Twitterで見掛ける“一般人風”漫画紹介アカウント、実は電子書籍サイトのステマだった―― 運営会社「誤解を招く表現となってしまった」
Renta!を運営するパピレスに取材しました。【追記】
「なかむら@漫画厨(@nakamura_comic)」「なぎ@異世界に転生したい(@nagi_comics)」「えま@旬な漫画をつぶやくネコ(@ema_comics)」――こんな名前のアカウントがTwitterのタイムラインに流れてきたことはありませんか。
一般人を装い、オススメの漫画を紹介していたこれらのアカウント。しかし、実際は電子書籍サイトがプロモーション目的で運用していたものだったことが分かりました。いわゆる「ステマ(ステルスマーケティング)」に該当するのではとネットでは指摘されており、運営会社は2月20日、編集部の取材に対し「誤解を招く表現となってしまったこと、深くお詫び申し上げます」と謝罪しました。
運営会社「ステマという認識ないまま運用していた」
問題となっていたアカウントは、いずれも昨年(2019年)の春〜夏ごろから活動を開始。Twitterの「プロモツイート(有料の宣伝ツイート)」機能を使い、よくある「漫画投稿ツイート」のような形で、電子書籍サイト「Renta!」の作品を頻繁に紹介していたのが特徴でした(プロモツイートでない作品紹介ツイートもあった)。プロフィールにはある時期から「著作権の許諾は得ております。」といった記載が追加されましたが、特にRenta!との関係については説明されておらず、また宣伝以外に通常のツイート投稿も行っていたため、当初は「アフィリエイト目的の個人アカウントではないか」と思っていた人も多かったようです。
しかし、添付されているURLをクリックしても、ただRenta!のサイトにジャンプするだけで“アフィリエイトタグ”(誰のアフィリエイトから購入されたか識別するためのパラメータ)が付いていないことなどから、ネット上では「実はRenta!が一般人を装って運営しているのではないか?」といった疑惑が浮上(Togetter)。こうした疑惑を受け、編集部では2月20日、Renta!を運営するパピレスに対し「これらのアカウントはRenta!で運用しているものですか」「御社が関与している場合、その旨を表記していなかったのはなぜですか」などの質問を送ったところ、次のような回答がありました。
お問い合わせいただいた件につきまして、下記の通り、回答させていただきます。
Renta!ではご指摘のアカウントを利用して、Twitter社のプロモツイートを実施しておりました。プロモツイートにはツイートの末尾に、「プロモーション」などのタグが表示されます。「プロモーション」表記が出る点から、ステマであるという認識はないまま運用しておりました。しかしながら結果として「ステマではないか」という、誤解を招く表現となってしまった事、深くお詫び申し上げます。
ご指摘のアカウントにつきましては、全て停止しております。以上を回答とさせていただきます。
(広告マーケティング部 担当者)
パピレス側の回答によれば、これらのアカウントはやはりRenta!が運用していたもので、プロモツイートとして投稿が表示された場合「プロモーション」のタグが自動で表示されるため「ステマにはあたらない」という認識だったとのこと。ただ、プロモツイートでないツイートについてどう認識していたのかは回答がなく、また、他にも「どういう経緯で、どのようにアカウントを運用していたのか」などの質問も送っていましたが、これらについても回答はありませんでした。なお、当該のアカウントについては現在、過去ツイートをほぼ全て削除しており、今後新たなツイートは行わないとのこと。
「関係性の明示」としては不十分
ただ、パピレス側が言うように、本当にこれが「ステマにはあたらず、誤解を与えただけ」なのかは疑問が残ります。いわゆる「ステマ防止ガイドライン」として広告業界で広く参照されている、「WOMJガイドライン」では、口コミを使った宣伝を行う際には「広告主と発信者の関係性」を必ず明示するよう定めており、今回のケースで言えば「Renta!(広告主)とアカウントの持ち主(発信者)の関係性」が分かりやすく明示されていなければなりません。
その意味では、プロモツイートを使用した場合の「プロモーション」表記はあくまで「Twitter社が広告費をもらってそのツイートを優先表示している」という意味にすぎず、「Renta!(パピレス)によるプロモーションである」という説明にはなりません。また、そもそもプロモツイートを使っていないツイートもあったことや、「プロモーション」の表記自体も、誰かのいいねやRT経由で表示された場合や、プロモ期間終了後には消えてしまうことも考えると、やはり「プロモーション」表示だけでは十分に「広告主と発信者の関係性」を明示しているとは言えません。
ネット上では“疑惑”の浮上後、Renta!に対し「広告主を明示しない広告はちょっとまずいですね」「Renta!と名乗らずに一漫画ファンという体でやってるんだからステマだよ」「胴元がこの手の広告する分にはまあ宣伝だし、と思うけど、こういうマンガ読み風のアカウント名乗ってやってきた場合は、もうその媒体は信用しないし、アカウントもミュートかける」など厳しい意見もあがっていました。
こうした「“一般人風”漫画紹介アカウント」について調べたところ、Renta!以外の電子書籍サービスを紹介しているアカウントも見られましたが(一部はPR表記があるものも)、これらについても現在問い合わせ中です。
2月25日20時追記
「まんが王国」の作品を専門にツイートしているアカウント「まんがおすすめ情報(@manga_inf0)」についても問題視する声があがっていましたが、運営元であるビーグリーに取材したところ次のような回答がありました。
当社は広告を掲載する各メディアの広告規約はもちろん、業界団体のガイドラインなどを参考に、社会的規範に則った宣伝活動を推進しております。この度の指摘を受け、消費者の皆様においてより誤解を生じさせることのない表示とすべく当該アカウントのプロフィール情報を更新いたしました。今後も消費者に誤解を与えない広告の運用に努めてまいります。
(ビーグリー 広報担当者)
ビーグリーによると「まんがおすすめ情報」もやはり同社が運営していたアカウントだったとのこと。Renta!同様、同アカウントもツイート内ではPR表記を行っていませんでしたが、こちらはある時期から、プロフィールに「#PR」という記載を追加(※アカウント開設直後は記載なし)。また今回の問い合わせ後には、プロフィールの冒頭を「おすすめマンガの紹介用アカウント」から「まんが王国が運営するおすすめマンガの宣伝用アカウント」へと変更しています。
その他、ネット上ではコミックシーモアの宣伝用アカウント「BL漫画@ちまき(@chima_xox_chima)」「ミナミ@漫画オススメ(@minami_comic553)」「腐女子中村がオススメするボーイズラブ!(@BOY801LOVE)」などを問題視する動きも見られましたが、こちらは当初から「ツイート時には#PRタグを記載」「プロフィール内で『コミックシーモアの書店員が運営するアカウント』であることを明記」していたことから、少なくとも自作自演やステルスマーケティングといった意図はなかったものとみられます。
関連記事
- 「アナ雪2」Twitter感想漫画に「ステマ」疑惑 7本ほぼ同時投稿され炎上 ディズニーは「ステマという認識はない」と弁明
指摘されたのち、各漫画の作者が一様に「PR」であったことの説明不足を謝罪する、不自然な事態となっていました。 - 「ミキ」のステマツイート批判、吉本興業は「プロモーションだと世間一般にご理解いただける」「ステマではない」
「PR」表記や依頼を受けて行ったツイートであることが明示されていなかった。 - ディズニー、「アナ雪2」以外でも“ステマ”あったと認める 「アベンジャーズ」「キャプテン・マーベル」「アラジン」でも類似行為か
具体的な作品名は挙げませんでしたが、少なくとも「アナ雪2」以外にも「類似の案件」があったことは認めた形に。 - 「PR入れないでと指示受けた」 ステマ問題、漫画家側は知らずに関与か、PR漫画家に実情聞いた
「いざステマが問題になると、矢面に立たされるのは漫画家」と、代理店やエージェント会社の対応に不満も。 - ステマ騒動で流れたうわさ「PRを付けるとTwitter社に広告費を払う必要がある」 Twitter社は「事実ではない」
ステマ騒動の中で真偽の怪しい情報が流れていました。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
【追記あり】夫に「油買ってきて」と頼んだのに、手ぶらで帰宅した理由はまさかの…… とんでもないオチに「やめてww」「久しぶりに大爆笑」
-
1歳息子の“はじめての寝落ち”が140万再生 10歳兄のやさしい行動に「なにこの平和でかわいい世界」「最高に癒やされる」と絶賛の声
-
「予言者いた」「先見の明」 大谷翔平選手&真美子さんの結婚を2021年時点で予言(?)している投稿が発掘され話題に
-
北海道内の移動距離を本州と比較したら…… 感覚がバグるマップ画像に「これが北海道」「大きすぎる」
-
生後1カ月の赤ちゃん「ぼく泣かないもんねっ」 うるうるおめめとへの字口が「はぁ〜たまらん!」「ぐぁぁああああっっ」取り乱すほどかわいい
-
「一番イチャイチャしているように見える」 大谷選手が公開した写真でドジャース山本由伸選手の“手つなぎ”?が話題に 「そっちに目が行く」
-
「妻の服を勝手に着て脱げなくなったムキムキ夫とデカワンコ」に爆笑の嵐 シュールすぎる状況が500万表示突破
-
“おしりが5日で変わる”トレーニング! 「明日からやるか」「1日1回だけなら続けられる」と累計3000万再生突破
-
大好きなボールを100個プレゼントされたときのワンコの表情に「放心ww」「引いてない?」 直視できない姿がSNSで話題
-
赤ちゃんが妙に静かだと思ったら…… 思わぬものへの“真剣モード”に笑顔になる人続出「たれたもちもちほっぺたまらん!」
- 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
- 昭和時代に“無かった物”が写っている……? 細かすぎて伝わらない「未来から来たことがバレた写真」に6万いいね
- 「マジで汚い」「こんなもんです」 辻希美、“大散乱”のリビングと“新”キッチンの差を公開し共感の声集まる
- 双子の赤ちゃん、姉が全力でくしゃみして…… 被害にあった妹の反応に「生後3ヶ月でドリフのコントw」「めちゃどっちもカワイイ」と絶賛の声
- 「よくも病院に連れてきたな……」とにらむ猫、先生が来た瞬間 驚きの変貌に爆笑の声「これがほんとの猫かぶり」
- 急に片耳がたれたワンコ、慌てて病院にいった結果…… 「こんな可愛い診断結果初めて見たよw」「笑っちゃった」と反響
- 「何羽いる?」一見普通の“草むら”、よく見ると……? 思わず絶叫まちがいなしの1枚に「どっさりいるw」「まさに迷彩!」
- 店員に「この子は懐きませんよ」と言われたチンチラ、家に来て3日後…… 人を信じる姿に「愛が伝わったんですね」
- 元SDN48光上せあら、目を離した隙に……子どもが商品を触り“全買取” 「子連れママに厳しすぎないか?」
- 柴犬を子どものように育てた結果、人間みたいな行動をするようになった 何気ない幸せな日常に「完全に家族の一員」「全部が愛くるしい」
- 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
- パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
- “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
- 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
- 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
- 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
- 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
- “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
- 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
- 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」