平手友梨奈はなぜ渾身の「僕は嫌だ」を披露できたのか 紅白リハーサル取材で見えた欅坂46の謙虚・優しさ・絆:第70回NHK紅白歌合戦(2/3 ページ)
NHK広報:4回目の出場となります、欅坂46の皆さんです。まずは意気込みをよろしくお願いいたします。
欅坂46メンバー一同:よろしくお願いします。
菅井:2019年は2期生も加わって、欅坂にとってすごくパワーアップした1年だったかなと思うので、この紅白歌合戦に素晴らしいアーティストさんと出演させていただくことと、応援してくださる皆さんに感謝をこめて精いっぱい集大成を見せたいと思います。
NHK広報:それではご質問どうぞ。
ねとらぼ:まず(今回1回目の「僕は嫌だ」のパートを担当される)田村さんにお伺いさせてください。今回の紅白歌合戦で「不協和音」を披露することについて、作曲を手掛けたバグベアさんから「すごくうれしい」というコメントを頂戴しています。田村さんにとって「不協和音」はどんな楽曲ですか。
田村:(少し考えて)欅坂の曲には“僕”っていう主人公がいるんですが、欅の曲の中でも“不協和音の僕”は結構強い意思を持っていて。個人的には私と(不協和音の僕)は真逆な性格なので、はじめはちょっとそこに戸惑いがあったんですけれども、そういう人にも(楽曲の僕と似ていない性格の人にも)うまく届けられるようになればいいなと思っています。
ねとらぼ:「僕は嫌だ」をうまく言えるようになったきっかけなどあれば教えてください。
田村:全然うまくないです(笑)。
欅坂46メンバー一同:うふふ(笑)。
菅井:(小声で)かっこいいよ〜。
田村:(小声で)いやいや。
ねとらぼ:メンバーの皆さんから見て田村さんバージョンの「僕は嫌だ」はいかがですか。
菅井:かっこいい! ほのちゃんの「僕は嫌だ」なんだなというのがすごく伝わってギャップもあるし、本当に自分のものにしているなと感じます。
記者:「不協和音」は2年前にもやっている曲ですけれども、2回目の方にハプニングもありました。今回あらためて心配があったりはしないですか。大丈夫ですか。
小林:やっぱり2年たって、私たちも成長している部分もあると思うので、今回は2年前とはまた違った新しい「不協和音」というか、また強くなった「不協和音」を見せられたらいいなと思います。
記者:2期生の方は初めて紅白に出られるということで良いですよね。松田さん(心境は)いかがですか。
松田:(紅白は)誰もが憧れる舞台、ステージだと思います。先輩方の積み重ねがあって私たちもこうやって同じステージに立たせていただけることがすごくうれしいので、皆さんにこの「不協和音」という曲(のメッセージ)がお届けできたらいいなと思います。
記者:今回は(乃木坂46、欅坂46、日向坂46の)三姉妹が同じステージにそろうということになりますが、“真ん中”という立場としてはいかがですか。
菅井:乃木坂46さんのおかげで私たちも誕生することができて、本当に尊敬している大先輩ですし、一緒に少しの間活動できた日向坂46のみんなが頑張っている姿とかもそばで感じていて、力をもらっています。“真ん中”という立場から少しでも力になれるように頑張りたいなと思っています。
記者:その中で欅坂としてここは負けない。欅坂のここを見てほしいというところがあれば。
菅井:えぇ〜(振り返りながら)ある?(笑)
土生:普段バキバキな振り付けが多いので、(坂道合同「シンクロニシティ」は)すごく難しかったんですけれども、“ハモれる”ように練習、頑張りました。
菅井:そうだね(笑)、“ハモれる”ように。
欅坂46メンバー一同:うふふ。
記者:欅坂46が他の2グループと違う特徴って皆さんの中でありますか。
欅坂46メンバー一同:(しばし考えて)。
菅井:やっぱり歌詞のメッセージ性の強さは、私たち自身もパワーをもらっている部分があるので、そこをうまくお届けできるようにと。(自分たち自身が)その強さをものにできて、(パフォーマンスを見る皆さんの)力になれたらいいなと思います。
記者:休業しているメンバーの方へはいかがでしょうか。
NHK広報:今回ご質問は楽曲やステージのことに関連してということでお願いいたします。
菅井:すみません(頭を下げる)。
ねとらぼ:本番の衣装とかは教えていただけたりしますか。どんな感じの衣装なのか、雰囲気、色など少しでも良いのですが。
菅井:エヘヘっ。
理佐:(菅井さんと顔を見合わせて)ふふっ。
菅井:楽しみにしててください(笑)。
ねとらぼ:そこはまだ秘密なんですね!(笑)
菅井:すみません、(本番を見ての)“お楽しみ”でお願いします(笑)。
記者:2019年は東京ドームのコンサートがありましたが、そこで身に付いたものや得たものはありましたか。
菅井:夢だったステージに応援して下さる皆さんのおかげで立つことができて、それを経験したからこそ、より団結力も増したと思いますし、(東京ドーム公演は)この2019年の大きな成果なので、(紅白本番では)1期、2期合わせたみんなで出し切りたいと思います。
NHK広報:ではここで囲み取材を終了したいと思います。ありがとうございました。
欅坂46メンバー一同:ありがとうございました。
菅井:(移動しながら)すみません、衣装のこと。
ねとらぼ:全然大丈夫ですよ、応援してます。この度はおめでとうございました!
欅坂46メンバー一同:(頭を下げて移動しながら)ありがとうございました!
12月30日:リハーサル
本番を翌日に控えた12月30日には、後半ブロックに出演するアーティストを中心に通しリハーサルが行われました。Official髭男dismに続いて登場する欅坂46は、ピアノなどの機材が搬出されるまで、舞台上手横で集合しており客席まで数メートルという近距離でスタンバイ。この日は前日の囲み取材で“秘密”としていた深紅の不協和音制服、深紅に濃紺の差し色が入ったソックス、赤いローファーという衣装で登場し、スタッフのGOが出ると素早い動きで全員がファーストポジションに入りました。
リハーサルでは2年前にコラボパフォーマンスを披露した総合司会の内村光良さんから「2年ぶりに『不協和音』が帰ってきました!」「しっかり見届けたいと思います」という紹介があり、カウントがスタートしましたが、技術トラブルの影響でうまく音楽が流れず仕切り直しに。
しかしメンバーに動じる様子はなく、そのままの姿勢で落ち着いて待機していました。特に床に伏せた状態でスタンバイしている平手さんは、守屋さんの左ももに頭を預けてから微動だにせず、集中した様子。しばしして紅組司会の綾瀬はるかさんから「欅坂46で『不協和音』」と2度目の曲紹介があると今度は無事にイントロが流れ始めました。本番さながらのスモークやレーザービームなど特効が使用される中、冒頭の見どころ、平手さんのこぶしの突き出しに加え、田村さんによる1回目の「僕は嫌だ」も力強く決まりました。
この日はリハーサルであり、午後からは別の年末音楽番組の出演も控えていたため、7割程度の力でダンスと歌唱の確認を行っていたメンバーたちですが、1日目でもっとも時間を割いていた「あぁ調和だけじゃ危険だ」の倒れこみの部分に入ると次第にエンジンがかかってきた様子。特に2期生メンバーは大きく体を使ってダンスしており、報道陣からは「(森田さんに対して)あの子は小柄なのが目立たないほど良く踊れている」といった声も聞かれました。
そんな2期生達を引っ張る1期生たちも平手さんが放つ2度目の「僕は嫌だ」から大きく躍動。普段はおっとりした印象の上村莉菜さんと長沢菜々香さんがロングヘアを振り乱しながらしっかり腕を開いてジャンプすれば、キャプテンの菅井さん、副キャプテンの守屋さんが鬼気迫る表情でステップを刻み、理佐さんは激しく体を揺さぶっても軸が全くブレない体幹の強さを見せつけました。
最後は終盤最大の見どころ、メンバー全員で作り上げる“逆三角フォーメーション”にて田村さんが不敵な笑みを浮かべながらポジションに向かって前進。全員でポーズをバッチリと決めて約15分のリハーサルを終えました。
12月31日:第70回NHK紅白歌合戦本番(以下画像はリハーサル及び囲み取材のもの)
ネットメディア向けには一般的に公開されない紅白歌合戦本番。筆者をはじめ、ねとらぼ編集部はお茶の間で本番の成功を祈っていました。そしてやってきた後半戦4組目、欅坂46「不協和音」。
MVの映像が流れる中、内村さんによる「欅坂46の“神曲”、不協和音」のナレーションから始まったVTRでは「第68回NHK紅白歌合戦」での“コラボ不協和音”が流れ、倒れそうになりながらも必死に踊り続けるメンバーの映像が映し出されました。
あれから2年ぶりにテレビで、それも生放送で披露される「不協和音」を前に、会場の内村さんは「もう1回聞けるとは思わなかったし、でももう1回やると決めた彼女たちの気概をすごく感じました」と力強くコメント。応援に来た広瀬すずさんと共に「見届けたいと思います。楽しみにしています」とエールを送りました。
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