「ビタースイートな気分」 「スター・ウォーズ」レイ役デイジー・リドリーが明かす“終わりのその後”
デイジーが口にした「スカイウォーカーの夜明け」のキーフレーズとなる言葉とは?
広大な銀河を舞台に繰り広げられる戦いを、スカイウォーカー家の波乱万丈な歴史を絡めて描いた「スター・ウォーズ」シリーズ。12月20日に公開された「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」(以下、スカイウォーカーの夜明け)は前夜祭上映を含めたオープニング3日間の興行収入は15億7046万円、観客動員は101万8851人を記録するなど、一大叙事詩の終わりは広い世代から注目を集めています。
ルークの遺志を受け継いだレイと、祖父ダース・ベイダーの遺志を受け継ぐカイロ・レン。フォースで共鳴しながらも光と影のように敵対する2人の物語に決着がつく今作。約4年ぶりに来日したレイ役のデイジー・リドリーにこの愛と喪失の物語についてあらためて聞いてみました。
―― あなたが演じたレイは「フォースの覚醒」で登場し、「最後のジェダイ」で鍛錬し、そして「スカイウォーカーの夜明け」では内面的な自立が描かれると思いますが、あなたが考える見どころは?
デイジー 続三部作の前2作で気が付いたのは、レイは他のキャラクターから何か言われて動く、つまり自分の外側からの力によって動いていました。それが「スカイウォーカーの夜明け」では、自分が何者なのかを知るために、そして自分が何を欲しているのかを見極めるために、自発的に行動しています。その道のりはとてもエモーショナルで強烈なものです。
―― 続三部作における冒険はレイに、またあなた自身にどんな変化をもたらしましたか?
デイジー 「フォースの覚醒」のときはキャスティングが決まってからキャラクター像が固まっていく当て書きのような状況でした。それ故に、キャストがキャラクター像に大きな影響を与え、また、キャラクターもキャストに影響を及ぼしたように思います。何事にも全力で臨みたい私の性格が恐らくレイの性格にも恐らく影響を与えたように。
「フォースの覚醒」で私が美しいと思ったのが、レイに初めて友人ができ、レジスタンスという名の“家族”ができていく道のり。そうした道のりを経て、今作ではレイをサポートしてくれる人たちが周りにいるので、レイは自信を持って自分の求めるものを探しにいける。それが大きな変化です。
私自身についていえば、とても心理的に安心して撮影に臨める環境でしたので、以前よりも自信を持つことができました。少し前にエイブラムス監督が作品のクランクアップを伝える写真をSNSにUPしましたが、あれを見るだけでもどんな現場だったのかが伝わると思います。特に私の場合、今作ではフィン役のジョン・ボイエガやポー・ダメロン役のオスカー・アイザックとの冒険も多く、本当に最高な道のりでした。
―― 続三部作を終えて、やり残したと感じることはありますか?
デイジー 決して「最後のジェダイ」で不完全燃焼だったわけではないけれど、今作は自分たちの想像以上に大きな作品となっていて、全ての力を出し切ったので、今は気持ちもすごく充足しています。出し切ったといえばレイは今回、悲しみ、怒り、喜びといった全ての感情を出すことができたので、撮影が終わったときは正直すごく疲弊しましたけど、それも含めて今はすごく充足していますね。
―― 続三部作はいわばレイの成長記で、それはつまり、このシリーズで華開いたといっても過言でないあなた自身の成長記であるとも言えます。それが終わることで、どんな思いが去来していますか?
デイジー 質問の答えを感覚的にいえば、ちょっとビタースイートな気分です。
この5、6年は、「スター・ウォーズ」に合わせてスケジューリングしてきたので、それがなくなると考えると奇妙な感覚になります。監督や共演者たちと会えなくなるのもさみしいですが、私はこの壮大なシリーズの一部になれたことを誇りに思いますし、見た方が作品を愛してくだされば本望です。レイというキャラクターのイメージはきっと残っていくでしょうけど、私もキャラクターが大好きだから全然気になりません。
―― 「フォースの覚醒」に始まった続三部作はシリーズで初めて女性が主人公となりましたが、こうした動きはどう感じましたか?
デイジー もっと前に起きるべきだったかなとは思います。私は世界中の女性の声を代弁できないし、そうしたくもないけれど、長く続く戦いの中、ちょうどいいタイミングで自分がそこに立つことができたという感じです。多くの女性たちがやろうとしていることを自分の仕事を通して表現できたことはうれしく思いますね。
―― スクリーンを通して世の中の人々をレプリゼント(体現)していると。
デイジー まあそうですね。レイは演じがいのあるキャラクターで、世界中のすばらしい女性たちを象徴的に見ることもできるキャラクターであるのはすばらしいことですが、まだまだ理想の状態とはいえません。この戦いは続いていくでしょう。
あとは、ダイバーシティ(多様性)のレプリゼンテーションという意味でも、「スカイウォーカーの夜明け」はシリーズで最もそうなっている作品です。それはフィン役のジョン、ポー・ダメロン役のオスカー、前作から登場したローズを演じるケリー・マリー・トラン、そして今作で登場するジャナ役のナオミ・アッキーを含めて。
―― ところで、先日、米NBCのトーク番組「The Tonight Show」で「スター・ウォーズ」シリーズの歴史をラップで表現されていたじゃないですか。「レイ何があった」と思うくらいノリノリで楽しく見ましたが、今作については言及していませんでした。最後に、「スカイウォーカーの夜明け」を表す特徴的なキーフレーズを挙げるなら?
デイジー あのラップね(笑)。スター・ウォーズというのはどのエピソードも究極的には善と悪の戦いであり、冒険であり、希望、家族といったものが描かれていくストーリーですから、大きな意味では今作のことも言い表したリリックでした。
でも、そうね。今作のキーフレーズということで言えば、もしかしたらあのときのリリックに入れていたかもしれないけれど、「Hope living」かなと思います。
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