうございます」などミソフォニアについて初めて知った人や当事者、もしかしたら自分もそうかもという人からコメントが集まっています。

 中川さんは漫画『ROUTE END 』『ほしにねがいを』『リメインバッド』を手掛けています。

画像提供:中川海二(@nakagawakaini)さん


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/21/news027.jpg 大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
  2. /nl/articles/2411/20/news049.jpg 高校生の時に出会った2人→つらい闘病生活を経て、10年後…… 山あり谷ありを乗り越えた“現在の姿”が話題
  3. /nl/articles/2411/20/news222.jpg ディズニーシーのお菓子が「異様に美味しい」→実は……“驚愕の事実”に9.6万いいね 「納得した」「これはガチ」
  4. /nl/articles/2411/20/news050.jpg プロが教える「PCをオフにする時はシャットダウンとスリープ、どっちがいいの?」 理想の選択肢は意外にも…… 「有益な情報ありがとう」「感動しました
  5. /nl/articles/2411/20/news054.jpg 「防音室を買ったVTuberの末路」 本格的な防音室を導入したら居住空間がとんでもないことになった新人VTuberにその後を聞いた
  6. /nl/articles/2411/20/news027.jpg 「こんなことが出来るのか」ハードオフの中古電子辞書Linux化 → “阿部寛のホームページ”にアクセス その表示速度は……「電子辞書にLinuxはロマンある」
  7. /nl/articles/2411/21/news083.jpg 間寛平、33年間乗り続ける“希少な国産愛車”を披露 大の車好きで「スカイラインGT-R R34」も所有
  8. /nl/articles/2411/21/news085.jpg 「もしかしてネタバレ?」 “timeleszオーディション”候補者がテレビ局を退社 ディズニーの“船長”としても話題
  9. /nl/articles/2411/18/news107.jpg 走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
  10. /nl/articles/2411/21/news018.jpg グルーミングが出来ない生まれたての子猫、とんでもない体勢になり…… 想像以上のへたくそっぷりに「どこにも届いてないww」「反則級」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた