「ラブ波」「ダークマター」「ヤング率」実在するヘンな科学用語たち

科学用語はかっこいいものばかりじゃなかった。

» 2019年09月07日 12時30分 公開
[てんもんたまごねとらぼ]

 突然ですが専門用語ってかっこいいですよね! 特に科学用語は「真空」「ブラックホール」「シュレディンガー方程式」などなど、中二心をくすぐるカッコいいパワーワードのオンパレードです!

 しかし、そんななかで、響きがヘンな科学用語もあるんですよ。今回はそんな「ちょっとヘン?」な科学用語をピックアップしてみました!



ダークマター(暗黒物質):天文学用語

 「ダークマター」または「暗黒物質」、まだぎりぎり「かっこよさ」を維持していますが、よく考えるとヘンな単語です。暗黒って何なの!? 黒い物体なの!? 闇属性なの!?

 ……違います。

 ダークマターは「宇宙にはたくさんあるはずだけど、それ自体が光をださないから光学的に直接観測できないモノ」という意味です。

 例えるなら、「暗闇の中で、遠くにろうそくが灯っていると望遠鏡などで見えるが、遠くに落ちている石ころは見えない。でも石ころがあるということだけは分かる」、という状態。

 私たちの周りにはさまざまな元素がありますが、私たちに見えている物質は宇宙のわずか4.9パーセントにすぎない、といわれています。そして、正体不明の暗黒物質が26.8パーセント、これまた正体の分からない暗黒エネルギーが残り68.3パーセントを占めているんです。

 つまり、宇宙の約95パーセントは「正体不明なもの」で占められている、ということ(!)。これってちょっと衝撃ですよね。



ヤング率:物理用語

 ヤング率? うんうん、知ってるよー、ナウでヤングな若者の割合でしょ?(死語)

……はい、全然違います!

 「ヤング率」は物理用語で、ごく簡単に説明すると「ある固体を引っ張ったときに、引っ張った力に対してどれだけ変形するかに関わる比例定数」という意味で、「伸び弾性率」ともいわれています。

 ちなみにヤング率は鋼鉄、銅、金の順で小さくなっていきます。つまり、ヤング率が大きいほど固い、小さいほど柔らかい、というイメージをもつといいかもしれません。



 これは1807年にイギリス人のヤングさんが提唱したため、「ヤング率」と呼ばれることになりました。スペルも本当に「young(若い)」と同じスペルなんですよ。何歳になっても「young(若い)」だなんてちょっとうらやましいかも。


ラブ波:地学用語

 ラブ波、英語で「Love wave」。え、つまりこれは愛の波動……「ラブコメの波動を感じる」っていうやつですか!?

 ……はい、残念ながら(?)これもれっきとした「科学用語」なのです。

 「ラブ波」は、地震に関する地学用語です。地震ではさまざまな地震波が発生します。理科でおなじみのP波、S波に加えて、T波、後続波、さらにはレイリー波、ラブ波などがあります。

 P波、S波、といえば、地震の時に地下の岩盤を伝ってやってくる実体のある「実体波」ですが、レイリー波、ラブ波は地球の表面を伝わるため「表面波」と分類されます。レイリー波は表面に対して垂直に振動します。ラブ波は表面に対して水平に振動します。



 このラブ波の存在は、1911年にイギリスの数学・物理学者オーガストゥス・ラブさんが理論的に証明し、またその名前が付けられました。つまりヤング率と同じく、「人名がついたパターン」です。


まとめ

 カッコいい専門用語だらけと思われる科学用語でも、時々クスッと笑えるヘンな響きの科学用語もあります。

 大まじめに話しているときは案外気付かないものですが、リラックスしていろんな単語を眺めてみるとまだまだヘンな単語に出会えるかもしれませんね。

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