「レビュー消してくれたら2倍返金するよ」 Amazonで低評価レビューを書いたらとんでもないメールが来た―― 投稿者に経緯を聞いた

返品処理までの対応は誠実なものでしたが、交換品も不良品だったことをレビューに追記したところ、もみ消しを図るメールが来たそうです。

» 2019年12月03日 08時00分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]

 Amazon.co.jpで買った中国製品が不良品だったので低評価を付けたら、「レビュー消してくれたら2倍の金額で返金するよ」と連絡が来た――。ある販売業者の依頼を紹介したツイートが、大きな反響を呼んでいます。



メール あからさまなレビュー工作……(画像提供:雨猫くろさん)

 投稿主の雨猫くろ(@ameneko_96)さんが部分的に公開した先方からのメールには、「厚かましいことですが、もし、お客様がごレビューをキャンセルしていただければ助かります。この場合、お客様に誠に感謝するため、2倍の返金を申し上げます(原文ママ)」と記載。ストレートに言うなら、「謝礼を払うから低評価を取り消してほしい」と、もみ消しを図る内容です。

 ツイートは広く拡散され、「Amazonのレビューはもう役に立たない」と嘆く声が多数。「そうなると、低評価レビューがある商品のほうが信用できることになる」「こうした行為でむしろ信用を失うとは思わないのだろうか」など、さまざまな意見が寄せられました。

 Amazonにおける、事実と異なる“やらせレビュー”は以前より問題視されており、最近では「サクラチェッカー」という診断サービスが生まれるほど(関連記事)。問題の一端が垣間見える事態に直面した雨猫くろさんに、詳細を聞きました。



最初は誠実だったが、交換品も不良品だったあたりから対応が怪しく――

―― 購入した商品は何でしたか?

雨猫くろ 具体的な商品名は控えさせていただきますが、購入したのはいわゆる充電ケーブルです。

―― 最初に書いたレビューはどんな内容だったのでしょうか。

雨猫くろ 「一応充電はされるものの、途中で充電が勝手に止まってしまい、PCやらUSBコンセントやら色々試してもすぐに止まるので、どうやら外れを引いてしまったのかな。純正品をおすすめします」といった内容のレビューでした。

―― ツイートではメールを部分的に公開していますが、全体的なやり取りはどのようなものでしたか。

雨猫くろ 実はそのメールが来る前に、何度かやり取りをしています。上記内容のレビューをAmazonに投稿し、掲載された翌日ぐらいに、そのレビューに対して販売元から「ご迷惑をおかけして申し訳ありません、保証期間内ですのでもしよろしければ以下のメールアドレスにご連絡下さい」といった、特に変わりのないコメントがついていました。

 そのときは返品交換か返金対応してもらえたらなと思い、そのメールアドレスに注文番号と不具合の詳細を書いたメールを送ったところ、1時間ほどして謝罪とともに「新品交換対応させていただきます。返品の必要はございません。交換後あらためてレビューしていただければ幸いです」という内容のメールが届きました。しかも、その日のうちに新品を発送してもらえて、迅速でていねいな対応をしてくれる優良な販売業者だなと思いました。ところどころ妙に日本語がおかしいので、外国人が入力しているのは明白ではありましたが。

 後日、言われた通り新品が届き、早速使用してみたのですが、驚いたことにそれも充電が途中で止まるというほぼ同様の不具合があったのです。そもそもこの商品との相性が悪いのかなと思いまして、レビューに「交換品も同様の症状で使えなかったが、迅速かつていねいな対応をしていただけた点はすばらしいが純正品をお勧めします」と追記をしました。

 まあ、交換しても使えなかったし、また連絡するのも面倒だしもういいやと思っていたところ、後日またメールが来まして、「更新したレビューを拝見しました、ご迷惑をおかけして申し訳ございません。おわびとして返金対応させていただくことが可能です。」といった内容が前半に書かれていました。ここまでは普通に親切な対応だなぁとメールを読んでいたのですが、後半に「厚かましいですがそのレビューを削除していただければ2倍の返金対応をさせていただきます」と目を疑う文章があったのです。それがツイートの画像部分になります。

―― その後はどうされましたか。

雨猫くろ 返金対応のためPaypal口座を教えてほしいとありましたが、当方Paypalをよく知らず、また、知り合いから口座や個人情報を盗まれてしまうおそれがあるんじゃないかなど助言をいただいて、お断りしました。返金してもらえる可能性も高いという意見もありましたが、面倒くさくなって放置しています。

―― 今回の先方の行為についてどう思いますか。

雨猫くろ 購入者によっては得と感じて応じたり、またはけしからんと考えて断ったりと、さまざまな人がいらっしゃると思います。このような低評価レビューの削除をお金で依頼するような行為は、他の業者でも少なくないようです。特に中国の製品に多い印象ですが、日本の業者でもそういった行為があるとも耳にしています。

 しかしこういった行為が多発すると、実物に触れることのできない通販で、購入を検討する材料の1つとして重要なレビュー機能がまひし、商品を正しく見極めることが困難になり、新規ユーザーが不良品をつかまされたり、サクラレビューとの相乗効果でますます信用が失われ、実は本当に優良な商品なのに(中国製でも高品質な商品や、それを販売する中国企業も多く存在します)怪しまれて購入してもらえなくなってしまったり、果てはAmazonという商品販売の場にすら信頼性に影響を与えてしまうかもしれません。

 当方Amazonは10年近く利用しておりますが、10年ほど前はレビューも機能しており困ることはありませんでした。現在ではサクラレビューの巣窟と化し、Amazon利用歴の長いユーザーでないと(ときにはベテランユーザーでも)、なかなか商品を見極めるのは難しい状況になってきているのではと感じています。


協力:雨猫くろ(@ameneko_96)さん




Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2407/24/news014.jpg 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  2. /nl/articles/2407/25/news017.jpg 「これが生えたら庭終了」 プロも降参する“何をやっても全部ムダな最恐雑草”の正体が400万再生「ほんとこれ厄介」「土ごと変えないと不可能」
  3. /nl/articles/2407/26/news151.jpg イトーヨーカドー春日部店が閉店へ 「クレヨンしんちゃん」に登場するスーパーのモデル 「残念」「寂しい」惜しむ声
  4. /nl/articles/2407/25/news012.jpg 夜、山中の側溝をのぞいてみたら…… 思わず声がもれる“あらぬ生物”の姿に「ヤバいw」「生で見てみたい」
  5. /nl/articles/2407/25/news007.jpg 水槽の中で卵を発見→慎重に見守って1カ月後…… 小さな命の誕生に飼い主も視聴者もメロメロ「まじで可愛すぎるほんとに可愛い」
  6. /nl/articles/2407/25/news138.jpg 「お父さんはママのオタクだった」 母親が「元・おニャン子」のタレント、アイドルとオタクが“つながっちゃいけない理由”を問いかける
  7. /nl/articles/2407/25/news050.jpg 「立体的に円柱を描きなさい」 中1の“斜め上の解答”に「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」
  8. /nl/articles/2401/26/news015.jpg スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
  9. /nl/articles/2407/26/news119.jpg 工藤静香、15歳の愛犬が天国へ 感謝の言葉つづるも……「泣いてばかり」「心が追いつかない」と悲痛な思い
  10. /nl/articles/2407/26/news008.jpg 外国人が来日して“3年後”…… マクドナルドの“オーダーの変化”に「胃袋が日本人のそれなんよw」とツッコミ
先週の総合アクセスTOP10
  1. プロが本気で“アンパンマンの塗り絵”をしたら…… 衝撃の仕上がりが360万再生「凄すぎて笑うしかないww」「チーズが、、、」
  2. 6年間外につながれっぱなしだったワンコ、保護準備をするため帰ろうとすると…… 思いが伝わるラストに涙が止まらない
  3. 「お釣りで新紙幣来た!!!!!と思ったら……」 “まさかの正体”に「吹き出してしまった」「逆に……」
  4. 赤いカブトムシを7年間、厳選交配し続けたら…… 爆誕した“ウルトラレッド”の姿に「フェラーリみたい」「カッコ良すぎる」
  5. ダイソーで買った330円の「石」を磨いたら……? 吸い込まれそうな美しさが40万回表示の人気 「夏休みの自由研究にもいいのでは?」
  6. 「これ最初に考えた人、まじ天才」 ダイソーグッズの“じゃない”使い方が「目から鱗すぎ」と反響
  7. もう笑うしかない Windowsのブルースクリーン多発でオフィス中“真っ青”になった海外の光景がもはや楽しそう
  8. アジサイを挿し木から育て、4年後…… 息を飲む圧巻の花付きに「何回見ても素晴らしい」「こんな風に育ててみたい!」
  9. スズメの首は、実は……? 「心臓止まりそうでした」「これは……びっくり!」“真実の姿”に驚愕の声
  10. 【今日の計算】「8×8÷8÷8」を計算せよ
先月の総合アクセスTOP10
  1. 18÷0=? 小3の算数プリントが不可解な出題で物議「割れませんよね?」「“答えなし”では?」
  2. 日本人ならなぜかスラスラ読めてしまう字が“300万再生超え” 「輪ゴム」みたいなのに「カメラが引いたら一気に分かる」と感動の声
  3. 「最初から最後まで全ての瞬間がアウト」 Mrs. GREEN APPLE、コカ・コーラとのタイアップ曲に物議 「誰かこれを止める人いなかったのか」
  4. 「値段を三度見くらいした」 ハードオフに38万5000円で売っていた“予想外の商品”に思わず目を疑う
  5. 「思わず笑った」 ハードオフに4万4000円で売られていた“まさかのフィギュア”に仰天 「玄関に置いときたい」
  6. かわいすぎる卓球女子の最新ショットが730万回表示の大反響 「だれや……この透明感あふれる卓球天使は」「AIじゃん」
  7. 「これはさすがに……」 キャッシュレス推進“ピクトグラム”コンクールに疑問の声相次ぐ…… 主催者の見解は
  8. 天皇皇后両陛下の英国訪問、カミラ王妃の“日本製バッグ”に注目 皇后陛下が贈ったもの
  9. 「この家おかしい」と投稿された“家の図面”が111万表示 本当ならばおそろしい“状態”に「パッと見だと気付けない」「なにこれ……」
  10. 和菓子屋の店主、バイトに難題“はさみ菊”を切らせてみたら…… 282万表示を集めた衝撃のセンスに「すごすぎんか」「天才!?」