ふるさと納税訴訟、泉佐野市が敗訴 市長コメント「判決は全く受け入れがたい」 上告へ

判決は「泉佐野市が提供する返礼品は突出して極端なもの」などと指摘。

» 2020年01月30日 17時40分 公開
[ねとらぼ]

 総務省がふるさと納税制度から大阪府泉佐野市を除外したのは違法だとして同市が取り消しを求めた訴訟で、大阪高裁(佐村浩之裁判長)は1月30日、同市の請求を棄却しました。敗訴した同市は最高裁に上告する方針です。

フォト 現在、泉佐野市はふるさと納税制度から除外されている(泉佐野市のWebサイトより)

 2019年6月からのふるさと納税新制度では、返礼品は「調達額が寄付金の3割以下の地場産品」に限定し、「返礼品を含む経費の比率を寄付額の50%以下にする」などと定めました。その上で、自治体からの事前の参加申請を受けた総務省が審査し、対象自治体を指定する形になりました。

 この結果、これまで高額な返礼品で寄付を集めてきた泉佐野市など4市町について、総務省は新制度からの除外を決定。泉佐野市はこれを不服として19年11月、高市早苗総務相を相手取り、除外の取り消しを求めて提訴していました(関連記事)。

 泉佐野市は、総務省が旧制度で出していた返礼率などについての通知は「技術的助言」であり、「法的拘束力はなく、従うか否かは自治体の任意だった」などと主張していました。

フォト 旧制度の5月31日まで“駆け込み”キャンペーンを実施していた

 大阪高裁の判決では、泉佐野市の手法について、「対価の提供と誤解されるような過度な返礼品を誘因として寄付金の募集を行うことは、その法的枠組みを甚だしく逸脱し、制度趣旨に反するもの」と指摘しました。

 その上で、「泉佐野市が提供する返礼品は突出して極端なもの」であり、泉佐野市は法律による行政を行う地方団体として、ふるさと納税の法的枠組みからの逸脱を自ら是正すべきだった──と批判。同市が自ら是正しなかったため制度から除外されたのであって、総務省の通知に従わなかったことを理由に制裁されたのではない──として、地方自治法には反しないとの判断を示しました。

 泉佐野市の千代松大耕市長は「判決は、全く受け入れがたいもの」と上告する方針を明らかにしました。(以下、コメント全文)

本日、ふるさと納税制度における本市の不指定取り消しを求めておりました裁判の判決が出ました。

判決内容は、本市が訴えていたことがほとんど認めていただけず、全く受け入れがたいものでした。

本市もそうですが、今回の裁判に注目されていた方々は、この不当ともいえる判決に非常に驚かれているのではないでしょうか。

総務省は、改正した地方税法を根拠に本市を除外したと主張していますが、この判断は実質法律の遡及適用という法の基本原則に反することは明らかです。

また、地方税法改正前に総務省から発せられていた「技術的助言」には法的拘束力がないことも同じく明白であり、これに従わなかったことを理由に総務省が本市を新しいふるさと納税制度から除外したことは、明らかに地方自治法に抵触しています。

これらのことを、きちんと司法機関にご判断いただけなかったのは、大変残念です。

今回の判決は、先般の国地方係争処理委員会の審議結果も全く考慮されておらず、単に総務大臣の主張を追認しているだけで、何ら納得できる点がありません。

一方的に自分たちの考えを自治体に押しつけてくる旧態依然の中央集権的な総務省を正当化してしまう本日の判決は、本市をはじめ多くの自治体には理解することができず、不当なものであると考えます。

本市といたしましては、最高裁判所に上告することといたしました。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/22/news047.jpg 刺しゅう糸を20時間編んで、完成したのは…… ふんわり繊細な“芸術品”へ「ときめきやばい」「美しすぎる!」
  2. /nl/articles/2412/18/news207.jpg 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」【大谷翔平激動の2024年 現地では「プレー以外のふるまい」も話題に】
  3. /nl/articles/2412/21/news040.jpg 友達が描いた“すっぴんで麺啜ってる私の油絵"が1000万表示 普段とのギャップに「全力の悪意と全力の愛情を感じる」
  4. /nl/articles/2412/22/news034.jpg 後輩が入手した50円玉→よく見ると…… “衝撃価値”の不良品硬貨が1000万表示 「コインショップへ持っていけ!」
  5. /nl/articles/2412/21/news019.jpg 毛糸6色を使って、編んでいくと…… 初心者でも超簡単にできる“おしゃれアイテム”が「とっても可愛い」「どっぷりハマってしまいました」
  6. /nl/articles/2412/22/news036.jpg 「これは家宝級」 リサイクルショップで買った3000円家具→“まさかの企業”が作っていた「幻の品」で大仰天
  7. /nl/articles/2412/21/news023.jpg 「人のような寝方……」 “猫とは思えぬ姿”で和室に寝っ転がる姿が377万表示の人気 「見ろのヴィーナス」
  8. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  9. /nl/articles/2412/17/news042.jpg 山奥で数十年放置された“コケと泥だらけ”の水槽→丹念に掃除したら…… スッキリよみがえった姿に「いや〜凄い凄い」と210万再生
  10. /nl/articles/2412/22/news020.jpg 余りがちなクリアファイルをリメイクしたら…… 暮らしや旅先で必ず役に立つアイテムに大変身「目からウロコ」「使いやすそう!」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」